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「今日はどこ行く~?」


隣で歩きながら幸一が聞いてくる。


今日は早番でお店も暇だったから9時半に仕事が終わったのだ。明日は休みだし、がっつり飲むか!


と幸一に電話したら、10分と待たずにやってきた。


たまたま近くにいたらしい。なんて間のいい奴め!


「今日は、ちょっと歩こうと思うんだよね~。大丈夫?」


一応、聞いておく。


「もちろん、どこでも大丈夫だよ!」


相変わらず、人のよさそうな笑顔だなぁ、こいつ。 モテそうなのに、暇そうよね・・・


それが最近の私の幸一に対する印象だった。




幸一と出会ってからはや1ヶ月、最近は週3は会っている気がする。


私の仕事終わりに合わせて幸一が飲みにきていたり、私の休み前に一緒に飲み明かしたり・・・。


長い時間一緒にいる、とは感じないけど、きっと長く会っているほうなんだろうな。お互い。


お酒を心置きなく飲める友達が増え、思わずほくほく顔になる。



だって、私、飲み始めペース遅いし! 酔えば酔う程ペース速くなるし!


私がほろ酔いになる頃にはみんな出来上がっているんだもん!


心置きなく飲める友達は貴重なんだ!!


って、誰に言い訳しているんだか、私・・・



私は幸一を、お店から歩いて15分くらいの場所にあるショットバーに連れて行った。


「ここはどんなお店なの~?」


「めっちゃ居心地のいいお店だよ? マスターもカッコいいし」


語尾にハートマークをつけてみる。


「ここのマスター、ジャパニーズ侍的な切れ長な目で、めっちゃカッコいいんだよね~!


 あ、こんなこと言ってたってマスターには内緒にしててよ?」


もちろん観賞用だけど。男前過ぎると隣にいても疲れちゃうし。


「はい、着きました!」


ジャ~ンと扉でポーズを決めても、いつもみたいにツッコミがない。


あれ?どうしたんだろう? 幸一くんのツッコミ、楽しみにしていたのに・・・



顔を覗きこもうとすると、そんな私を見事に無視して幸一はふいっとお店の中に入っていった。

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