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七話「魔法学園の体育祭が始まりました」⑧

 一方、生徒会長であるロゼッタは注目を持って行かれた気がして少々不満げに壇上から降りた。



「ちぇ、なんでぇなんでぇ、オイラが喋っているってのによぉ」


「まぁまぁ、キバ様がいらっしゃるんですし仕方ありませんよ」



 不満を漏らすロゼッタだがサリーに諭され「キバがいるならやむなし」と切り替えた。


 そしてニタリとほくそ笑む。



「逆にいるだけで衆目を集めるキバ様を従えるマリアちゃん……彼女を生徒会に迎え入れられれば野望に一歩前進だよなぁ」


「まぁ……そうなりますね」


「サリーちゃんよぉ、準備はできているかい?」



 壇上から降りサリーに確認するロゼッタ。


 サリーはゆっくりと答えた。



「準備はできていますが……」


「なんでぇ、なんか面倒でも起きたかい?」



 サリーは首を横に振る。



「いえ、ただ「アレ」でマリアが生徒会に入ってくれるかと思うと」



 アレと言われたロゼッタは「何を言うか」と自信たっぷりに言い出した。



「聞くところによるとマリアちゃんは大層な料理好きっていうじゃあねぇか」


「えぇ、まぁ」


「つまり旨いもんに目がないってことだろ? 一流のシェフの料理を振る舞えばこっちの誠意は伝わるはずだろ?」


「料理好き=食事が好き、その理屈はわからなくもないですがマリアはちょっとそう言う意味で食にこだわっている感じじゃない気がしてきて」



 サリーの憶測は当たっていた。


 マリアの食へのこだわり――それは美味い物好きが高じて料理に手を出し始めた「食通タイプ」ではなくあくまで「オカン目線」。


 家族や目の前の人間が美味しいと言ってくれる……その為に気になったものを食べ、いかに安い食材で再現できるか。そこに喜びを見いだしているのである。


 もちろん健康にも余念無くバランスを考え家計も考える。


 全ては食べてくれる人のため。


 家族のため。


 そっちの方だと失念しているロゼッタは確信めいた顔で微笑んでいた。


 そんな事などつゆ知らずマリアはクラスメイトと談笑している。



「き、気を取り直して(上級生に負けないよう)頑張りましょうマリアさん」


「そうね、(平穏無事に終わるよう)頑張らないと」



 クラスメイトに励まされるマリア。


 会話の意味合いが若干食い違っていることなどわかるはずもなかった。


 波乱のリングランド魔法学園体育祭が今始まる。



すいません、バタバタしておりまして次回未定です

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