大討伐作戦の結果
自身達の説明を聞いたヒルダが頷いた事を確認した村人達が、説明を続けていく。
「はい、そういうわけです」
「そうして決行された大討伐作戦でしたが、戦いは長期化しました」
「作戦が終結したのは、確か作戦開始から四年後でしたかね……?」
「……四年後、ですか……」
「はい。最初は民間からは募集した勇士だけが参戦していたのですが、その作戦が長引くのにつれて勇士の募集だけでは兵力が足りなくなり、各地の町や村からは次々と若者達が大討伐作戦に駆り出されるようになりました」
「若者達が? え? それなら町や村の管理は、残った人達がやっていた、という事ですか?」
村人達の話を聞いていたヒルダが、頭に浮かんだ疑問を即座に尋ねていった。
これに村人達は首を縦に振りながら答えてくる。
「ええ、その通りです」
「町や村に残ったのは女子供に老人達ばかり……」
「当然ながら力仕事には支障が出てしまい、農作業や畜産業、漁業の能率は物凄く低下してしまいました……」
「おまけに魔物達の血肉にはこの世界では有害なようでしてな、戦場の跡地では草木が次々と枯れていき、今もなお荒れ地のままになっているのです……」
「……なるほど……陸地が荒野ばかりの理由は、そういう事でしたか……」
村人達の説明を聞いたヒルダが、思わず唸り声をあげていく。
そんなヒルダに村人達が、更に補足説明を行ってきた。
「はい」
「それに駆り出された若者達もその多くが命を落としたり、負傷したりしましてな……」
「その為、復興作業が遅々として進まないのです……」
「……それも、荒れ地ばかりの理由、ですか……」
「はい」
「更に言いますと、この大討伐作戦を立案し決行した大国家も、作戦の影響で人材の多くを失い、統治する能力が大きく弱体化してしまい、世界の多くがほとんど無政府状態のような感じになってしまっているのです……」
「世界のほとんどが、無政府状態……?」
「はい。ですから各地の復興作業も、それぞれの町や村に任せている、そのような状況になってしまっているのです……」
「……うむぅ、なるほど……荒野ばかりが広がっている光景には、様々な理由が絡み合っている、そういう事ですか……はあ……」
村人達から荒れ地が広がっている理由を聞いたヒルダは、大きな唸り声をあげたあと、大きな溜め息を吐いていく。
そんなヒルダの姿を見た村人達は、恐る恐る今度は自分達が質問しても大丈夫か? と尋ねていった。
この村人達の問い掛けにヒルダは、無理に笑顔を作って大丈夫だと答えていく。




