焼肉パーティーの途中で
ヒルダや村人達も焼肉を食べ始めた頃、ヒルダは村人達から不意に声を掛けられた。
「……それじゃあそろそろ私も食べますね……うん、美味しい」
「……そ、それじゃあ我々も……」
「……ぱくぱく……もぐもぐ……」
「……あ、あの、ヒルダ様……こんな時に申し訳無いのですが、少し、本当に少しだけ、お時間よろしいでしょうか……?」
「え? ええ、それは構いませんが……なにかあったのですか? 非常に深刻そうな表情をされていますが……?」
声を掛けてきた村人の表情を見たヒルダが心配そうに村人へ尋ね返していく。
そんなヒルダの心遣いに恐縮しながら、村人はヒルダに本題を話し始めていった。
「……まあ、ヒルダ様に何度もお願いをするのは心苦しいと思っていますから……」
「そんな……心苦しいなんて言わないでください、私がいる間はどんどんお願いをしよう、ぐらいの軽い気持ちでいていただいて大丈夫ですから」
「そ、それはさすがに……」
「あはは……まあ、それぐらいの感覚でいていただいて大丈夫だという話ですから。それで、私へのお願い事とは、一体なんなのでしょうか?」
「……あの、ヒルダ様は以前、魔道具の修理をされましたよね……?」
「……ええ、そうでしたね……って、うん……? その質問を今されるという事は、またあの魔道具が壊れてしまって、それをまた私に直してほしい、という話なのですか……?」
「あ、いえ、あの魔道具は壊れていません。大丈夫です」
「……あの魔道具は、という言い方ですと、問題が起きたのは別の魔道具、という事ですか?」
村人の話からある程度の予想をしたヒルダがその予想を村人に話していく。
するとこの予想を聞いた村人が頷きながらお願い事の詳細を話し始める。
「はい、ヒルダ様のおっしゃる通り、別の魔道具の話になります」
「別の魔道具の話ですか……その魔道具も壊れたのですか?」
「そうですね。まあ正確には、ずっと壊れていた、という表現になるのですが……」
「……ずっと、壊れていた……?」
「はい……」
「……ええ……」
村人の話を聞いたヒルダが困惑のあまりフリーズしてしまう。
そんなヒルダに村人が、どうしてそのような事になってしまったのか、その事を話し始める。
「……驚かれましたよね? あれ以外にも壊れていた魔道具があったなんて……」
「……ええ、それはまあ、驚きました……どうして今まで放置していたのですか?」
「……まあ、この村には壊れた魔道具を修理出来る者がいませんでしたから……それに魔道具も複数ありましたから、壊れて少なくなっていってもなんとか毎日の生活は出来ていた、それも放置の原因になっていますね」
「……はあ……」
村人の話を聞いたヒルダが、軽い溜め息を吐いていった。
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