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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第56話

(*´ω`*)R15なので

 ショコラとフラッペに襲い掛かるクート。しかしアッサリと無力化されてしまう。


「ぐぅぅぅ⋯」


 まるで獣の様な唸り声を上げるクートだが、今は床に仰向けで固定されている。ショコラの結界魔法である。全身を壁で覆っているのではなく、手首や足首に不可視の手枷足枷を嵌めている様な状態だ。熟練の防御結界魔法使いは結界の形状も自由自在だ。対象の口腔内に結界を張れば証拠を残さず窒息死もさせられる。


「成る程。彼が女を取っ替え引っ替えしてた理由が此れか」


 フラッペが興味深げに呟いている。殺意の暴走、食への欲求。其れ等の代替行為で性行為を行っていたのだろう。フラッペは知らないが、噛み痕を残すのもその延長線上の物であろう。性的欲求を見たす事で溢れる殺意を満足させているのだ。


「うーん、困ったね」


 固有スキルの限界を超える運用。複数体のボス戦への過重戦闘。


「⋯それとモンスター食をした副作用かな?私の求めるモンスター食とは違うが、古代の戦士にはモンスター食をして士気を高め戦争を行う部族も居たらしい。まぁ喰って戦った後に皆死んだらしいが。あぁ、死ぬ前に子孫を遺す行為をした形跡も有ったかな?成る程成る程。クート氏の女誑しも一応理由が見つかったな。女を抱かねば発狂するか人を喰い殺している。誰だ此の子のスキル鑑定した奴は⋯」


 フラッペが渋面を作るが其れは言いがかりに近かった。スキル鑑定のスキルは対象の魔力のパターンから既存の類似のパターンとを当て嵌めているだけだ。スキル鑑定士の頭の中に『ぱんぱかぱーん!クート君は食材鑑定!』と云うアナウンスが流れる訳ではない。『此れは小さくて赤いから苺だろう』と判断したら毒苺だった様な物だ。そもそもスキル鑑定や食材鑑定等、鑑定職自体レア度が高いのだ。クートが恋焦がれる戦闘職の方が多種多様なのは単純に分母の違いである。


「クート氏、私が解るかな?」

「ぐぅぅぅぅぅぅっ!」


 クートは目を血走らせフラッペを睨んでいる。


「元気いっぱいだね」


 そしてどうやら下半身も元気いっぱいの様である。


「仕方無いね」


 フラッペもクートとの行為は興味は有る。が、今では無い。


「ショコラ、抱いてやれ」

「え?」


 クートの側で心配そうに見つめている相方兼上司兼後輩に呼びかける。


「ええええぇ〜〜〜〜〜!?」


 ショコラが其の巨体を震わせて素っ頓狂な悲鳴を上げたのであった。


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯うん?」


 目を開くとボスフロアの天井が見える。顔を動かすと⋯


「ショコラさん?」

「うぅ〜⋯キュート君、責任取って下さいよぉ〜?」


 丸出しの背中を丸め、脱いだローブで体の前面を隠すショコラが居た。


「ショコラさん」


 体を見下ろす。クートも裸である。コレはまさか⋯


「俺を襲ったんですか?」

「酷いぃ〜!?」

「起きたか。クート氏」


 状況判断で自分が襲われたのかと勘違いするクートにフラッペが話し掛けて来る。


「やれやれだ。先ずは服を着給え。二人共な」

「あうう〜」


 モゾモゾと服を着るショコラの肉体にはあちこち歯型が有る。


(え?俺ショコラさん抱いたの?)


 記憶が無い。スポーンと抜けている。原因はどう考えても―――


「魔石の心臓か」

「さぁ、取っておいたぞ?」


 フラッペに誘われ壁際へ向かう。


「ヒューッ⋯ヒューッ⋯」

「コイツは?」


 上半身だけになったオークらしきモンスターが居る。ギリギリで生きている。


「オークプリーストだ。治癒魔法持ちは自己治癒能力も高い。更に自らに治癒魔法を掛けさせ生き永らえさせておいたよ」

「有り難う」


 クートがナイフでオークプリーストにトドメを刺す。オークプリーストはごふりと血を吐き動かなくなった。クートは極自然にオークプリーストの魔石を取り出し付属する心臓に齧り付く。


「がぶりっ」


 そして血を啜る。


(不味い。不味いな⋯何か料理に使えるか?いや、無理じゃね?)


 クートが血を吸い上げた心臓を唇から離す。


「味はどうかね?」

「クソ不味い。いや、多分味とかじゃぁないな。毒物だから俺の食材鑑定が反応してる。コレをクリアしないとどんなに味を良くしても不快感と云うか謎の危機感は消えないだろう」


 心臓をナイフで切り捨て魔石を仕舞う。


「うぅ〜⋯初めてがダンジョン内のぉ〜モンスターの臓物が散乱してるボスフロアなんてぇ〜⋯」


 床にへたり込んだショコラがしくしくと泣いている。


「年下の男の子に無理矢理力尽くで女にされちゃったなんてぇ〜⋯」

「なんかすいません」


 クートにショコラを抱いてた記憶は皆無だ。しかしショコラの体のあちこちに歯型が残ってたし、下半身が怠いし、妙にスッキリした爽快感が有る。後敢えて云えば⋯


「殺戮衝動が治まってる。つまりはそう云う事かぁ」


 ショコラ程の女を抱いた実感が無いのは何か損した気分だが、一度抱いたならまた抱けるだろう。其の時に良く噛んで味わえば良い。


「はぁ〜はぁ〜最高〜」

「⋯⋯⋯其れは、良かったです、ね?」


 妙にズレた反応のショコラに、他人事の様に感想を伝える。ショコラは自己を客観視するきらいが有る。アラサーまで出会いが無かっ⋯守って来た初体験をダンジョン内でクートの性欲処理に使われたショックを、年下の男の子に獣の様に求められ無理矢理女にされたシチエーションの興奮で上書きしている。


(なんか変わってるよねショコラさん)


 固有スキルは人格に影響を与える。もしくはそう云った性質が有るからこその固有スキルが発現するのかも知れないが。固有スキル防御結界魔法のショコラは、二重三重な多重構造の人格を持つ。クートも他人の事は言えないが、突出した才能を持つ者はやはり何処かおかしい。


「まぁ可愛いから良いか」


 クートはあっさり受け入れる。年齢は上だが可愛いしデカい。かなり良い女だ。それと⋯


「ショコラさん」

「ショコラって呼んで〜呼び捨てにして〜敬語も止めて〜」


 ショックから立ち直った?ショコラがクートの下半身に縋り付いて来る。普段は見上げる様な体格差の女が卑屈で恍惚な瞳でクートを見上げて来る。クートは戸惑うが、ショコラの中では魔性の少年に弄ばれた哀れな女ムーブが始まっていたのだ。


「ショコラ、なんか縮んだ?」


 縦は変わらないが横幅が減っている、気がする。ふくよかだった体型が締まり、其れこそレナ以上のプロポーションの美女になっていた。


「うん〜キュート君が、私の魔力を吸ってたから〜」


 折角着直したローブを開けさせるショコラ。豊か過ぎる谷間には歯型がバッチリ残っている。


「あんなに吸われても〜魔力ぐらいしか出ないよぉ〜」


 ショコラは胸に付いた歯型をなぞり、恍惚な表情を浮かべている。意識朦朧としてはいても、体は女の抱き方を覚えている。どうやら自分の欲望を吐き出しただけではなく、ちゃんとショコラも満足させられたらしい。


「結果オーライ」

「じゃない」


 仏頂面のフラッペが割り込んで来た。

(*´ω`*)朝チュンキングクリムゾン

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