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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第28話

(*´ω`*)おぱようございみゃす!

「起きたっ!」

「⋯うん、凄いな。お早うレナ」

「おはようクート!」


 クートがレナに声を掛けようと近付いたら目を覚ました。本当に勘が鋭い。野生の獣みたいな女だ。懐中時計等は高級品なので持っていない。時間感覚は適当だ。多分四時間は寝てただろう。クートもそのぐらいは寝れる筈だ。


「私、冒険者辞めて傭兵になろっかな〜」

(なんでそう流し目で言って来る?俺が引き留めるとでも思ってるのか?出会って初日だぞ?いやもう二日目か?⋯)


 クートが横になりレナが火の番を始める。するとそんな事を言い始めた。当然の様にシカトしようとするが、スルリと言葉が出てしまう。


「レナは人間相手の殺し合いがしたいの?」


 冒険者ギルドは基本的に対人間のクエストは余り出さない。偶に山賊や犯罪者の賞金首の情報も出るが、大抵は傭兵ギルドの傭兵が片付ける。逆に傭兵ギルドはモンスター討伐依頼は余り受けない。


(犯罪者、賞金首とは云え人間の首を切り取って持ち帰れる精神性が有るかどうか、それが傭兵の資質)


 クエストを出すかどうかは依頼人の判断に依る。人間相手の戦争、討伐等の依頼は傭兵ギルドに。モンスター討伐や素材採取の依頼は冒険者ギルドへ。そんな風な棲み分けが長い歴史の中で出来上がっていた。


(逆に冒険者に成るには傭兵とは違う資質が要る。モンスターを倒す時に魔石以外にも素材を綺麗に確保しないといけない。その熟練の業がなければ一流とは云えない。其れに人間より遥かに強大なモンスターを連携を取って仕留めないといけない)


 何方が優れているかの問題ではない。其れに冒険者にしろ傭兵にしろ、共にSクラスと呼ばれる存在は単騎でドラゴンを仕留めたり、何百もの敵兵を一撃で鏖殺すると云う。どっちを選ぼうとも強い奴は最強へ至るのだ。


「人と殺し合いかぁ⋯端的に言うとそうなるのかな?」

「狂ってんね」


 クートは人間を殺そうとは思わない。何故なら冒険者の仕事ではないからだ。それに一人殺してお終いにはならないだろう。人間を殺せば遺恨が残る。例えば実家を飛び出した身であるクートだが、故郷の家族が殺されれば犯人を探し出して殺すだろう。そんな風に連鎖的に恨みを買う事になる。どちらが正義か悪等関係無い。


(血で血を洗う闘争かぁ⋯)


 傭兵となって人間同士の殺し合いをする毎日を思い浮かべてみる。傭兵ギルドの仕事はグレーなものも多いと聞く。何方が悪いとも言えない戦争に参加して人間を殺す。冤罪かも知れない犯罪者を殺す。そしてモンスターと違い、戦争相手や犯罪者にも愛する家族や友達が勿論居る。もしかしたらその者達から報復が有るかも知れない。その点モンスターは良い。遺恨無く殺せる。皆殺しに出来る。


「ソロで百体以上のモンスターを狩ってる新人に言われてもねぇ」

「ゴブリンやオークを幾ら狩っても自慢にならないでしょ」

 

 人間を殺しても自慢にはならないだろうが。


「クートの其れは謙虚なのか嫌味なのか。素で言ってそうだよね」

「此の話もう良いか?もう寝るぞ。お休み」

「ちぇ〜解ったよ。おやすみ〜」


 クートはレナを無視して眠る事にした。レナ程ぐっすりは眠れなかったが一応睡眠は取れた。四時間程だろうか。


「おはようクート!良い朝だよ!朝の運動に模擬戦しよう!」

「しねぇよ」


 朝方、日の光で目覚めた時にも変わらず模擬戦を強請って来るレナ。目が少ししょぼつく。半眼で睨んでやるがレナは笑顔だ。太陽の光を浴びる彼女の笑顔は魅力的で、中身を知らなければ惚れていたかも知れない。


「朝っぱらから物騒だなぁ、全く。傭兵ギルドに籍を置いて兼業でもなんでもしてくれ。規則違反じゃない筈だから」

「そうなの?」

「其処で好きなだけ殺し合いしろよ」

「別に殺し合いしたい訳じゃないよ。クートと戦いたいだけ」

「迷惑だ」


 笑顔で殺気を放ってくるレナ。傭兵転向の話も聞いた上で、益々戦う気は起きない。


「クートも傭兵になろ?傭兵なら何時でも戦えるしさ」


 そんな筈は無い。傭兵同士の殺し合いは御法度だ。只血気盛んな荒くれ者も多いので、喧嘩や私闘への処罰は冒険者ギルドよりかは緩い。


「もぐもぐ、クートの御飯美味いよねぇ〜結婚しよ?」

「黙って食え」


 昨晩の残りを温め直したシチューを食べる二人。硬めのパンを浸してガツガツ食べるレナ。体格に見合った食べっぷりである。思わず見惚れる。此の点は高評価だ。クートの劣等感の元凶、其れでも縋るしかない己の唯一の武器、スキル食材鑑定。其れが誰かの役に立って、誰かを笑顔にしてる事に絶望と救いを得る。


(⋯俺も甘いな⋯)

「はぁ⋯もぉ仕方無い。解った。してやるよ」

「え?良いの?結婚する?子供何人欲しい?」


 パッと顔を輝かすレナ。


「そっちじゃねぇ」


 槍術スキルなんて花形戦闘職の女と結婚したら一生劣等感に苛まれるだろう。絶対に無い。


「模擬戦だよ。してやるよ、一回だけな」

(*´ω`*)お読み頂き有り難う御座いみゃす!

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