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<笑顔>のカケラ


「どうかしました?」

「話、聞いたのか…?」

「いいえ、先程来たばかりなので…」


サキは真っ青な顔で問うキランとは正反対の笑顔で答える。


「…さっき、ミスナっていう子が来たんだけど、」

「!?」


ミスナ、という名前を出すと笑顔は一気に消えて真剣な表情でニクハを見つめた。


「なにか、言ってましたか?」

「もう少し人を疑ったほうがいい、と」

「…あいつ、」


サキは誰にも聞こえないほどの声でそう呟く。

そしてサキはにこっと笑みを浮かべると用がある、と言ってその場を消えた。






*    *    *





「おい、」


サキは見知った背中を見ると少し怒ったような声音で話しかける。

相手はゆっくりと振り返ると冷徹な笑みを浮かべる。


「どうしたのさ、」

「ニクハ様に誤解をうむようなことを吹き込むな」

「…なんのこと?」

「ミスナ、」


サキは静かな口調でその子の名前を呼ぶ。するとミスナの表情は一気に怯えへと変わった。


「分かったよ!!話すから怒らないでっ」


サキにとっては別に怒っているわけではないのだが、ミスナにとっては静かに名前を呼ばれると怒っていると勘違いをするらしく、案外この手は効くためサキ自身もよく使っている。


「だってぇ…、サキのこと色々疑ってるからぁ…」

「そりゃ疑いもするだろうな」

「…え?」

「俺が解放者なんだから…」


サキは自分が疑われてる理由が“解放者だから”という事に確信があるらしい。

そしてサキは大きくため息をつくと言った。


「あの”作戦“は今夜あたりに決行だな…。お前がいらない事を言わなければもう少し時間を稼げたんだがな」

「だから、ごめんってぇ〜」

「あ〜あ…準備しとけよ?時間になったらここに来い」

「わ、分かった」


それだけ言うと、サキは姿を消す。

誰もいなくなった丘にミスナはポツリと呟いた。


「…解放者、」

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