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アヴリオン イストリア  作者: カワノタミ
12/25

希望は遅れてやってくる 2

「お前、最初に俺に立ち向かってきた奴だよな?俺の衝撃波でぐちゃぐちゃになったよな?なんでここにいるんだよ?」


 ウィンは拳を握る


「お前をボコボコにしてやろうと思ってな」


 挑発にしか聞こえなかった。男はムカついたようで歯ぎしりをたてている


「どうやら、うちの聖騎士さんに酷くやられたみたいだな。その体、なんだお前瓦礫でも操れんのか?」


身体の半分近くが街の残骸に覆われている男を見てウィンは驚く


「農民風情が聖騎士すら超えたこの俺に立ち向かうとは身の程を知れ!」


 例のごとく木の槍がウィンに突き刺さる。


「ガッ!アダダダダッ!」


 為すすべなくその身に攻撃を受け続けるウィンにキラーウェは嘲笑を向ける。


「威勢のわりにはなんてことねぇじゃねぇか!ただの蛮勇か!?」


 しかしそれは訂正するはめになる。無数の槍を受けたその身体には傷がなかった、いや正確には残ってなかった。


「なんだテメェ再生能力を持ってんのか?ならまだ勝機はあるみてぇだ。ひょっとして魔法も使えるのか?」


「あぁ?、魔法なんか知るか、ガキの頃からこの肉体だけで修羅場をくぐり抜けてきたわ!」


 修羅場といっても農作業である。


 そしてウィンはキラーウェに向かって突進する。リアほどではないがそれなりに速い移動速度で近づく、そしてコブシを振り上げる。


「オラァ!!」


 普通にかわされた


「ただのパンチみてぇだが、くらってやるつもりはないぜ」


 足元から槍が伸びてウィンを吹き飛ばす。そして四方八方からその足を腕を腹を胸を頭を串刺して見るも無惨な姿に変えてしまう。


「脳を破壊すればもう再生はできねぇだろ、あっけなかったな。さあもうこの国を終わらせてやるよ」


 男は王宮へと歩き出す


「オイ、待てよ」


 真後ろから声をかけられる


(バカな、まだ生きているだと!?)


 とっさに振り返るとウィンのコブシが顔面を捉える。くっと怯んだ隙にまたコブシが入る。


「グオッ!」


 思わず声が漏れる。距離を取るため命令を発動しようとした瞬間、バゴンッ、身体の内側で何かが破裂した。ドゴンッ、身体に超高圧の電気が流れたように感じ、内側から焼かれていることを実感する。


「グアアアッ熱っゥゥゥッ、なんだ!?どうなってる」


 その間にもウィンの攻撃は続く、地べたに這いつくばっているキラーウェに渾身の蹴りが入る、そしてふたたび身体の内部が沸騰する。


「グジュウゥゥゥフゥゥゥッ!!」


 明らかにウィンの攻撃が関係していた。


(何をしたんだ!?分からん!命令も発動しねぇ!)


「アアアアッ!!」


 苦し紛れの衝撃波を放つ


「うおっ!」


 ウィンは後ろに吹き飛ばされるが問題はない。ふたたび距離を詰めようとする。


「これ以上アイツの攻撃を受けるのはヤバイ!」


 相手の攻撃のタネが分からないキラーウェは逃げようとするも予想以上に速いスピードで追いつかれる。


くそッ、くそッ!またくる!アレがくる!!ヤバイヤバイヤバイ!!!!


 ドゴッ!!蹴りが入る、血液が沸騰する


 バキッ!!コブシが腹にめり込む、内臓が捻れて破裂する


 メリィッ!!頭突きが鼻っ柱を折る、脳味噌をヤスリで掻き毟られる


「ッッッッッッッッ!!」


 声にならない叫びがその苦痛を物語るあまりの痛みに泡を吹く


「フゥーッ、フゥーッ!!」


 キラーウェは屈辱を感じる、


(コイツはただの農民だ、俺の魔法で一瞬にして肉塊になっただろうが!あの間に何があった!再生だけじゃないだろ、あのとき殴られても何もなかったじゃねぇか!!なんだこりゃあ、痛ぇ、治癒もきかねぇ、くそッ!)


 支配者の器に選ばれしものを上から見下ろすのはただの農民と思っていた男だった。


読んでいただいた方、ありがとうございます。作者のカワノタミです。割と痛みの表現に苦労しました。さて、次回の話は「ほんのちょっとだけ前の話」です。また読んでくださいね

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