表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/17

映画鑑賞履歴 2017年1月~4月





 2016年の2月頃から、めっぽう映画鑑賞にはまってしまい、2016年度はなんと98本、今年は今日までに52本もの映画を鑑賞した筆者である。もちろんすべて映画館に行った。むはは。読書日記を更新しなくなって久しく、もしや更新を待ちわびてくれている読者のために映画鑑賞履歴とちょっとした感想でも残しておくかと腰を上げた次第である。活動報告と重複する部分もあるが、悪しからず。今年の1月から4月までの鑑賞履歴を備忘録として記しておく。

 



【1月】

聖の青春

ヒトラーの忘れもの

私の少女時代

こころに剣士を

湯を沸かすほどの熱い愛

家族はつらいよ(リバイバル 以下:リ)

アルジェの戦い (リ)

エデンの東 (リ)

ダイヤルMを廻せ!(リ)

カサブランカ (リ)

理由なき反抗 (リ)

とうもろこしの島



【2月】

みかんの丘

カードキャプターさくら (リ)

奇跡の人 (リ)

この世界の片隅に

未来を花束にして

SMOKE スモーク (リ)

沈黙―サイレンス―

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

アラバマ物語 (リ)

ミス・シェパードをお手本に

クレイマー、クレイマー (リ)

バナナの逆襲(1話、2話)

スノーデン




・私の少女時代

 台湾映画。高校時代の甘酸っぱい恋の思い出。これは笑った。そして果てしなく胸キュン。台湾映画は良質なものが多い。



・エデンの東

 優秀な兄と違い、父からの愛を感じられずに鬱屈した日々を過ごすキャル。父に認めてもらいたい一心で奮闘するが、ついに愛に絶望する。善とは、悪とは。全霊で愛を乞うものに、救いは訪れるのか。人間の罪と愛の所在を問う、ジェームズ・ディーン主演の名作。

 文句なしにお勧め。「もうどんな愛もいらない」はジェームズ・ディーンの名台詞。



・ダイヤルMを廻せ!

 ヒッチコック監督作品。観客の緊張を最高潮までもっていくクライマックスの見せ方は見事。鍵が回るか回らないかであんなにハラハラしたのは初めて。ヒッチコックの卓越したサスペンスの世界に浸りたい方は是非。



・とうもろこしの島/みかんの丘

 話題の『この世界の片隅に』を観るよりか、断然観るべきだと訴えたい作品。

グルジア内戦を、農民の生活を通して描出。生きる意味を問いかける、かなり純度の高い秀作。



・奇跡の人

 三重の障がいをもって生まれたヘレン・ケラーと、その家庭教師アン・サリバンとの交流の物語。心にストレートに響く作品。ヘレンが、物には名前があると理解するシーンは感動的。それは天啓のごとく観客に届く。



・クレイマー、クレイマー

 脚本が素晴らしい。アカデミー賞作品賞、監督賞受賞作品。

「おかしくない?」と訊くメリル・ストリープに、「素敵だよ」と返すダスティン・ホフマン。閉まるエレベーターのドア。秀逸なラストシーン。



・バナナの逆襲(1話、2話)

 労働者に深刻な健康被害をもたらすと認識していながら、農薬の使用を放置し続けてきたドール社(バナナやジュースを売ってるあのドール社)に対し、ニカラグアの労働者たちが提訴した顛末を描いたドキュメンタリー(2話)

 そのドキュメンタリーをロサンゼルス映画祭でプレ上映しようとするが、映画祭主催者側から上映拒否。監督はドールから訴えられた。なぜ……?(1話)

 多国籍企業の醜悪な実態を抉りだし、表現の自由を賭けて闘う監督の姿を追ったドキュメンタリー。ちなみに、大企業や政府など圧倒的権力を有する組織が個人や市民団体などを訴えるスラップ訴訟は日本では禁止されていない。



・スノーデン

 昨年公開のドキュメンタリー『シチズンフォー』をベースに、事実のパロディとしてオリバー・ストーン監督がメガホンをとった社会派サスペンス。元CIAの職員エドワード・スノーデンが、アメリカ政府が行ってきた恐るべき諜報活動を暴露し、アメリカや欧州をはじめ日本でも大騒ぎとなった事件は記憶に新しいだろうか。インターネットなしには暮らせず、情報が横溢したなかで生活する我々が真正面から向き合うべき事実。

 アメリカの大統領が西洋カルタ殿になったあたりから、ロシアと結託して敵陣営の選挙妨害をしたなどと、NSA(アメリカ国家安全保障局)が結論づけて、同氏に対するネガティブキャンペーンを凄まじく展開していることは周知の通りである。

 が、ちょっと立ち止まって考えてほしい。NSAというのは、対テロ対策という名目のもと、世界中のありとあらゆるインターネット(グーグル、スカイプ、フェイスブックなどのSNSのメール・チャット)を傍受し(もちろん傍受される側の許可などとっていない)、まさに世界をまたにかけた監視プログラムを運用し諜報活動を行っていたトンデモナイ組織なのである。そんな組織が、大統領と対立し、かつ世間の攻撃対象になるように誘導しているというのは、なんか胡散臭くないか。仮に西洋カルタ殿が選挙妨害したとしてだ、キミたち組織がそれを言えた義理なのかと……。などと筆者は思うわけである。

 別に筆者は西洋カルタ殿を支持しているわけではないが、一方的に与えられる情報には必ず何かあるという警戒心を持ってほしいと不遜にも忠告したい。しかも、その何かというのは大体がトンデモナイものだったりするのでますます情報には慎重にならねばならない。

 この映画は、そういう啓発(どころかそんなことは超越しているが)をしてくれる稀有な作品である。ちなみに筆者は、ドキュメンタリーの作品もリアルタイムで観た(どやぁ……)




【3月】

クワイ橋に虹をかけた男

土竜の唄 香港狂騒曲

東京ウィンドオーケストラ

愛と哀しみの果て (リ)

天使のいる図書館

君の名は。

破門 ふたりのヤクビョーガミ

恋妻家宮本

THE NET 網に囚われた男

リップヴァンウィンクルの花嫁 (リ)

ラ・ラ・ランド

浮雲 (リ)

相棒Ⅳ

ラビング 愛という名のふたり

彼らが本気で編むときは、

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う




【4月】

わたしは、ダニエル・ブレイク

しゃぼん玉

3月のライオン 前編

チア☆ダン

抗い

SING/シング

母 小林多喜二の物語




・THE NET 網に囚われた男

 北朝鮮で貧しいながら平凡で幸せな生活を送る漁師。偶然から韓国の領海へ侵入してしまい、苛酷な取り調べを受ける。夢のような経済発展を遂げたかにみえる同胞の土地で、彼が目にしたものは。そして、彼に待つのはあまりにも惨い運命だった……。

『ララランド』よりも、個人的にはこっちのほうがよかった。テーマはまるで違うけれども。人間の幸せっていったいなんだろうと芒洋とした思いになる。あまりにも重い作品だった。

 大国に翻弄された歴史をもつ民族が抱いてきた筆舌に尽くしがたい苦しみを克明に描いている。引き裂かれたはずの同胞との邂逅は、痛みと憎しみに満ちたもので、個人の想いや人生など、歴史と権力のまえではいとも簡単に踏みにじられてしまうものだということを痛感した。ぜひともご覧いただきたい作品である。




・恋妻家宮本

 多少中弛みはしたものの、すべては帳消しになった素晴らしいエンディングだった。図らずも感銘を受けた(笑)エンディング曲である吉田拓郎の『今日までそして明日から』の歌詞と、作品の内容が絶妙に絡み合い、なんとも粋な演出。やっぱりスクリーンで観るってイイわと思わせてくれた逸品。



・天使のいる図書館

『あさが来た』で主人公の娘役を演じた小芝風花がヒロインで登場。美しい自然に囲まれた奈良県葛城市を舞台に、どこかズレた新米司書が、ある人物との出逢いをきっかけに周囲と心を通わせてゆくハートフルストーリー。

 とくに秀作というわけではないのだが、映画館にいる時間がとにかくもう幸せすぎた作品。ひととのつながりは、あったかくてさびしくて悲しいこともあるけれど、やっぱりどこかやさしい。だれかの想いを知るって素敵なことなんだな。浸れた……。



・わたしは、ダニエル・ブレイク

 長年大工として働き、慎ましく暮らすダニエル。心臓の持病のため、仕事へドクターストップをかけられる。新しい仕事を探し、失業手当を受け取ろうと役所を訪れるが、ダニエルを待ち受けていたのはペーパーレス、オンライン登録、職員の木で鼻を括ったような対応、息をも吐かせない就職活動だった。シングルマザーのケイティを助けたことから、彼女と子供たちとの交流が深まるが、厳しい現実に次第にふたりは困窮してゆき……。

 ひとは誰でも、名前をもった一人の人間なんだ。それを我々は時々、残酷なまでに忘れてしまう。「わたしは犬ではない。顧客でも国民保険番号でもなく、ダニエル・ブレイクだ。当たり前の権利を当たり前に要求する」

 不寛容で不親切で杓子定規、人間の尊厳すら奪われる。日本でも世界でも、この流れは止まらない。貧困は他人事ではない。人間の尊厳とは何を心に強く訴えかける秀作。



・しゃぼん玉

 女性を狙ったひったくりを繰り返しながら野放図に生きる伊豆見。あるとき事件を起こし、訪れたこともない田舎の村へ逃げる。ひょんなとこで知り合った老婆の家に転がり込むのだが……。

 誰か赦して受けとめてくれる人がいるなら、人は再生できる。贖罪は終わらないし生涯続くだろうけど、心の灯はきっと消えない。林遣都さんはナイフのような人間を見事に表現されていた。キャスティング、ラストシーン、素晴らしかった。時間が経つごとに、じわじわと心に染み入る作品。エンディング曲の奏基博『アイ』も好い。



 図らずも長くなったが、今回はこれで締め。内容が知りたい作品があれば、お気軽にお問合せくれたまえ。ではまた、次回。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ