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<聴力>のカケラ

「ちょっと後ろ向いて」


双子は言われた通りに後ろを向く。

でもカリナは気になるのか、チラチラとこちらの様子を見る。

そんなカリナにサキはこら、と怒る。


しばらく経った後、サキは双子の肩をぽんと叩いた。

双子は振り返り、サキをじーっと見た後、サキの後ろにある中が何も見えない黒い箱を疑視している。


「この後また後ろを向いてもらうね」

そして、黒い箱の中に入ってるのを音で聞き取り、当てる。


…と言うルールらしい。

———ゲーム感覚だな…子供も喜びそうな…


キランは心でそう呟く。

そしてそっと微笑んだ。…でもその笑顔はすぐに消え、また同じように、


———サキ…お前の本当の目的はなんだ…。

———お前が解放者じゃなければよかったのに…。


と、呟いた。

そんなキランの視線に気付いたのか、あるいは最初から気付いていたのかサキはキランを見る。

そんなサキと目が合った瞬間にキランは無意識に目を逸らしていた。

解放者は人を殺すため、何時でも冷静に回りを見る事ができる。

特にサキは19歳。解放者の中で最年少なのだ。


きっとそんなサキをキランは恐ろしかったのだ。

サキには何もかも身抜けられてしまうのではないか、と———


そして目を逸らされたサキもキランをずっと見つめていた。

何かを探るような眼差しで…。


「ねぇ、始めないの?」

「やろうよ、サキ兄ちゃん!」


サキはそんな双子の言葉にキランを見るのをやめ、双子に笑顔を向ける。

始めようか、と言い双子に後ろを向かせる。

そしてまず一つめの音を鳴らす。


双子は同じタイミングで答える。

そして正解だったのか、次の音を鳴らす。

そしてその答えは…。


「ゴム!」 「ねじ!」


別の答え。

そして、視力の時は二人別の答えを言うと悲しそうな表情だったはずなのに、

一瞬だが、怪しい…冷徹な笑みを浮かべていた。

そんなサキに不信感をキランは抱きはじめた。


———…子供達に変な事をしたら、お前でも承知しないぞ…。


そう思った矢先、サキはキランを見る。

何もかも見透かしてしまいそうなサキの透き通った青の瞳に息をのむ。

でも、サキはすぐ笑顔になり言った。


「では、検査の結果をまとめて来ますね」

「あ、あぁ…」


そう言うと、サキは双子に別れを告げると消えていった。


いつもと変わらない笑顔…

いつもと変わらない口調…

いつもと変わらない会話…


いつもと違うのは…キランがサキに抱く考えだった———


…サキは男の子です^^

(分かってると思うけど…)

前話の時『私』って言ってるから誤解してないかなー、とww

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