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結婚相談所Sプラン  作者: みゃう
15/27

第15話

ダメだ。長引きそうだ・・。


病室をそっと出て、通話可能なエリアに移動する。


「すいません。あの、私・・」


「謝って済む問題じゃない!」



この人、、、



全然聞く耳持ってくれないじゃん!

(娘さんに似てますね!)


「違うんです!

 今のは謝ったわけではな・・」


「言い訳は聞きたくない」


こちらが話し出すと、ことごとく話を遮られる。


ねじ伏せてこようとする。

(↑いるよねーこういう人)


マジで困ったな。


・・かと言って、何て伝えよう?


色んなことが渋滞してて、何から伝えればいいのやら・・


「・・」


「聞いてるのか?」

(↑いや、アナタが聞いて!)



しょうがない・・



「おい。聞いて・・」


「だーかーら!」


向こうの言葉を今度はコチラがねじ伏せる。


一瞬電話越しなのに、向こうの驚きと徐々に張り詰めていく空気を感じた。

(↑完全にタメ口だもんね)



・・でも、今だ!!


「私結婚相談所の職員でして!!!」


「・・えっ?」


やっと聞く耳を持ってくれた!!!

(いや、まだ安心はできない。たたみかけろ!)


「娘さんが◯◯病院に運ばれたと連絡があったので来ました。でも安心してください!娘さんの命に別状はありません」

(↑早口)


「・・はっ?」


まだまだ!

(ラッシュ!ラッシュ!)


「ただ少々ケガをした状態で酔っ払って寝ているので、・・“ご両親の方”とご連絡が取れず困っていた時に、・・“アナタ様”から連絡が来たんです」


(↑ここで“お父様”とか言っちゃうと『君に”お父様“と呼ばれる筋合いはない!』とか言われて、またそっちのターンに戻りそうで怖かった)

(↑ドラマの観すぎ)



とりあえず、伝えるべき事は伝えたが・・


一気に説明しちゃったからか、向こうがポカーンとしてる感じが伝わってくる。


少し間を置いて、お父様が喋り出した。


「・・えーっと、、

 娘は今・・病院にいるんですか?

 もう一度、詳しく教えてください」


さっきまでの威厳のあるザ・父親のような声とは打って変わって、不安そうな声だ。



・・でも


ここまで説明できればもう大丈夫。

(誤解も解けたし、いつでもそちらのターンに戻しますよ)


そこから、お父様の質問にできる限り丁寧に答え、やっとわかってもらえた。

(長かった・・orz)



「・・そうだったんですね。

 そんな事とはつゆ知らず、色々失礼な事を言って申し訳ありませんでした」


「いえいえ!」


「・・でも、、それならそうと、

 何で早く言ってくれなかったんですか?」



・・いやいや


アンタが人の話を聞かないからでしょうが!!

(↑とは言えるはずもなく・・)


「・・すいません」


「いえいえ!

 こちらこそ、わざわざ病院に出向かせてしまって申し訳ありませんでした。

 もう夜も遅いですし、お帰り頂いて結構ですので。

 私がこれから病院に向かいます。

 本当に、色々とありがとうございました」


「いえいえ!

 それでは、失礼致します・・」


「・・あっ、ええ。

 では、このお礼はまた後日改めて。

 娘に持っていかせますんで」


「・・えっ!?

 あっ・いえっ!お構いな・・」


『ブツッ』


電話は切れていた・・



・・


最後まで聞いてよ!

(できればもう関わりたくないのに・・)



・・はぁ、帰るか。


姫川様のスマホを返すために、先ほどの病室に向かう。



・・


・・あっ!



お見舞いにあんまり来た事無いからわかんないんだけど、、

(しかも緊急外来だし)


やっぱり、、


手ぶらは失礼なのかな?

(一般常識がわかんね〜orz)



・・まぁでも、


しない後悔よりはする後悔って言うよな!!

(キリッ!)



急いで近くにコンビニが無いか検索する。

(本当は果物が良いんだろうけどこの時間に八百屋はやってない)



・・!


病院内のコンビニがまだ営業してるじゃん!

(ラッキー!!!)


何とかお見舞いっぽいものを購入し、

(本当はメロンが良かった)

(↑コンビニにあるわけない)


病室に戻り、姫川様のスマホと共にそっと置く。


ふぅ。これでよし。


・・姫川様は相変わらず、


イビキをかいて気持ち良さそうに寝ている。



・・



僕は病室のドアをそっと閉めながら呟いた。



「ぉゃすみなさーーぃ・・」

(↑小声)

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