5 NゴーレムLevel11
「おじさん、ホットドッグふたつくださいな」
「おう、嬢ちゃん。昨日はどうだった」
「ランク10になりました」
「そりゃあ、凄い。てことは昨日のうちに木のダンジョンまでクリアしたのか」
「いいえ」
「どういうことだ」
「始まりの塔の塔を16回クリアしました」
「それは……苦行じゃないか?」
「特に」
「そうかい。はいよ、ホットドッグふたつ。それで今日はどうするんだ?」
「昨日のリベンジを」
朝一番に訓練場にやってきてゴーレムを呼び出した。
そして開幕、こん棒で殴りつけた。
バキャっと音がした後にこん棒がバラバラに砕けた。
ゴーレムの足にはへこみの跡があるだけで平然としている。
昨日までの砕け散っていたゴーレム君はいずこへ。
「お姉さん、こん棒砕けた」
「えっ?」
訓練所を後にして売店のおばさんに泣きついたが変な顔をされた。
「お前さんちょっとこれで床を殴ってごらん」
おばさんにこん棒を手渡される。
ホットドッグふたつと半分。
こん棒で床を叩いてみると、床にこん棒がめり込んだ。
わー、なんだか化石見たい。
「ふむふむ、こん棒自体には問題はないようだね」
おばさんはそう言った後に見せの奥からツルハシを取り出してきた。
「次はこれがいいんじゃないかね」
「いくらですか」
「銀貨3枚だよ。毎度」
放置していてごめんね、ゴーレムくん。
はじめの一歩と、ツルハシでゴーレムくんの足を叩くと、ボロっとホットドッグ3つ分くらい削れた。
おお、やわらかい。
スコップでも良かったのでは。
ツルハシで足を貫通させてトンネルを作ると、ゴレームくんは毎度のごとくバランスを崩して倒れ込んだ。
抵抗することができないゴレームくんの頭や身体を穴だらけにすると、煙になって消えてしまった。
もしかしたら炭鉱夫が私の天職なのかもしれない。
流れるように9回ゴーレムを突貫作業をすると、昨日と同じように出現しなくなってしまった。
ランク上げの時間ですか。