どうして白菜
すき焼きだから、
野菜はお願いね。
炬燵で寝てると
君に頼まれた。
正月三日の、
気だるい夕暮れ、
畑にあるのは、
ネギとカブ。
だけど、白菜が
いまは、白菜が
あるけどないんだ。
ああ、どうしよ。
買ってこようか。
白菜だけは。
もう三日だから。
お店は開いてる。
何でも買える。
何でもあるよね。
正月だとしても、
心配いらない。
きっと、白菜も、
すぐに、白菜も、
あるよ、大丈夫。
ああ、そうしよ。
どうして白菜、
作らなかったの。
君に聞かれて、
それはあの味。
季節を感じる
菜の花漬は、
白菜で作る。
一番柔らかい。
あるよ、白菜は、
ないよ、白菜は、
そういうことでね。
ああ、好きでしょ。
あっそうか白菜、
あるけどないのね。
白菜、無いなら、
無いでもいい。
ネギもあるある、
カブも葉がある。
採れるもので、
すき焼きにしよう。
春の、白菜に、
花が、白菜に、
咲くのも楽しみ。
ああ、肉なら、
ああ、さとふる。