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モブの聖女に転生したのですが、18禁BLの主人公を私が癒してもよろしいのですか?  作者: 矢間カオル


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21話 ホクロ

俺は、暖かく柔らかい重みを感じて目を覚ました。

俺の胸の上で、美しいピンク色の髪の乙女が眠っている。


ああ、エクレーヌ、またあなたに救われたのだな……。


俺は胸の上で深い眠りについているエクレーヌの髪をそっと掴んで口元に寄せ、チュッとキスをした。


エクレーヌは、深い眠りの中をさまよっているのか、目を覚ます気配はない。


俺は、エクレーヌの裸の背中に腕を回し、そっと抱きしめた。


絹のように滑らかで、しっとりとした吸いつくような白い肌……

夢にまで見たあなたの身体を、今俺は抱いている。


この細い体で、無理して神聖力を出し切ってくれたのだろう。


俺の命を救うために、エクレーヌは裸になってくれたのだ。

まだ男を知らぬ乙女が、裸の胸を男の俺に押し重ねるのは、そうとう苦しく恥ずかしく、勇気が要ることだっただろう。


どうか、許してくれ。

それをわかっていながら、俺はあなたを選び、あなたが必ず俺を救ってくれると信じて、フリュイに迎えを頼んだのだ。


そしてあなたは、俺の信じる心を裏切らなかった……。


エクレーヌ、疲れただろう? 

今はゆっくりと、俺の胸の上で眠っておくれ……。


俺は手元にあった毛布を、エクレーヌの裸の背中にそっと掛けた。




暖かい……。

固いけれど、程よい弾力があって、湿り気のある不思議なベッド……

こんなベッド、初めてだわ……。


眠りから目が覚めて、ぼうっとまどろんでいた私は、はっと思い出して目を開けた。

私は今、シューク様の胸の上で寝ているのだ。


背中には毛布、胸の下にはシューク様……って、

シューク様と目が合ってしまった。


「シューク様、ごめんなさい。私、シューク様の上で……」

私が慌てて起き上がろうとすると、シューク様は逞しい腕で、私をぎゅっと抱きしめた。


「あ、あの・・・シューク様?」


「エクレーヌ、俺を救ってくれてありがとう。疲れただろう? もっとこのまま寝てもいいのだ」


シューク様の声がとても優しい。でも……


「いえ、そんなわけには……あっ、竜の呪いはどうなりましたか? 治療が終わった後、確かめることもできずに眠ってしまいました」


「ああ、そうだな。仕方がない。起きるとするか……」

シューク様はやっと私を離して身体を起こしてくれた。


私は下穿きのドロワーズは身に着けていたけれど、腰から上は裸のままだったので、毛布を体に巻き付けた。


シューク様は治療のために上半身は裸のままなんだけれど、腰から下は寝着をまとっている。


私は半身を起こしたシューク様の胸を見た。

腹から胸にかけて、あれだけ濃くびっしりと現れていた黒い文様は消えていた。


「良かった。消えてる……」


「ああ、これも全て、あなたのお陰だ。ありがとう」


私はほっとして、シューク様の腰から上を見ていたのだが、腹筋の美しさに驚いてしまった。


鍛え上げられた美しいシックスパック、それはガトーさんと同じくらいに美しい筋肉美だった。


シューク様も、こんなに美しい筋肉美だったの? 

と思って不敬ながらも見とれていたら……

脇腹に近いところに、ホクロを見つけた。


こっ、これは……?

ガトーさんと同じ位置にホクロ? 

そんな偶然ってある? 


シューク様の専属侍従フリュイ様は、変装魔法の使い手だった……。

だったら……シューク様とガトーさんは同一人物? 


私はこの衝撃的な事実に、頭の中が、しばし混乱してしまった。


「ん? どうしたのだ?」

シューク様が、私の態度を不審に思ったのか聞いてきた。


「いえ、あ、あの……」


ガトーさんはシューク様なのですか? と聞こうとしたけれど、躊躇した。


以前に、クリード様の私的な理由を聞こうとしたら、すごく怒ったような目をされたことを思い出したから……。


シューク様がガトーさんに変装しているのには、きっと何か理由があるのだ。

きっと私が立ち入ってはいけないような理由が……。


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