第12話
目覚ましが鳴る1時間前に起きてしまった。
(相変わらずの小心者だ)
まぁちゃんと寝れただけでも良しとしよう。
(↑大体緊張する出来事が控えてる前日は眠れないタイプ)
さてと、今日の寝癖の調子は・・
洗面台に移動し、鏡で確認する。
・・
・・うん。
全然ダメだね。
(調子良い時は2、3回手ぐしするだけで外出できる)
朝シャンだな。
(昨日の夜入ったばっかだけど)
それにしても、、
動物園とかめっちゃ久しぶりだ。
正直・・
かなり楽しみ。
(人間は嫌いだけど動物は好き)
実はずっと行きたかったんだけど、、
動物園ってめちゃくちゃ一人じゃ行きづらい。
(1人で行きづらい場所1位)
(↑僕調べ)
かと言って、
男友達と行くのも何か違う気がするし。。
・・
何自分の思考にまで強がってんだ。
(↑友達いないだろ)
・・でもまぁ、
昨今の日本は、だいぶ『お一人様』を許容しているとは思う。
一人焼肉とか一人カラオケは、専用のお店があるぐらいだし。
(↑隠れてコッソリ行ったことがある)
映画に至っては一人の方が集中できる。
遊園地だって、一人ならあんまり並ばずに乗れる場所もある。
(シングルライダーってやつ?)
(↑いつか行ってみたい)
でも、、
一人動物園は無理なんだよなぁ。。
何でだろう・・?
群れなきゃ猛獣に勝てないという、
人間の本能か?
(↑群れても僕じゃ勝てん)
くだらない妄想をしている間に、
髪の毛も決まった!
・・のか?
(↑自信は無い)
とにかく。楽しみだ。。
カピバラもいるらしいし!
(↑調べました)
さてさて、
何を着ていこう??
・・
ちょっと若めの服を着ていったら
『若づくりしてんじゃねーよ!!』
って突っ込まれそうだし。
(↑姫川様に)
かと言って、
大人な感じだと
『カッコつけてんじゃねーよ!!』
って言われそうだし。
そして、、
普段着だと
『ダセェーー!!笑』
っとバカにされそうだ。
(↑結局何を着ていってもダメなんじゃないか説)
〜動物園に到着〜
僕が一番乗りかと思いきや、
(↑約束の3分前に到着)
2人は既に着いていた。
「おせーよ!!」
早くも姫川様に怒られた。
・・意外と時間にはキッチリしてんだな。
(てっきり『1時間くらい遅れる!』みたいな連絡が来るかと思ってたのに)
「すいません。電車が遅れまして・・」
(↑ウソ)
「あっ!◯◯線ですか!?
こっちも遅れてました!」
五十嵐様が賛同する。
「ですよね!!」
まさかの嘘から出たまこと!
「チッ!」
姫川様がわざとらしく舌打ちし、
「ってかさ・・」
何か言おうとしている。
まさか・・
「なんで休みの日もスーツなんだよ!!」
・・やっぱりね!!
言われると思ってました!!
「この方が落ち着くんで」
(↑用意していた答え)
「・・チッ!!」
さっきよりもさらに、わざとらしく舌打ちしている。
でも軽く笑っていて、不機嫌な感じはしない。
(よし!つかみはオッケー)
「じゃあ、行きましょうか」
入場券を購入し、
(動物園ってこんなに高かったっけ?)
園内に入場。
園内マップを確認し、とりあえず順路通り歩く事に。
・・
・・
何だこの沈黙は!
(超気まずい!)
さっき集合したばっかりだから、まだ打ち解けにくいのかな?
どうすれば・・
そうだ!!
「写真、お撮りしましょうか??」
スマホを取り出す。
「ありがとうございます!」
「はぁ??いいよめんどくせー」
・・そうは言っているが、姫川様もまんざらではなさそうだ。
「撮った写真は後で送りますね」
よし!
今日はカメラマンに徹する!
(良い逃げ道を見つけた!笑)
そうすれば、写真を撮る度に、自然と二人の距離も縮まるはずだ。
この二人をくっつける仲人になるのが、今日の僕の任務だ!!
・・っと、思っていたが、、、
次の触れ合いエリアで、
二人の写真どころではなくなった。
そう。カピバラだ!
(ヒャッハーーー!)
「うわぁ!たくさんいる!!!」
「何はしゃいでんだよwきめぇww」
姫川様が笑いながらディスってくるが、もはやどうでもいい。
すぐさま200円でエサの草を購入し、
(↑痛い出費)
恐る恐る近づく。
エサに釣られてか、カピバラ様も近付いて来たので、
(↑『さん』付けはあのキャラとかぶるので)
ドキドキしながら触ってみる。
意外と皮膚硬っ!
(ハリネズミかて)
・・よーし。エサをあげるぞ〜。
・・
・・くそっ。
なんてつぶらな瞳で見てきやがる!
(萌えるぜ)
わかったわかった。
今あげるから。
・・!
エサをあげてみてびっくり!
こんなに前歯長いのか。
(こりゃ本気で噛まれたらひとたまりもないぞ)
ふと、コジカみたいなのが所々にいることに気付いた。
(↑前歯の恐怖でちょっと冷静になった)
近くの看板で種類を確認する。
・・へぇ〜、この子、マーラっていうのか。。
あれ??
確かこの子って・・
可愛いワラビーから、
ニンジン奪ってた種族じゃない!?
(テレビでニュースになってた!)
ワラビーのカタキーーー!!
(↑と思いながら優しく撫でようとしてるだけ)
・・しかし、触ろうとすると、地味に逃げていく。
今まで気持ちよさそうに、木の下で休んでいた子も、
触られそうな気配を感じると、地味に逃げていく。
・・人間を信用していない目だ。。。
・・
・・気持ちはわかるよ。
(通ずるものがある)
「べんじょ!」
そう言って、姫川様はトイレを探しに行った。
ってか『べんじょ』って・・
(まぁ今さら驚きもしないけどさ)
・・
五十嵐様と2人きりだ。
・・
本来の目的を確かめる絶好のチャンス!!
五十嵐様は二次会での出来事を・・
覚えてるのか、ないのか問題!
(チャッチャラ〜)
(↑ひと昔前の効果音)
・・よし、
こっちから吹っかけてみるか。
(ヒッヒッヒ)
「いがら・・」
「佐伯さん」
「しさ・・ん?」
呼んだ?
「姫川さんのこと好きでしょ?」
「ふぁっ!!?」