好きなことは嫌なことをするから意味がある
お久しぶりです!笑
こんな感じで不定期更新となります!
()の部分は、まひるの心の声です。
「……疲れた」
村雨ゆとはそう呟いた。
「ゆ、ゆとちゃん……頑張ろう…?」
秋次まひるは困りながらもゆとを励ます。
─その足元には、
何十人もの遺体の山────。
「……もういいじゃん、何人殺した?まだ足りてないの?」
「足りてはいる、依頼はもう達成したけど……、トドメ刺しとこうよ……」
「いいじゃん、別に。こいつらに何ができるの」
「色々!周りが協力すればこいつらみたいな雑魚だって立派に役目を果たせるの」
「やだ!めんどくさいもんっ」
ぷく、と頬を膨らませてゆとはそっぽを向く。
「ばっか!!いいもん!!私がやる」
「ぷーんだ!知らないからねどうなっても……!!」
「……こんなの、刺せばいいんでしょ」
グサッ
グチュ……
ポタポタと、包丁から血が滴る。
赤い……赤い、赤いものだけがゆとの目にはうつる。
「……まひるちゃん」
「?」
「世界は赤いの?」
「何言ってるの?
……全く、楽しみは殺すことしかないみたいな言い方」
「……?」
「え?」
「……私は、好きで殺してるんじゃない」
か細い声だった。
ダルそうな声とは違う。まひるは背筋が凍ったように感じた。
逆光で表情が見えない。
「好きなことをする為に、
人を殺すの。」
「え……」
肉体の山を踏みながら、ゆとはこちらへ降りてくる。
「…まひるは、確かにお嬢様。そして私は貧乏人。心もないような貧乏人なの。失うしか…、なかったの。
楽しいこと……すなわち、自分の好きなことをするためにはどうしたら良いと思う?お嬢様のまひるは何でも好きに出来たんでしょうけど、貧乏人はそうもいかない。
『嫌なこと』も、しなくちゃいけないの。私は、その『嫌なこと』が人殺しだったわけ。
……だから、別にすきでやってるんじゃないの。好きなことのために、殺してるの」
少し黙って、
「だって、ほら。
頑張らずに好きなことをするなんて、意味が無いじゃん」
「……!」
まひるは、息を飲んだ。
「だから……」
か細い声が、頼りない声が、ゆとの小さな口から漏れる。
微かに震えた唇は、無表情で人を殺すような普段からは、全く想像も出来ないような、『別のゆと』だった。
(……私は、なんの為に……?)
大体こんな感じで進んでいきます!
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【次回】
まひるの過去を書いていきます!