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結婚相談所Sプラン  作者: みゃう
19/27

第19話

「こうやってこの部屋に佐伯さんと居ると、

 初めてお越しいただいた日の事を思い出しますね。

 まだそんなに経っていないはずなのに、、

 何年も前の事のように感じます」


新山さんは怒っていなかった。


どうやら姫川様はクレームを入れていなかったようだ。



・・少しだけ、安心した。



「・・そうですね。

 ・・あの、

 退会の手続きはどのように・・」


僕の言葉を新山さんが遮る。


「そういえば、

 佐伯さんが最後にココに来て以来、

 姫川様も見ていないような気が・・

 何か、、心当たりはありますか?」


ギクッ!


・・やっぱり、



新山さん怒ってる??


(表情からじゃわかんねー)

(↑見事なポーカーフェイス)



「・・あっ、あの・・」


「・・やっぱりあの日、何かあったんですね?

 ・・正直に話してください」


新山さんの視線が痛い。


「あの・・実は、、ケンカしちゃいました。

 ・・何が原因でケンカしたのかすら、

 もうあんまり覚えてないんですけど・・」


「ケンカ・・ですか」


「・・あっ、思い出しました。

 『男紹介して』っと言われて、

 ついイラッとしちゃって」


「佐伯さん、ココは結婚相談所ですよ。

 男性を紹介するのは当たり前・・」


「そんな事わかってますよ!」


わかりきった答えを言おうとした新山さんに対し、


つい感情的になってしまった。



新山さんが心配そうにコチラを見ている。



・・謝らなければ。


「あの・・すいません。

 ・・ただ、なんというか、、あの人は・・

 危なっかしいんですよ!

 心配になる!」


自分がこんな気持ちになるなんて・・



静かに聞いていた新山さんが口を開く。


「・・佐伯さん、アナタ一体、

 何をそんなに恐れているんですか?」


「!」


「どうせ退会するんですよね?

 じゃあこの際、不満を全てぶちまけてください」


「・・ぶちまける?」


「佐伯さん、正直アナタは・・

 だいぶ”こじらせて”います」



「・・はい」

(↑そんな事は1話の時点で気付いてましたよ)



「せっかく結婚相談所に入会したんですから

 少しでも改善して退会しましょう?

 のちに結婚相談所に行ってよかった、、

 と思えるように」



「・・」

(↑ただいま絶賛後悔中)



「・・それに、人に聞いてもらう事で、

 意外とスッキリするかもしれませんよ」



・・



「・・いやっ、

 特に・・ぶちまける不満もないですし、、

 何も恐れていないので大丈・・」


「素直になりなさい!」


ビクッ!



・・えっ?



今何が起こった?



・・あの新山さんが感情的に??



・・そんなバカな!?



何事にも動じない、鉄の女ではなかったのか!?

(↑勝手なイメージです)



・・しかも、、また話を遮られた・・



やっぱり・・



新山さんは怒ってた!

(↑いや君が怒らせたんじゃね?)

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