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地獄の雷撃
==針林ダンジョン・入口付近==
人狼型のモンスター、コボルトが群れを成して歩いているのが見えた。
ざっと数えても二十匹以上は居る。
まだ気付かれてはいないはずだ。
“あの魔法”を試すには絶好のチャンス。
大きな期待と少しの不安から手に汗を握る。
「きっと大丈夫……少なくともここなら誰かに見られることはない」
僕は魔導書を開き、意識をコボルト達の居る地面へ向けた。
汗が滴り落ちる。指の震えが止まらないのは武者震いというやつだ。そうに違いない。
そうこう思案している内に大地が震え出す。
やがてコボルトの群れを包むように赤い魔法陣が浮かび上がり、そしてーー
「雷撃!」
掛け声とともに大地の魔法陣から“赤黒い雷の柱”が顕現する。
二十匹以上のコボルトを優に覆い尽くすほどの規模で、数秒かけて天に翔け上がっていったそれは明らかに“普通の雷撃”ではなかった。
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