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アヴリオン イストリア  作者: カワノタミ
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騎士の道 2

 街だった場所には白髪の男だけがいた。周りのものは瓦礫や塵芥となるか、魔法の範囲外まで吹っ飛んでいた。


「ククククッ、、」


 この光景を自らが作り出したという事実に愉悦を感じて男は笑いが抑えられない


「やはり、力は俺を選んだ。ウハッ、もう恐れるものはない、この力が俺の存在だ。」


 腕輪の力は男の想像を超えていた。あれだけの魔法を放ってなお溢れ出る魔力は高濃度かつ膨大な量であった。それは己が最強だと男に確信させるには十分すぎた。


「もうここに俺にかなう奴はいない、お前もそう思うだろう?」


 男が振り向いた先には、王宮から最短で駆けつけたリア・グリンデルの姿があった。


「これはあなたがやったの?」


 リアは怒りをあらわにして問い詰める。


「そうだ、これが俺の力さ、お前じゃ足元にもッッぱがっっ!!!」


 その先は問答無用である。男の顔にコブシがめり込むと同時に顔の奥で何が砕け散る音がする。頭蓋が砕け男は派手に吹っ飛び、ゴシャリと頭から地面に落ちた。


「私はあなたを許さない、楽に死ねると思わないことね。四肢を割いて三日三晩は磔にしてあげるわ。」


 その目は先の王宮で見せていたものとは天地の差ほどある冷徹で静かな怒りの目であった。


「ガッ、イデェッ!!アンガンダヨッ!イグヂョオ!!ガァッ!」


 顔の骨が砕けた男は起き上がるどころかまともに喋る事も出来ない。リアはさらに追撃をするため男に近づこうとする。


 すると男の腕輪が光りふたたび衝撃波が起こった。先ほどと比べると弱いものだがリアの足が止まり、さらに腕輪は男に何かを施す。


「イテェなぁ、お前本当に女か!?危うく死ぬところだったぞ!」


 先ほどまで瀕死だった男が()()()()()立ち上がったことにリアは驚く、


「この腕輪は魔法の威力を何倍にもするのさ、今のは治癒の魔法を使って一瞬でこのとおりだ。」


「だからなに、いくら回復したって無駄よ、その腕輪で魔法を強化しても私には勝てない、もうすぐ援軍も来るわ、諦めなさい。」


 男は苦笑した


「お前確か七聖の一人だな。いいねぇ、俺がのし上がるための踏み台になってくれるのか、」


「リアっ!間に合ってよかった!」


 声とともにリアのもとに増援の騎士たちが到着した。


「みんな、あいつが今回の主犯よ、気おつけて妙な腕輪をつけているから」


 騎士5人がリアのもとに駆けつけて男はいよいよ窮地に立たされたように思えた。しかし、その笑みが崩れることはなかった。


「俺の名はキラーウェ!今ここでお前たちの首をもらい、世界に俺を、騎士殺しのキラーウェの名を轟かせてやるのさ!!」


 男の戦意はますます上がっている


「無理よ、それに首を刎ねられるのはあなたの方だから。」


 男が不利なのは明らかだった。


「この腕輪は魔法を強化させるものだって言ったよな、あの衝撃波は俺の得意な風の魔法を強化したものだ。俺が使えない魔法は発動しねぇ、だがな、この()()()()にも力があるんだよ。」


 リア達は身構える


「腕輪自身の力?」


 男は腕輪に触れる。


「見せてやるよ、選ばれたものにしか使えない力をな!」


 男が手をかざす。


 ザクッブシュッッ!


 リアの後ろで何かが何かに刺さった音がした次の瞬間、


「アアッ、グゥッ」


 騎士の1人が悲鳴をあげた。振り返ると腹部に木片が刺さっている。


「なんで、どうやって」


 騎士達には何が起きたのか分からなかった。ただあの男が何かをしたのだ、これが腕輪の力というやつなのだろうか。


「グァッ」


「ギャァ」


「イダッ」


 次々に騎士は倒れていく、その体にはやはり折れた鉄の棒など鋭利なものが刺さっている。


「どうなってるの、何をしたの!?」


 男は余裕を見せる


「ウヒャヒャ、教えてやるよ。この腕輪はな、無機物を自由に変化させる力を持つのさ、例えばコレを、、」


 男が近くの家の残骸に触れるとそれは形を変えて倒れ込んだ騎士まで伸び、そのまま足を貫いた。


 リアは目を疑った。さっきまでただの板だったものが槍のように伸び攻撃してきたのだ。


「どうだ理解したか?今ここにあるすべての瓦礫が木片が俺の武器になり得るのさ!まさに無敵、最強!」


 騎士達は絶望感に飲まれる。だが、リアだけは違った、彼女だけがまだ男を睨んでいた。


「私は死ぬために守護騎士団に入ったわけじゃない、私はこんなとき人々に希望を示せるような人になりたくて騎士になったのよ。」


 リアは自分を鼓舞する


「サーシャさん、みんなを連れて市民の救助に向かってください。あいつは、私が倒します!」


 サーシャは頷いた、怪我人が足手まといになることはわかっていた。リアは剣を抜き、前に出る


「へぇ、まだやるのか」


 リアは笑みを浮かべる


「あなたの首を刎ねるまでわね」


「、、しつこい奴だ」


 轟音とともに、選ばれしもの達の戦いが今始まる。



第2話を読んでいただきありがとうございます。

2話連続投稿となりました。描きたいことがたくさんあって困ります。これからも特に何も決めないで思い立ったときに投稿しますのでよろしくお願いします。

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