レベッカ、ゴブリンを倒す
レベッカの剣を受けて力尽きたゴブリンは、魔物達の心臓である魔力の核と角、それと使っていたこん棒をその場に残すと、跡形も無く消えていく。
この様子を確認したレベッカが一息吐いたところで、ヒルダが勝利を祝う言葉を掛けていった。
「……ぐ……け……」
「……よし、討伐の証である核と角、それにこん棒を落としていったわね。これでゴブリンの討伐は成功、と……ふう……」
「おめでとうございます、レベッカさん! 見事な戦いでした!」
「あはは……ありがとうね、ヒルダさん……って、ヒルダさん!? う、後ろに!!」
ヒルダに声を掛けられたレベッカが照れ笑いを浮かべながら、ヒルダに感謝の言葉を伝えていく。
そうしてヒルダの方に目を向けたレベッカは、ヒルダの背後からゴブリンが一体忍び寄り、ヒルダに不意討ちをしようとしている光景を目撃してしまう。
その為レベッカは、大声をあげてヒルダに危険を報せていったのだが、ヒルダの反応はとても意外なものだった。
「ええ、大丈夫ですよ、レベッカさん。気付いていますから。魔法障壁、展開!」
「ぐけっ!?」
「……へっ!?」
ゴブリンが接近してくる事に早い段階から気付いていたヒルダは、自身の周囲に魔法の防御壁、魔法障壁を展開してゴブリンの不意討ちを防いでいく。
このヒルダの行動にゴブリンとレベッカが驚いていると、ヒルダはそのままゴブリンを倒す行動を行い始める。
「……よし、これでゴブリンの攻撃は止められましたね……それでは討伐させてもらいます!」
「ぐ、ぐけっ!?」
「いきます! 火属性魔法、ファイアレーザー!」
「……ぐ」
「……え? 一瞬……?」
ゴブリンの攻撃を止めたヒルダは、続けて火属性魔法のファイアレーザーをゴブリンに向けて放っていった。
この魔法が直撃したゴブリンは、一音だけ発すると後は核と角、こん棒を残してそれ以外はファイアレーザーの一撃で完全に消滅してしまう。
こうして戦利品以外のゴブリンのすべてを、一瞬で消し炭も残さずに消滅させてしまったヒルダに、レベッカはあっという間に自身との力関係が逆転していく感覚を体験する事になってしまった。
「よし、無事に倒せましたね」
(……え? 一撃で一瞬? 嘘でしょ? しかも息一つ切らせてない? 私はほんの少しだけだけど苦戦したのに……もしかしてヒルダさんって、私より遥かに強い……って事!?)
「……レベッカさん? どうかしましたか?」
「え!? い、いや、別になんでも……」
「そうですか……? なら良いんですけど……」
ヒルダは少しの間上の空で考え事をしていたレベッカが心配になり、声を掛けていく。
これに対してレベッカはなんでもないと答えていき、この返答にヒルダは若干首を傾げながら受け入れていった。
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