人を笑わば〜
最寄りの駅から高校に行くのに高校に使用する事を禁じられている近道の、神社の裏山から学校の方へ伸びている獣道を足早に歩く。
普段は神社や裏山を回り込むように走る県道を使うけど、遅刻しそうな今はそんな学校の決まり事なんて構っていられない。
此の獣道を使うと、県道を使うより10分以上早く学校に着くんだけど難点もある。
獣道の両側に茂っている木々に沢山の鳥が営巣しているって事。
「うわーぁぁー……」
俺の前を同じように足早に獣道を歩いていた空手部の奴が、クソ爆弾を食らって悲鳴を上げる。
俺はそいつを指さしながら笑った。
「油断するからだ、ハハハハハハ」
空手部の奴は俺を睨みつけてから渾身の蹴りを、クソを落とした鳥が営巣してる木に見舞う。
途端、俺の頭に数個の卵が落ちて来て割れた……。