ヒルダの質問
話し合いの最初は、ヒルダの質問から始まった。
「それでは私の方から質問させていただきますね?」
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます。では質問なのですが、外の世界って荒廃し過ぎじゃないですか?」
「……うん? 外の世界……?」
「ああ、すみません。私がお師匠様と暮らしていた島の外の世界、という意味です」
「ふむ、そういう事でしたか」
ヒルダが行い始めた質問に対して、その時口にした外の世界、という単語に反応した村人達に外の世界の意味を解説していったヒルダ。
この解説に村人達が納得してくれたと判断したヒルダは、質問の続きを話していった。
「はい。それで先ほどの質問の続きなのですが、どうしてこれほどに荒廃しているのですか? 島を飛び立って海を越えて、陸地の上を飛び始めたと思ったら、目の前に広がる光景は何も無い荒野ばかり……これは一体、どういう事なんでしょうか?」
「……ああ、その事、ですか……」
「荒野ばかりが広がる理由、ね……」
「……うん? 皆さん、あまり語りたくない話になってしまいますか……?」
自身の質問内容を聞いた村人達の反応を見たヒルダが、そう言って村人達の顔を覗き込んでいく。
そんなヒルダの言動に村人達は、そんな事は無い、と顔と手を横に振った後で、荒野ばかりが広がる理由を話してきた。
「いえ、そんな事はありませんよ、ヒルダ様」
「はい。ですので、今から説明していきますね?」
「そうですか……わかりました、よろしくお願いします」
「はい。ではお話いたしますがその前に一つだけ質問させてください。ヒルダ様はダンジョンが出来た理由をどこまで知っていますか?」
「ダンジョンが出来た理由ですか? 確か二十年ぐらい昔に魔物の大討伐が行われて、その生き残りの魔物をダンジョンに押し込めた、みたいな話だったような……?」
「ええ、その通りです。そして陸地が荒野ばかりになったのは、その大討伐とそれまでの魔物達の攻撃が原因です」
「大討伐と、魔物達の攻撃……」
荒野になった原因という質問に対しての村人達の返答である大討伐と魔物達の攻撃が原因だ、という言葉を繰り返していったヒルダに、村人達は更に詳しく理由を話していく。
「はい。大討伐が始まる前、世界各地は魔物達の攻撃で大きな被害を受けていました」
「大地は抉れ、森は焼かれ……」
「川の流れは止まり、湖は干上がり……」
「そのような状況を打開する為、当時この世界を統一していた大国家が各地の軍隊と民間から募った勇士達とで、魔物達の大討伐作戦を決行したのです」
「……なるほど……それが大討伐が行われた理由ですか……」
村人達の話を聞いたヒルダは、腕組みをしながら頷いていった。
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