表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/105

93.にゃーのお迎えに行く

 にゃーがお出かけして、僕がお留守番だよ。毎日違う人が遊んでくれる。メリクもにゃーのお手伝いだって。


 ルミエルと花の種を植えて、絵本を読んだ。新しい言葉も覚えたよ。次の日はゼルクと籠を作ったの。にゃーとコテツ用に大きくしてもらった。


 サフィが来た日、小鳥が痛くなっていた。赤い血が出てるし、動けないみたい。一緒に治して見送ったの。元気に過ごすといいな。今日はシュハザを待ってる間に絵を描いた。上手だって褒めてもらって、嬉しい。


 指を一つずつ畳んで、あと一つ。明日はにゃーが帰ってくるんだよね。嬉しいな。


 お家の中でゴロゴロしながら、メリクと過ごす。何かして遊ぶのかと思ったら、ずっと寝転がって過ごす遊びを教えてもらった。何もしなくて、ゴロゴロするの。普段のにゃーの真似だよ。


「ご飯は食べなくちゃな」


「うん」


 起きてお座りする。お膝の上でご飯を食べて、僕もメリクにご飯を運んだ。あーんは美味しいご飯を、もっと美味しくしてくれるよ。お腹いっぱいに食べたら、またゴロゴロした。


 お昼寝も寝転がったままで、その後もゴロゴロ。いっぱいメリクとくっついていた。時々イタズラして、こちょこちょされる。ムズムズするから逃げた。追いかけるメリクの指を避けて、あちこち転がって、でも捕まったりして。


 いっぱい笑ってすっきりする。それに楽しかった。メリクとずっと一緒も嬉しい。こうやって休む時間も大切なんだって、メリクは僕の頭を撫でた。


「明日はにゃーを迎えに行こうか」


「おむかえ? いく!」


 夜のご飯を食べて、お風呂も入った。ちゃんと足の先まで綺麗に洗ったよ。ベッドの上から、まだにゃーがいない籠を見つめる。あの籠に入ってくれるかな。


「きっと気に入ってくれるさ。今日は何の絵本がいい?」


 まだ読んでいない絵本を並べるメリクに、これと指差した。読んでもらった絵本は、動物が描かれている。犬が猫と喧嘩して、仲直りするお話だ。ちゃんと謝って終わりになった。


 ありがとうと読んだお礼を言ったけど、ちゃんと聞こえたかな。うとうとしていて、あまり覚えていない。でもメリクが笑った気がした。





 朝起きて、すぐにお着替えをした。顔も洗ってご飯も食べる。全部終わったら、帽子を被った。メリクに抱っこされて家を出る。


「俺から離れたらダメだぞ」


 頷いた。大丈夫、僕はメリクの首にぎゅっとするから、離れないよ。メリクから、俺も離さないぞと返ってきた。メリクの指がパチンとなって、知らない場所に移動する。前にもあったね。


 メリクと遊びに来た場所みたい。砂がいっぱいで、柔らかい光がキラキラしていた。


「にゃーは、ここにいる?」


「あっちだな」


 メリクが指差したのは、山になっている砂。そこをにゃーが走ってきた。白と茶と黒が入った猫だ。僕の方へ来る。嬉しくなって笑う僕を、メリクは砂の上に下ろした。後ろから抱っこするみたいに包んで、二人で手を広げる。


 まっすぐ走ってくるにゃーは、止まらずに僕に抱きついた。後ろに倒れちゃうと思ったけど、メリクが支えてくれる。


「おかえり、にゃー」


「イル、ただいま」


 え? いま、にゃーが喋った!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] にゃーがしゃべった!! って、私、いるとおんなじ反応じゃん(爆)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ