市民トーク4
定期市が終わり、城下町の賑わいも冷めはじめた頃、ウィンは今月もなんとか収益を上げることができ安堵していた。今は店をしまい、ダグラスの家に向かっている。
「さあ、着いたぞ!」
目の前には何の飾り気もない家がたっている。
「おー、フツーだな」
「当たり前だ、自宅は飾らなくていいんだよ。ほら、入った入った。」
家の中に入ると奥さんと娘さんらしき人物がテーブルで会話をしていたが、ダグラスと一緒に入ってきたウィンに視線が集まる。
「おかえり、あら、お客さん?」
奥さんらしき人に聞かれダグラスがうなずく、
「2・3日の間ウチに泊めてやることにした。宿代としてウチの手伝いもするそうだ。」
ウィンは街の外から来たこととついでに、泊めてもらう理由も話した。
「そう、まあ働いてくれるならいいでしょ。今夜はお肉にしましょ。」
貧しい農民の子であるウィンにとって今夜の食事は豪華すぎるものだった。
その夜、
ウィンは風にあたるため外に出て、町の灯りがまばらにともっている様子を見ながら、明後日の葬式のことを考えていた。
「何してるの?」
後ろから声をかけられ、振り向くとダグラスの娘が立っていた。
(名前は確か、ミーナだ)
ウィンは答える
「ちょっと考え事を、」
「そうなの、じゃました?」
ウィンは首を横に振る
「ならよかった、ウィンに聞きたいことがあるの」
ミーナはウィンにズイズイとよって、目を合わせて言う
「街の外ってどうなってるの?あなたは見たことあるんでしょ、私知りたいの、お父さんにはいつも、危険だから連れてはいけないって反対されて・・・でも私はいつか外に出てみたい。」
彼女は普段からとてもおとなしい人だと聞いていたため目をキラキラさせて好奇心の塊をぶつけられウィンは驚いた。
「君は冒険者になりたいのか?」
「別にそういうわけではないわ、お願いだけど質問に質問で返すのはやめて。」
ウィンはため息をつく、
「ごめん・・・。広いよ世界は、たぶん君が見たことも聞いた事もないものが沢山ある。僕はこの国の領土内の一片だけしかない、それだけでも数多の神秘が、生命がある。」
「すばらしいわ!見てみたい!」
興奮しているミーナを見てウィンは笑う
「でも危険は当然ある。この国には一応法律があるが、それは王都周辺だけだ。地方は無法地帯で、最近は盗賊集団が力をつけているという噂がある。あいつらは人を襲う、奴隷国に売ったり、自分たちで食ったりもするらしいぞ、さらわれたくないならここにいた方がいい」
ミーナはウィンの脅しに怖気付いた様子をみせる。
「でも、そのための騎士団でしょう?彼らは英雄よ、特に団長たちはね。彼らならあっという間にそいつらを捕まえてくれるわよ」
その言葉と同時に遠くで馬がいななき、騎士団が夜警にまわっているおとがした。
「夜警だわ、怪しまれないうちに帰りましょう」
「そうだな。でも夜警にしては人数が多くないのか?何か探しているのか?」
少し不安に思い、2人は家に戻った。