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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第37話

(*´∀`*)台詞が長いキャラ出しちゃった。話が進まねぇ。

「それじゃねー!」


 レナはお土産に渡した肉を齧りながら帰路に着く。クートも昼過ぎだが冒険者ギルドへと向かう事にする。夕飯の用意もしたので宿の方は大丈夫だろう。


「あ、クートさん」

「トロネさん」


 ギルドに入ると馴染みの受付嬢が声を掛けて来た。パート子持ちの兼業主婦受付嬢トロネだ。


「おや、今日は遅かったね。待ちくたびれたよ、クート氏」


 彼女のカウンターには見知らぬ女の子が居た。そしてクートに話し掛けて来る。


「初めまし、て⋯?」

「そうだね。初めましてかな。昨日はお互い見掛けただけだしね」

「そうですね」


 クートも彼女の事は認識していた。昨日冒険者ギルドに来た時に彼女が居たのを覚えている。明らかに目立つ格好だったからだ。今も同じ姿だ。

 真っ黒なローブに先端に魔石の付いた杖を持ち、トンガリ帽子を被っている。見るからに魔法使いだ。


(冒険者ギルドにこんなコテコテの魔法使いは居ないから、魔法士ギルドの人かな?)


 冒険者にとって魔法は道具の一つに過ぎない。剣と鎧を装備した魔法使いも居るし、魔法の杖を改良して槍にしてる魔法使いも居る。絶大な威力を誇る攻撃魔法は奥の手で有り、肉弾戦も出来る様にしておかないとクエストはこなせない。魔法使いの魔力も有限だからだ。魔力が尽きたら単なるお荷物になってしまう。ダンジョンの奥で魔力切れをしたら詰む。パーティー全滅も有り得る。勿論、パーティー内でガッツリ守ってる肉弾戦NGの魔法使いも居るが、何方にしろこんな絵本に出て来そうな格好はしていない。

 

「指名クエスト?俺を?」


 トロネの説明にクートが驚く。トロネが若干オドオドしてたが気にならない。そんな場合ではない。


「そうそう、そうなのだよ。クート氏のスキル食材鑑定が是非欲しい」

「魔法士ギルドの魔法使いが?俺を?」

「そうそう。良く解ったね」

「冒険者じゃないですよね?」

「私はフラッペ中級魔法士だ。えーと冒険者ランクだとどうだっけ?」

「Cランク冒険者相当に成ります」


 トロネが補足してくれる。


「だそうだよ。所属は違うが仲良くしようじゃぁないか」


 中級魔法士はCランク冒険者相当。知らない情報を噛み砕く前に、クートは彼女の名前に反応する。


「⋯フラッペ?⋯まさか魔食家の?」


 魔食家フラッペ。又の名を悪食フラッペ。


「おや、私を御存知なのかな?」

「論文読んだ⋯ました、よ」


 クートは冒険者ギルドのロビーに置いて有る本を読んだりする。その中に魔法士ギルドが発行してる会誌も有る。冒険者達が見るのは基本的に魔法士ギルドが冒険者ギルドへ依頼するクエスト等だ。しかし其れはほとんどオマケで、魔法使い達が日々研鑽し研究した論文等がメインの書物である。部外者でも定期購読可。だが高い。

 クートも専門的な魔法理論の新解釈等はサッパリ解らない。只中には面白いものも有る。ダンジョンの研究、モンスターの研究、魔石の加工に関する研究、新開発の魔道具の構想等だ。

 その中にモンスター食への研究に関する論文が有った。広大なフィールドに掃いて捨てる程存在するモンスター。其れをもしも食用に使えたら?モンスターを食べる事でその超常の力を我が物に出来るとしたら?伝説では人魚やドラゴンの肉を食べて不老不死に成った英雄が居る。まぁ其れを試した者達の末路も有名では有るが。

 

「読める範囲では読んでます。面白かったです」

「へぇ、見込み有るね。私がその悪食フラッペだ。宜しく頼むよクート氏」


 クートを見上げてニヤリと妖しく笑う女の子。


(いや、女の子じゃぁないぞ?二十は越えてる筈。三十過ぎぐらいか?)

「君は食材鑑定の鑑定士、Eランク冒険者のクート氏で間違い無いかね?実は同じ名前の別人とかは無しだぞ」

「多分そのクートです。あ、でもまだFランクかも⋯」

「大丈夫ですよ。クートさん、レナさん、共にEランク昇格です。おめでとうございます」

「有り難う御座います」


 トロネに言われてEランク昇格した事を知るクート。


「でも俺って鑑定士⋯なんですかね?」


 食材鑑定らしい仕事はしていない。固有スキルは食材を現地調達するのに役立ててるだけで、モンスターを狩るのは基本的に罠猟だ。罠に嵌めて嬲り殺すのがクートの基本戦術である。食材鑑定士として冒険者ランクを上げた覚えが無い。


「良かった。此処まで話して実は別人だったら笑うしかないからね。はっはっはっはっは!」


 何方にしろ笑い出すフラッペ。


「フラッペさんの論文読みましたけど⋯」

「さん付けは要らんし敬語も要らん。時間の無駄だよ。まぁ此れは目下の者へは通じるが目上の者に此れをやるとトラブルの元だから気を付けた方が良いね。私は其れをやって叱られる、事も有る。ちなみに上級魔法士への昇級試験で試験官と喧嘩してね。私は多分ずっと中級さ。勿論肩書きや出世なんかどうでも良いが私の閲覧権限では読めない書物が有るのは困るね。いつか燃やしてやるさあのセクハラジジイ」

(口から生まれたってこう云う人の事を云うのかな?)


 喋る喋る喋る喋る。フラッペは良く喋る。余りに煩いのでクートはフラッペの手を引いて冒険者ギルドを後にした。周囲の迷惑になるからだ。顔見知り程度の冒険者仲間が同情する様な表情でクートを見送っている。冒険者ギルドには命知らずが多い。しかし、魔法士ギルドには変人が多い。

 金に糸目を付けないタイプが多いのでクエストとしては美味しいが、とんでもない無茶振りをして来る事も有るので警戒は必要である。


「おお、異性に能動的に手を繋がれるのは初めてだね。ドキドキするよ。惚れたかな?一目惚れかね?」

「多分違いま⋯違うよ」


 クートは自分の手を握る小さなお手々を引っ張り町中を歩く。


(どっか落ち着ける場所を探そう)


 女と人前で構わずイチャつけるクートだが、初対面のフラッペと立ち話しし続けるのは苦痛だった。話をじっくり聞きたいのも本心だが。


「おや?私を何処へ連れて行こうと云うのだね?」

「俺の泊まってる宿屋だよ」

「まさか初対面の男の子に連れ込み宿に連れ込まれるとはね。初めてなので優しく頼むよ?多分親子程年は離れてるが気にしないで良い。私は気にしないよ」

「違うから。黙っててよ⋯」

「ふむ。噂通りの女誑しだね。此れは楽しみだ」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


 フラッペの止まらない喋りを浴び続け、クートの中に有った指名クエストをされた喜びは、すでに雲散霧消していたのであった。

(*´∀`*)へい!合法アラフォーロリ一丁!

次回の作中で言及有りますが、変な物を食べ過ぎた所為で成長が止まってます。


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