旅立ちの準備を
クローネに抱き締められたヒルダは、クローネの行動に若干驚いたものの、すぐにその行為を受け入れていく。
そうしてヒルダの方からもクローネを抱き返していき、お互いに抱き締め合う形になる。
そうして抱き締め合う事約一分、突然クローネがヒルダから離れると、ヒルダへ旅についての話をもう一つ聞かせてきた。
「……あまり、いつまでもこうして抱き合っているわけにもいかないわね……」
「お師匠様……」
「ヒルダ、あなたにはもう一つ、旅について教えておく事があります」
「え? まだなにかあるのですか?」
「ええ。さっきは世界を見て回る、そのように言いましたが、一番最初に立ち寄ったところを気に入ったのなら、そこを定住の場所に決めても良いのです」
「……はあ。つまり、気に入った場所が早くに見つかった時は、無理に旅を続ける必要は無い、と?」
「ええ、そういうことよ」
自身の説明をヒルダが正しく理解してくれた事に喜ぶクローネ。
そんなクローネの姿を目に焼き付けるように見つめていたヒルダに、クローネが旅立ちの準備を始めていくように促していく。
「……お師匠様……」
「……ふふ……さあヒルダ、そろそろ旅立ちの準備を始めないと、いつまでたっても出発出来なくなってしまうわ」
「……そうですか……わかりました。ですがお師匠様、旅立ちの準備と言っても何をすれば良いのでしょうか?」
クローネから旅立ちの準備を始めるように言われたヒルダであったが、今までの生活で一度も旅をした事の無いヒルダには、どのような準備をしていけば良いのかがわからなかった。
その為ヒルダはクローネにどのような準備をすれば良いのかを尋ねていき、クローネもこの質問に優しく答えていく。
「そうですね、着替えは複数持っておく事は必須ですね。それにいつ魔物と遭遇してしまうかがわかりませんから、武具を用意しておく事も必須です」
「……着替えはすぐに用意出来るとして、問題は武具ですね……どうしましょうか……?」
クローネから着替えと武具が必要だと言われたヒルダは、着替えはなんとかなると言って心配しなかった。
しかし武具の方はどのように準備すれば良いのかがわからず考え込んでしまう。
そんなヒルダにクローネが一つの解決策を提案してくる。
「……もしもヒルダが良いのなら……」
「……え? お師匠様?」
「私が使っていた武具をヒルダに譲っても良いわよ? まあ、私のお下がりになってしまうのだけれど……」
ヒルダにかつての自身の武具を使っても良いと話していったクローネは、照れ笑いを見せていった。
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