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結婚相談所Sプラン  作者: みゃう
4/27

第4話

今日は新山さんがお休みだから、事前の打ち合わせができない。


・・


不安だ。


そりゃあ、多少慣れては来たけど、、


・・


いやいや、


いつまでも新山さんに頼っていてどうする!


自分の婚活だろ!


自分の運命は、自分で切り開くんだよ!

(利いた風な口をきくな)


〜お客様来店〜


「ども〜婚活に来たものですが〜」


「・・ヒメカワ様、でございますか?」


「とも言い切れない!、、なんつって」


・・


はいキャラ濃いの来たー。

(新山さん助けて)


ポカーンとしてる僕に気付き、お客様が続ける。


「はいヒメカワっすよ」


「あっ・・お待ちしておりました。どうぞこちらへ」


派手目な金髪のギャル。


・・


どう考えても出会い系と間違えてるだろ。

(↑失礼)


「いやっ、マミーがさ、

 ウチはいつもロクな男連れて来ないから

 ココ行けって言われてw」


「・・そうですか」


別に聞いてないんですが。。


「でもウチ、ぶっちゃけ、

 モテないわけじゃないからね。

 ウチ百戦錬磨だからw」


「・・そうですか」


いやっ聞いてない。

(意味もあんまりわからない)

(↑うそ。なんとなくわかる)


・・正直、マジで苦手なタイプだ。


ガサツな感じ。


繊細さを微塵も感じない。


とにかく、さっさと終わらせよう。


名前は姫川美久様。20代後半。


・・


いや、名前めっちゃ可愛いな。


・・でもなんかワガママそうな名前だけど。

(↑失礼)


「では姫川様、改めまして私、

 本日担当させていただきます佐伯、と申します。

 宜しくお願い致します」


「よろ!」


・・ふっ、チャラいな。(苦笑)


「では、ご希望の条件についてですが・・」


「そっすねー、カッコイイ苗字の人とかいる?」


・・ふざけてるわ。


なんとなく空気で感じ取ったのか、姫川様が続ける。


「いやいやっ、結構大事な条件っしょ!

 一生その苗字になるかもしれないんだし。

 せめてウチの”姫川”くらいは超えてもらわないと。

 なんか損した気分になりそう」


「・・そうですか」


多少共感してしまった。

(↑ちょっと悔しい)


・・でも、カッコイイ苗字って言われてもなぁ。


どう検索すれば・・


・・


あっ!


この間接客した五十嵐様とかちょうどいいかも。

(チャラさ加減も含めて)


「こちらの五十嵐様はいかがでしょう?」


「おっ、いいねぇー」


苗字以外の情報をほとんど見ずに答えている気が・・


本当に大丈夫なのか?


なんか危なっかしい人だな。


「では、お見合いの申し込みを行いますか?」


「そっすね、じゃあとりあえず。おねしゃす!」


「・・わかりました」


正直、姫川様は明らかに冷やかしでココに来てるような気がするし、


五十嵐様も、、、決して真面目な人とは言えない。


ここは2人に潰しあってもらうのが得策。


フロマージュのより良い未来のために、

2人には犠牲になってもらおう。

(↑最低)


「さえキングはさ、いつ頃結婚したの?」


唐突に質問されたってのもあるし、

いろいろ考える事が多くて脳内が渋滞した。


さえキングって!!

(まぁ「さえ貴様!」よりはマシだけど)


いやいやそんなことより、どう答える?


・・やっぱ嘘つくのは良くないよな。。


「・・いえっ、独身です」


「えっ!?」


姫川様は心底驚いてるようだ。


「独身でも結婚相談所に勤めていいんだ!?」


「ええ、まぁ」


やっぱそう思うよね〜。


僕もそう思ってたもん。


「そんなんでちゃんと紹介できんの?心配だわ〜」


・・


何か気まずいな。


「すいません。研修中なもので」


胸のバッチを見せる。


「いやいや、関係ないし!

 なんならもっと不安になったわ!!」


・・


もっと気まずくなっちゃった・・orz


魔法の言葉が通用しないとは。。。

(新山さん助けて)


「・・」


「しゃあないな〜、じゃあウチと結婚するか?」


「・・ハハ。さて、、

 お見合いのお申し込みが完了致しました。

 お見合いのお返事が来るまで、

 今しばらくお待ちください」


「りょ!」


「・・では、本日はありがとうございました」


「あざした!」


・・やっぱり姫川様は危険だ。


簡単に『結婚する?』なんて言う人と、結婚に真剣な会員様をマッチングするわけにはいかない。


それこそクレームものだ。


やっぱり五十嵐様と早々にくっつけて、退会してもらうのが1番だ。


・・


帰り支度をしながら、


冗談でも初めて言われた逆プロポーズ?に、


他の女性だったら・・・と、

悔やまずにはいられなかった。

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