22話 協力してくれるか?
シューク様が私の態度を不審がっているようなので、とっさに出た言い訳がこれ。
「あの……、きれいな筋肉に見とれていただけですわ」
まあ、これも本当のことなんだけれど……。
「そうか、あなたは、そう言ってくれるのだな」
シューク様は、なんだか嬉しそう……。
「では、触ってくれるか?」
その言葉にドキッとした。
治療の最中、ガトーさんの筋肉を見るのが好きで、実は鍛え上げられた硬い腹筋に触ってみたいと思っていたのだ。
目の前に大好きなガトーさんがいる。
恋を自覚してからまだ数日だけれど、こんなチャンスは二度と来ないかもしれない……。
「あの……、そ、それでは失礼します」
私はガトーさん、もとい、シューク様のシックスパックに手を当てた。
すごい! 硬くてぎゅっと締まった感じ……
私はもっとその硬さを味わいたくて、指でツンツンと突っついた。
「ん!」
ピクッとシューク様が反応した。
「あ、すみません。やっぱりやめといた方がいいですよね」
私が手を離そうとすると、手首をつかまれた。
「いや、そんなことはない」
シューク様は、私の手をぐいっと腹筋に押し付けた。
「あなたの癒しの力が、まだ残っている呪いに効くかもしれないだろう?」
「えっ? それはどういう……?」
「ああ、これを見てくれ」
シューク様は私に背を向けた。
今まで気付かなかったけれど、シューク様の背中にも、呪いの文様がびっしりと浮き出ていた。
「シューク様、背中にも、あったのですね」
「ああ、他にもまだ残っている。あなたのお陰で苦痛は収まったのだが、苦痛が再び俺を襲うのは時間の問題だろう」
「そ、そんな……。でも、なんとかして差し上げたいと思っても、今の私には、これだけ大量の呪いを解く神聖力は残っていません……」
「それで、俺は一つの仮説を立てたのだが……、エクレーヌ、俺に協力してくれるか?」
「は、はい。私にできることなら……」
「あなたなら、そう言ってくれると思っていた。だが、今からすることは覚悟が必要だ。それでもいいか?」
「は、はい……」
覚悟が必要だなんて……、いったい何をするつもりなの?
「今から俺がすることを、嫌がらずに受け入れて欲しい」
「はい? な、何を?」
私は思わず上ずった声を出してしまったのだけれど、シューク様の行動が、その答えだった。
私は抱きしめられ、唇を奪われた。
驚いたけれど、前回とは違う。
愛する人からの口づけ……
私の胸はドキドキとときめいた。
シューク様の舌が私の口腔内に入ってきて、乱暴に私の舌を絡め取ろうとする。
私はその動きに誘われるように舌を絡めた。
むさぼりあうような濃厚なキスに、私はうっとりと酔いしれて行く……。
シューク様は、私の身体に巻き付けていた毛布に手をかけた。
まるで自分一人で脱ぎ着ができない幼子のように、毛布は剝がされ、私の裸の胸のふくらみがポロリとさらけ出された。
「きれいだ……」
じっと見られていることが恥ずかしくて、私は思わず俯いてしまったけれど、シューク様は私をゆっくりと押し倒し、私の顔を両手で包み込んで、唇に唇を重ねた。
ねっとりと粘りつくような舌の動きに翻弄され、頭の中が真っ白になっていく……。




