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モブの聖女に転生したのですが、18禁BLの主人公を私が癒してもよろしいのですか?  作者: 矢間カオル


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41話 いつもと違う

「わかりました。少々お待ちください」

私はガトーさんの治療をすぐに終えて、クリード様の治療に当たった。


手をかざし「治れ治れ」と心の中で念じる。


「ん?」

おかしい。神聖力の流れがいつもと違う。


いつもなら、水を注ぐように神聖力が流れ込んで行くのに、何故か邪魔をされている感じがする。


「すみませんが、直接触れます。タオルを取っていただけますか?」

私は直接クリード様の鼻に触る。


そして強く念じたけれど、やっぱり神聖力の流れを邪魔されている。

押し返されているって感じかな?

だけど、私の力の方が強いみたいで、無理やりねじ込むことに成功した。


この感覚は初めてのことだった。


クリード様の鼻血は止まったけれど、思ったよりも時間がかかってしまった。


「終わりました」


「ああ、お陰で助かったよ。ありがとう」

クリード様がほっとした顔でお礼を言うので、私もほっとしたのだけれど……

何故か、ガトーさんの顔が怒っているように見える。


大好きなクリード様を、私が直接触ったのが、気に入らなかったのかもしれない。


「聖女様、クリード様が終わったら、実は肩も痛いので、癒しの治療をしていただけますか?」

ガトーさんのその言葉は、これ以上クリード様に触るなと言われているような気がした。


やっぱり二人は、惹かれ合っているの? 


私はガトーさんの肩に手をかざしたが、これは十秒で終わった。


「何故……」

「あの……、何か?」


ガトーさんが何か言いかけたので、問いかけてみたのだが「いや、何でもありません。気にしないでください」とはぐらかされてしまった。


ちょっと今日のガトーさんはいつもと違う気がする。

好きな人を前にしているからなのかな?





俺は仕事が終わって自室でワインを飲みながら、今日のことを振り返った。


はあ、俺は何と心の狭い男なのだ。


せっかく救護室で、エクレーヌと二人っきりになれたと喜んでいたら、クリードが現れた。


もう監視には行かなくても良いと伝えていたが、あれだけの鼻血を出しているのだから仕方がないと思った。


だけど……、エクレーヌが直接クリードの顔に触った瞬間、俺の心に嫉妬の炎が湧き上がった。


エクレーヌは俺の時よりも真剣な顔で、しかも触っている時間が長い。

俺のあざは二十秒ほどだったのに……。


クリードの鼻血が止まってから、俺は駄々っ子のように、彼女に肩の治療も頼んだ。


だが……、今度はたったの十秒?

触ってもくれなかった……。


ああ、こんなことでいったいどうする? 

嫉妬の塊のような自分が嫌になる。

だが、エクレーヌとクリードの二人を見ていると、どうしても冷静ではいられないのだ。




俺はもっと冷静になるべきだ、風呂にでも入って、身を清めるとするか……と思っていたら、

「シューク、入るぞ!」

クリードの声がした。


一瞬、エクレーヌが来たかと思ったが、彼女は俺が呼ばないのに来るような女性ではない。


部屋の中に入って来たのは、正真正銘のクリードだ。


「どうしたんだ? こんな夜に」


「シューク、大変なことが起こった。俺を見てくれ」


クリードが俺に見せた手の甲には、黒いつる草の文様が浮き出ていた。



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