28話 あなたさえ良ければ
エクレーヌは、少し迷っていたようであったが、俺の尻の上にちょこんと座った。
下着越しであったが、彼女の柔らかい尻の肉の感触が伝わり、俺はぞくっとした気持ち良さを感じた。
そして彼女はゆっくりと背中を倒して、俺の背中に重ねた。
彼女の重みをダイレクトに感じたが、華奢な彼女は羽根のように軽かった。
「今から、治療を始めます。」
俺の背中に神聖力が注ぎ込まれた。
その量がどんどん増えて行くのがわかった。
これまでの経験がものを言ったようで、彼女は初めの頃よりも、何倍もの力と量を扱えるようになったのだ。
これは彼女の努力の賜物と言って良いだろう。
俺は背中に神聖力が流れ込む心地よさを感じていたのだが、それが突然途絶えた。
「エクレーヌ?」
声を掛けたが返事がない。
「エクレーヌ、どうしたのだ?」
どうやら彼女は神聖力を使い果たし、眠ってしまったようだ。
俺はそっと彼女を背中から降ろし、隣に寝かせた。
胸の上で指を組み、すやすやと深い眠りについている。
俺は彼女に毛布を掛けた後、ベッドを降りて鏡で背中を確かめたが、まだ少し文様が残っていた。
完全に消すには、彼女の神聖力が足りなかったようだ。
だが、こんなに疲れ果てるまで、俺に神聖力を流し続けてくれたのだ。
彼女の一生懸命な気持ちが嬉しくて、俺の心はじんと熱くなった。
ああ、涙が出そうだ。
今までの経験上、おそらく目覚めるのは一時間ほどたってからだろう。
俺はベッドに戻り、エクレーヌの組まれた指をほどいて、俺の胸に抱いた。
柔らかい胸の感触が俺を刺激し、俺の心と身体に火をつける。
だけど、俺はじっと我慢する。
俺は、エクレーヌの裸の背中に毛布を掛けた。
エクレーヌ、ありがとう。ゆっくりお休み。
私が目覚めたとき、シューク様の胸の上で抱かれていた。
えっ? なんで? とは思ったけれど、これで二回目。暖かくて気持ちがいい・・・。
ああ、そんなことより、背中の文様はどうなったのだろう。
今回、私は終わりを感じることができなかった。
きっとまだ完全に消せてはいないのだ。
「シューク様。」
眠っているシューク様に声を掛けた。
「ああ、エクレーヌ目が覚めたのか?」
「起きていらしたのですか?」
「ああ、あなたが目覚めるのを待っていた。」
「あの・・・、文様はどうなりましたか?」
「まだ少し残っているよ。見てみるか?」
「はい。」
シューク様は、私を胸から降ろして毛布をバサッとめくると、ごろりとうつ伏せになった。
私は起き上がって背中を見たら、大きなつる草の文様が、まだ二本残っている。
「私の神聖力が足りなかったのですね。もう少しだったのに・・・。」
「ああ、そうだな。だが、今からでも、あなたさえ良ければ、きっと消すことができるだろう。」
「私さえ良ければ・・・?」
その言葉の意味を知っている私は、カッと頬が熱くなり、真っ赤になった。
「あなたを傷つけたくないので無理強いはしない。だが、もし許してくれるのなら、俺はあなたを抱きたい。」
私は、シューク様の呪いを、一刻も早く消してしまいたいと思っている。
今、シューク様の呪いを消せるのなら、私がとるべき行動は・・・
「あの・・・、では・・・、抱いて・・ください。」
躊躇いながら、私は言った。
「ああ、エクレーヌ、ありがとう。」
シューク様はガバッと起き上がり、私を熱を帯びた目で見つめた。




