魔道具の修理、開始
作業台の前に陣取ったヒルダは、すぐさま魔道具とのにらめっこを始めていく。
「……ふんふん……やっぱり大元の核に異常が起きてますねぇ……」
にらめっこの結果を口に出しながら、ヒルダは魔道具の修理を始めていった。
「……まずは外の蓋を取り外していって、と……よし……それで次は、異常が起きている核を取り外して、と……」
「……」
現在の状況を呟きながら、少しずつ作業を進めていくヒルダの姿を、クラドが心配そうに見つめていく。
そんなクラドが、ヒルダに自身も手伝った方が良いか? と尋ねていった。
このクラドの申し出にヒルダは、作業箇所自体が小さいから、一人で作業を行った方が効率が良いと言って断っていく。
この発言にクラドは肩を落としていった。
「……よ、し……核の取り外しも終わりましたね……次の作業は、と……」
「……あの、ヒルダさん……」
「……うん? あら? クラドさん? まだいたんですか?」
「……まあ一応、私の家ですから……」
「ああ、そうでした! ごめんなさい、失礼な発言をしてしまって……」
「いえいえ、大丈夫ですよ。そんな事よりもヒルダさん、私も何か、お手伝いをいたしましょうか?」
「……お手伝い、ですか……」
「……あれ? あまり喜ばれていない……?」
「……はい、あまり喜んではいませんねぇ……」
「……それはまたどうした理由で? 普通は単純に作業をする人数が増えるから喜ぶような気がするんですけど……?」
「普通はそうですね。でもこの魔道具の修理箇所って小さいんですよ。ほら、ここなんですけど……」
「……ああ、確かに……」
「ですから、お手伝いをしたいという申し出自体は嬉しいのですけど、細かい作業になってしまいますから、今回は手伝いたい、というお気持ちだけ受け取っておきますね?」
「……はい……そうしてください……」
「あ、あはは……」
自身の返答を聞いて肩を落としたクラドを、ヒルダが苦笑いで見つめていく。
そんなクラドを、ダンジョンの出入口を封印し終えたレベッカが外に連れ出していった。
こうして一人になったヒルダがレベッカに小声で感謝したあとで、魔道具修理の最終工程を行い始める。
「はーい、クラドさん、そろそろお外に出ましょうねー」
「……えっ、レベッカ? あっ、ちょっと!?」
「……ありがとうございます、レベッカさん……それじゃあいよいよ最後の工程、先ほど手に入れた核を……取り付けて……むうぅ……よし、取り付け完了! あとは試運転をして問題無く動いてくれる事を祈るだけですね!」
取り付け作業の終わった魔道具を掲げながら、ヒルダはそのように発言をしていった。
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