第20話
「あっあの・・」
「姫川様の事が、、好きなんでしょ?」
「!」
・・
いやっ、違う!
今少し考えたがやっぱり違う!
断じて違う!
絶対認めない!
「違いますよ!!」
「なぜ?」
・・は?
なぜって何?、なぜって。
どんな日本語?
「なぜ、好きじゃないんですか?」
僕に通じていない事に気付いたのか、
新山さんが再度わかりやすく問いかけた。
「なぜって、、、
チャラいしウザイしテキトーだし・・
危なっかしいし・・」
「他には?」
「えっと・・
しかもタバコを吸うんですよ!
女性なのに!」
「タバコを吸う女性なんて今時
珍しくもなんともないですし、
そもそも、それは男女差別ですよ。
・・他には?」
「・・」
僕に他に理由がないと分かったのか、新山さんが続ける。
「・・それだけのようですね。
では、1個ずつ処理していきますか。
まず、タバコですが、、
ニオイがだめなんですか?」
「・・いえ、多少臭いとは思いますが、
我慢できないほどではないです」
「では、そこまで問題ではない
っということで宜しいですね?」
・・
「きっ・・」
「き?」
「・・喫煙所でどうせ、
ナンパ待ちとかしてるんですよ!
タバコミュニケーションとか、
ていのいい理由を付けて!」
・・僕らしくもない!
出してしまった!
自分の醜い部分を!偏見の塊を!
人前で!
「佐伯さん・・アナタ・・」
新山さんは、呆れた顔をしている。
(↑予想通りの反応)
「想像以上に”こじらせて”いますね・・」
(ふっ・・今頃気付いたんですか)
恥ずかしくて何も言えない僕に、
新山さんが説き伏せるように続ける。
「タバコを吸ってるから、
喫煙所でナンパを待つ?ナンパされる?
そんなこと気にしてたらキリがないでしょう?
確かにタバコを吸わない人には、
そのリスクはありません。
でも、、別のリスクがあるかも。
・・そう、
偏見で挙げだしたらキリがないんですよ。
本当にアナタの要望を全て満たした女性は、
この世に存在しません。
断言できます。
・・どうしても欲しいのであれば、
ロボットでも作るしかないですね。
確か、エンジニアさんでしたよね?
佐伯さんなら、本気で頑張れば作れるんじゃないですか?
何年かかるかはわかりませんが。
今は昔ほど、ロボットが遠い時代ではありませんからね。
・・でも、そうじゃない。
アナタが本当に望んでいるのは、全ての要望を満たしているロボットではない。
・・かと言って、
全ての要望を満たしている女性でもない。
そうでしょ?」
「!!」
・・新山さんのマシンガントークに圧倒されながらも、
この説教が、
(↑なんか失礼)
僕にとっては目からウロコだった。