第36話
(*´∀`*)日常回!
「ただいま」
「こんにちわー!」
服を買い、公衆浴場に行き、産院に行って市場を回ってからレンダの宿屋に帰還したクートとレナの二人。戻るのがすっかり遅くなってしまった。もう夕方である。
「クー兄っ!おかえ―――」
「わぁ可愛い!」
「きゃーーー!」
クートを出迎えに来たリコがレナに捕まる。大きなお胸に圧迫され窒息しかけるリコ。
「お帰りクー坊」
「レンダさん。ただいまです」
「むぎゅぅ⋯ぷはぁっ!クー兄?誰この人?」
レナの胸部装甲から顔を脱出させたリコがクートに問い掛ける。
「レナだ。一時的にパーティー組んだ。もう解散したけどな」
「クー⋯兄?⋯て事は、クートの妹?じゃぁクートと結婚したら私の妹に?」
「違ぇし、しねぇよ」
早とちりしたレナが変な事を言い出し、其れを聴いたリコが威嚇を始める。
「がるるる⋯」
「あははっ!唸ってる可愛いー」
「離してやれ。怯えてるだろ」
クートがリコを奪い取る。
「えへへ」
クートが抱き寄せるとリコが嬉しそうにする。三日程会えていなかったからだろう。まるで匂い付けするみたいにクートの胸に頬擦りするリコ。
「クー兄、良い匂い」
「そっか」
(風呂入って来て良かった)
レンダとリコは宿の客の夕飯を振る舞う。クートも其れを手伝った。手伝いついでに厨房の端っこで料理を始める。有り合わせの賄い飯でも良いが、折角なのでと、新鮮な食材を仕入れて帰宅したのだ。今夜は御馳走だ。
「じゅるり⋯美味しそう⋯」
「まだ出来な⋯⋯⋯はぁ、解った解った。此れでも食べてろ」
「ありがとークート大好き!」
おあずけを喰らって哀しげに佇むレナに果物の盛り合わせを渡す。此のぐらいなら夕飯に響かないだろう。レナは果物を持ってパントリーに移動しガツガツ食べ始める。三分と保たないだろう。
「さぁ、出来たよ」
「わぁ」
「ふぅ、流石に料理じゃ敵わないね」
「おおーー美味そーーー!」
宿の客が食べ終わった後に、クートが作った御飯を皆で食べる。レナも居るので大量に、レンダやリコには日頃の感謝を込めて少し凝った物を用意した。
「甘ぁーい!」
リコは果物をふんだんに使ったタルトに齧り付いている。
「コラ、リコ。甘い物先に食べると御飯入らないよ?」
「何此れ熱っ!でも美味ぁっ!」
「フォーク使え、手掴みすんな」
レナは肉と野菜のキッシュを手で掴んで頬張っている。あれでは熱いだろう。舌も手も。
「もぐもぐ⋯クート、結婚しよう。もぐもぐ」
「食べるか求婚するかどっちかにしろよ?」
「がるるるるー!」
「コラ、リコ。そんなんじゃ良いお嫁さんに成れないよ!」
レンダには酒も買って来た。
「なんか悪いねぇ、クー坊」
「気にしないで下さい」
宿代以上のお金は受け取ってくれないので、最近は物にしている。レンダは酒豪とまではいかないが酒好きらしく、クートが偶に酒を買って帰ると嬉しそうに晩酌をしている。
「ささっ!女将さんどうぞどうぞ!」
「おや悪いねぇレナちゃん」
クートが用意した料理の半分はレナが食べた。食べたら満足したのか、レンダのお酌を始めるレナである。
「いやぁ、クートのお嫁さんとして当然です」
「うん、良い子だねアンタ。クー坊を宜しく頼むよ⋯」
「あーお母さん!お酒で裏切らないでー!」
お腹がいっぱいになってうつらうつらしていたリコが、母親の突然の裏切りに悲鳴を上げている。暫く賑やかに騒いでいたが、レンダもリコも眠ってしまった。クートは母娘を二人の寝室に運んでやり、朝餉の仕込みを済ませておく。
宿の客の朝御飯はクートが出しておけば良いだろう。偶にはグッスリ眠って欲しい。全部終わらせて自室へ戻ると、レナが当然の様に待っていた。裸で。
「何してんだよ?」
「ナニをしに来たんだよー」
もう遅いからとレナも宿屋に泊まる事にはなっていた。空き部屋を一つクートが借りてやった筈なのに。
「ほら、避妊薬効果有るか確かめないと」
「此の宿、壁薄いから、静かにしろよ?後俺朝御飯作るから、夜通しは無しな」
レナとは一回戦だけして其の後は眠った。レナの大きな胸に抱かれて眠るとグッスリ眠れる。
「しまった。やっちまった!」
日が高くなってから目覚めたレンダが慌てて厨房へ向かう。
「レンダさん、お早う」
「クー坊⋯アンタ⋯」
厨房ではクートが下げた皿等を洗っていた。食堂の方ではレナが片付けを行っている。どうやら二人で宿の客の相手をしてくれたらしい。
「夕飯の仕込みもやっておくからさ。今日はゆっくりしててよ」
「クー兄?お母さん?」
目を擦りながらリコも起きて来た。母娘二人で昼まで寝てるなんて大失態である。
(⋯リコをお腹いっぱいにして、あたしには上等な酒か。やられたねコリャ)
どうやら此処までがクートの計画通りらしい。溜め息混じりにクートの強引な厚意に甘える事にする。
レンダの宿は宿泊客に朝と夕に飯を出す。クートに手伝いをさせる事は有ったが、完全に丸投げしてしまったのは初めてだ。
「ほら、リコおやつだよ」
「わーい!クー兄大好きー!」
「レンダさん、おつまみ此れで良い?好きだよね?」
クートは昨夜出してくれて物より軽めのお酒と、レンダの好きなおつまみを用意してくれていた。至れり尽くせりとは正に此の事である。そんな孝行息子の様なクートの振る舞いにレンダはホロリと⋯しなかった。
「クー坊、結婚して」
「え?」
「お母さん!?」
レンダに真顔で言われ固まるクート。女の顔をした母親を見て絶叫するリコ。レンダも未だ女だ。再婚相手を消極的ながら探してもいた。
「リコ、アンタ新しいお父さん欲しくない?」
「お母さん駄目だよっ!クー兄を盗らないでっ!」
おやつを食べながら泣き出すリコと、つまみを突付きながら酒を呷るレンダの母娘。
「うん、二人共疲れてるのかな。今日はゆっくりしてね」
「アンタそれマジ?天然?わざと?」
母娘の遣り取りを微笑ましく見守っていると、半眼のレナが背中から抱き着いて来た。
「俺はレナもリコもレンダさんも好きだよ?」
「それ嘘じゃないっぽいのがなぁ〜」
「でも、そうだな⋯」
レナはおっぱいを押し付けてクートを挑発する。しかしクートの心は冷静だ。女は好きだ。子供が出来たら責任?取る為に結婚しても良い。子供が出来たら稼がなければいけない。冒険者が稼ぐなら潜るしかない。戦うしかない。殺すしかない。
「俺は只、冒険がしたいだけさ」
日常の中に身を置くと良く解る。クートの心は探索と冒険と、殺し合いを求めている。命の遣り取りの中でこそ、命は輝くのだから。
(*´∀`*)次回合法アラサーロリ魔女っ娘登場。
たぶん?たぶんね




