ヒルダの考えと提案
穏やかな笑顔で声を掛けてきたヒルダに、レベッカは不思議そうな表情で首を傾げていく。
そんなレベッカにヒルダは更に声を掛けていった。
「え? ではなくて、心配しないでも良いんですよ、レベッカさん?」
「……それは、どういう……? あ、まさかヒルダ様、汚部屋で寝泊まりしてみたいという思いを持っていた、とかですか!?」
「いえ、違います。そうじゃありません」
「……あ、そうですか……というか、普通はそうですよね……それでは、ヒルダ様が心配しないで良いと言った理由は……?」
自身の予想が間違っていた事でヒルダの考えがわからなくなったレベッカが、ヒルダに直接心配しないで良いと言ってきた理由を尋ねていく。
この質問にヒルダは、相変わらず穏やかな笑顔のままで答えていった。
「少し待ってくださいね、今見せますから」
「……え? 見せる?」
「はい。それっ、マジカルストレージ!」
「あ、またそれですか。でも、そこから何を……?」
「……ええっと……これじゃない……そっちでもない……」
「……あ、あの、大丈夫ですか……?」
マジカルストレージに上半身を突っ込んでああでもない、こうでもないと声を上げるヒルダに、レベッカが不安そうな表情で声を掛けていく。
しかしヒルダはレベッカの声掛けに反応するよりも早く目的の品物を見つけた為、返事をするより先にマジカルストレージから体を戻し、レベッカにマジカルストレージから取り出した品物を見せていったのである。
「……う~ん……あっ、あった! ようやく見つけた!」
「……お?」
「……よし、っと。はい、レベッカさん、これが私の探していた物ですよ」
「……えっと、これは……?」
「テントです。お師匠様が野宿する時用にと渡してくれていた物です」
「……という事はヒルダ様は、やっぱり野宿をするつもりでいる、と?」
テントを取り出し、楽しそうに見せてくるヒルダへそのように尋ねていったレベッカ。
この質問に対してヒルダは、悪戯っぽく笑いながらレベッカも一緒にテントで寝てみないか? と聞き返していった。
「ええ、そういう事です」
「……はあ……」
「それで、なんですけどね、レベッカさん」
「……うん?」
「今日一日だけ、レベッカさんも私と一緒にこのテントで寝てみませんか?」
「えっ? ヒルダ様と一緒に、ですか?」
「はい。ちょっとしたイベントみたいで楽しそうだと思いませんか?」
「ちょっとしたイベント……それはまあ、確かに……」
「ですよね? それじゃあ決まりという事で!」
「……あ、はい……」
ヒルダの勢いに圧倒されたレベッカは、ヒルダの提案に思わず頷かされてしまう。
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