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モブの聖女に転生したのですが、18禁BLの主人公を私が癒してもよろしいのですか?  作者: 矢間カオル


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6話 プルプル・・・

ガトーさんの膝の上に座っているこの状態が、恥ずかしくて仕方がなかったけれど……

これがお仕事だと言われたら、受け入れるしかないとは思うけど……

なんとなくガトーさんの顔が赤くなっているような気がする。

もしかして、私が重いのを我慢しているのかしら?


私の思いがわかっているのかいないのか、ガトーさんは、隣に置いてあるバスケットの中から、ハムと卵が入ったサンドイッチを手に取って、私に見せた。


「食べやすいようにサンドイッチを用意してもらいました。私が食べさせて差し上げましょうか?」


いやいやいや、それはいくら何でも……

「大丈夫です。一人で食べられますわ」


私はサンドイッチを受け取ろうとしたのだけれど……

プルプルプルプル……

手が、手が、震えて上手く持てない……。

指先に力が入らない……。


両手をフル活用して大量の神聖力を流し続けた私は、まだ身体が慣れていないことに、今さらながら気付いた。

この震えは、後遺症みたいなものみたい。


「すみません。サンドイッチ、持てないです」

私は消え入りそうな声で、ガトーさんに言った。


「あれだけ大量の神聖力を放出したのです。手が震えて当然ですよ。ですから遠慮せずに、私から食べさせられてください」


「えっ? でも……、そんな……」


「聖女様? 早く食べて病院に行きたいのではないのですか?」


そうでした。私は今から病院に行かなければならないのよ。

ここはガトーさんに甘えることにした。


「お、お願いします」


それからガトーさんは私にサンドイッチを食べさせてくれたんだけど、恥ずかしいやらなんやらで、もう穴があったら入りたいと思った。


でも、食べさせてもらうサンドイッチはとっても美味しくて、お腹が空いていたから、用意してくれたサンドイッチは、全部食べた。

そのころには手の震えも止まって、最後に差し出してくれたお茶のコップは自分で持てた。


お茶は、ほかほかと暖かくて、こんなところにも気配りを感じる。

さすがガトーさん。

前世の上司に、ガトーさんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ。


お腹が膨らんで、心も満たされて、神聖力も元に戻ったのを実感した。


「何から何までありがとうございました。もう大丈夫です。今から病院に行きましょう」


「わかりました。おや、聖女様の口に……」

ガトーさんは、私の口の横についていた卵を指先で拭って、それをぺろりと舐めた。


「ガ、ガ、ガトーさん!?」

私はボンと頭が爆発するような感覚に襲われた。


真っ赤になってあたふたする私をよそに、ガトーさんはようやく私を膝から降ろして椅子に座らせる。


「それでは、私は外に出て 騎乗護衛の任務に戻ります」

ガトーさんは爽やかにそう言うと、馬車を出て元の仕事に戻ったけど……


私は一人馬車の中に残されて、目が覚めてから今までのことを思い出して、すごくドキドキしていた。


爽やかな笑顔とシックスパックの筋肉が好きで、お気に入りの騎士様だったけど、あんなに優しくて細やかな配慮ができて……、最後のペロリなんて、まるでマンガか小説の世界みたいで……。


ガトーさん、なんて素敵な人なの? 

ああ、平凡な顔だなんて思ってごめんなさい。

心の美しさは顔に出るものなのね。


今の私には、ガトーさんの顔がとても男前に見える。

窓から見えるガトーさんの顔を見て、私はぽっと赤くなった。



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