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『ダ・ヴィンチ・コード』 ダン・ブラウン


【ダ・ヴィンチ・コード】


 どうしよう。まったくおすすめする気のないものを紹介することになってしまった。次回予告なんぞ、しなけりゃあよかったゼ……。すらすら読めて、娯楽小説としてはよろしいんじゃないかな。娯楽小説という点では、大変におもしろかったですよ、ええ、ええそうですとも。とりあえず、以下あらすじ。(やる気ねえな)


 ルーブル美術館の館長ジャック・ソニエールが館内で殺された。館長の遺体を見て、ソニエールの孫娘ソフィーは、祖父が自分だけにわかる暗号を残したのだと気づく。宗教象徴学者のロバート・ラングドンとともに、ソニエールが残した謎とその意味を追跡する。数々の謎の先には意外な真相が待っていた。


 と、こう書くとソフィーなる人物が主人公のようだが、違う。ラングドンという学者が主人公なんだけれども、もうどうでもいいや。正直、作者が仕掛けた謎に対して解答がショボく、無理やりな感が否めないところもあった。でもまあ、キリスト教聖杯伝説やらシオン修道会やら次々と謎は出てくるし、事件は起こるので読める小説ではある。それに色々と批判はされるだろうが、作者はきっと多分に知識はあるだろうから、それを逆手にとって書いたのかなとも思う。読者から馬鹿にされたり批判されたりは承知のうえなのだろう。言ってしまえば、トンデモ本であるわけだから。その辺りは、わたしは不問に付したい。なぜかって、もっとカナシイことがあったのさ……。


 ダ・ヴィンチ・コードなんていう題名にする必要があったのかと、この本の最大の謎はそこにあったりするかも知れないが、まあそれはともかく。キリスト教の歴史や教義が一応ベースになっているし、ダ・ヴィンチの絵画やらニュートンのお墓やら色々出てくるので、大まかな歴史の流れのなかで偉人たちがどの辺りに位置していたのかを知るには問題ないはず。ただ、歴史的事実が誤っているところが散見されることは確か。(例えば、シオン修道会が存在するなど。想像上のものであるというのが一般的な見解。他にも多数)歴史や美術史に詳しい人などは、胸を悪くする場面もあるかなと頭の片隅で思う。でもそれも承知して、完全なる娯楽小説として出版したのだろう。だから、しつこいようだがそこはいいのだ。


 しかしながらですね。

わたしがこの本を紹介することにやる気がないのは、歴史や教義の解釈の違いにあるわけじゃあないのデス。小説の筋として、そのシーンを入れる・書く必要があったのかという点にあるのですヨ。

 物語終盤のシーン。孫娘と学者(もう名前も出したくない)の、イギリスの教会でのシーンを読んでわたしは思った。



 は。

 はああああ~~~~~!?



 なんでっ! なんでここに来てそーなるんだよ、ほわぁい?(Why)そうする必要は欠片でもあったのか、これじゃあ本当にただの三文小説じゃねえかよ、馬鹿馬鹿しいにも程があんだよ、もう聖杯伝説とか、シオン修道会とか、一応今までおもしろいとか思ってた気持ちが全部吹っ飛ぶわ、アホらしい!

 なんで最後にそんな、展開を安っぽくするんだ。こんな最後で消化不良に陥らせんでくれ、Oh, my God.



 と、いうわけで、最後の二人の成りゆきがどーしても腑に落ちない筆者なのでありました。前回、予告をした時点ではこの本に対する考察やらなんやら、ちょっと書こうかなと思っていたのだが、嫌なことを思い出して気力が萎えた。もういいや。

 わたしと同じように、ラストの二人の展開に脱力したひとはいるのかな。むしろわたしは、その展開だけはないと思ってたのにな……。本筋じゃないところで夢が壊れるってカナシイ。作者の力量を疑うよ、ほんとに。

 

 次回は、『偽りの書』のつもりだがこれまた宗教関連の小説なので、やる気が継続するか謎。もし、書く意欲を失っていたら、藤沢周平『時雨のあと』にするかも知れない。まあでも、『偽りの書』は、脱力はしなかったから大丈夫かな。


 そんなわけで次回、『偽りの書』ブラッド・メルツァー



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