二人の魔法使い
新連載になります。
皆様どうかよろしくお願いします。
ここは地球が存在する天の川銀河から遥か彼方の別の銀河系の外れにある惑星、ナリン・カオロ。
この銀河の外れの星の、更に外れにある小島に二人の人間が暮らしていた。
一人は妙齢の女性、クローネ。
そしてもう一人は、この日十五歳の誕生日を向かえたばかりの少女、ヒルダであった。
「お師匠様、お呼びでございますか?」
この日、朝早くから師匠クローネの呼び出しを受けたヒルダは、身支度を終えるとすぐに師匠の元に向かい、どのような用件があって呼び出したのかを尋ねていく。
この弟子の質問にクローネは、嬉しそうな、それでいてどこか悲しそうな表情をしながら答えていった。
「……ええ、ヒルダ。今日はあなたの十五歳の誕生日、それを一刻も早くお祝いしたくてね」
「……そういう事でしたか……あたしはまた何か、失敗のような事をしてしまったのかと……」
「ふふ、このところのあなたは長らく失敗とは無縁の身。そんなに怯えなくて良いのですよ?」
「……そうですか……あの、ところでお師匠様、一つだけ、どうしてもお聞きしたい事が今出来てしまったのですが、お尋ねしてもよろしいのでしょうか……?」
ヒルダから呼び出した理由を聞いたヒルダは、安堵の溜め息を吐いたあと、恐る恐るそのように尋ねていく。
これにクローネが遠慮せず聞いてほしいと笑顔で話してきた。
その為ヒルダは、若干申し訳なさそうな表情でクローネに質問をし始める。
「ええ、構わないわよ、ヒルダ。それで、何を聞きたいのかしら?」
「……ありがとうございます、お師匠様。それではお尋ねしますが、どうしてお師匠様は悲しそうな表情をしておられるのでしょうか……?」
「……え? そ、そんな表情をしているかしら……?」
「……はい、しておられます……何故なのでしょうか……?」
「……そう……隠しきれなかったかぁ……」
「……お師匠様……?」
ヒルダの質問を聞いたクローネは、どこか遠くの空を見上げながら呟いていく。
その呟きにヒルダが困惑していると、クローネは悲しそうな表情をしていた理由を、正直に話してくる。
「……実はね、あなたとの別れが寂しくて、つい悲しい表情になってしまったの……」
「……え? あたしと、お師匠様が、別れる……!?」
「ええ。古くからの魔法使いの決まりでね、十五歳の誕生日を向かえた魔法使いは、最後の修行の旅に出なければいけない、そのようになっているのよ……」
「……え? 旅……?」
「ええ。それが悲しくてね、今も思わず泣いてしまいそうなの……」
ヒルダの質問にこう答えたクローネは、力無く笑ってきた。
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