現れたのは別の魔物
スライムを探してダンジョン内を歩き回るヒルダとレベッカは、道中で出会ったスライム以外の魔物を蹴散らしながら捜索を続けていた。
「おっと、またゴブリンですか。ファイアレーザー!」
「……あっ、こっちにはラージラビットがいる! あれはなんとしても倒して戦利品を持ち帰らないと!!」
「……うん? それはどうしてですか?」
「戦利品のお肉が美味しいんですよ! 倒して戦利品を持ち帰れたら、今日はウサギ肉のステーキですよ!!」
「お、おう……ものすごい勢いですね、レベッカさん……」
「当然じゃないですか! 貴重な食料を獲得出来る大チャンスなんですから!! それっ、覚悟しなさい!!」
「キュピッ!?」
「こらっ、逃げるな!!」
「……あの様子だと私も協力した方が良いでしょうねぇ……そして戦利品のお肉を熱望しているからファイアレーザーの使用は避けた方が良い、と。ふむ……」
現れた魔物の一種類、ラージラビットを目の敵のように追い回すレベッカに、ヒルダが苦笑いをしながら援護の準備を始めていく。
その過程でファイアレーザーを使う事を一時的に取り止めたヒルダは、別の魔法を使う事に決める。
「くのっ! ちぇいっ! ていりゃあっ!! ……逃げるなって言ってるでしょ!?」
「キュピッ、キュピッ!!」
「……よし、使う魔法はあれにしましょう。レベッカさん!!」
「ええっ!? なんですか!?」
「そのラージラビット? は私が倒しますから、レベッカさんは少しだけ下がっていてください! 危険ですから!」
「ええ!? ……あの、疑ってしまうんですけど、本当に大丈夫なんですか!?」
「心配ありません。必ず一撃で倒してみせますから」
「……わかりました。それじゃあ任せますけど、絶対に倒してくださいね!?」
「わかっています。それではいきます!」
「……あっ!? 待ってください、ファイアレーザーだと……」
「……ウインドレーザー!!」
「……え?」
「キュピッ? キュ……」
ヒルダがゴブリンと戦った時と同じようにファイアレーザーを使ってラージラビットに攻撃していくと考えたレベッカが、ヒルダに攻撃を止めるように叫ぼうとする。
しかし今回ヒルダが使った魔法はファイアレーザーではなくウインドレーザーというまったく別の魔法であった。
この事にレベッカが驚き動きを止めていき、その隙にラージラビットがレベッカから逃げようとした次の瞬間、ウインドレーザーが直撃してラージラビットはバラバラに斬り刻まれ、そのまま核と戦利品のお肉を残して消滅していく。
その光景をレベッカは再び唖然としながら見つめていた。
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