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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第21話

(*´ω`*)アラサー女子が主人公を取り合う地獄絵図に⋯。現代だったらアウトなのは女子側ですね。クート中学生ぐらいっスから。

「カヤル、報告書よ」

「ちょ、ハーニャ⋯後にして欲しかったんだけど⋯」

「悪いわね。急いでるの」


 指名クエストから無事?帰還したハーニャが冒険者ギルドのカウンターでカヤルに詳細を記した書類を渡す。其処にはクートが倒したサハギンの討伐方法が書いてある。

 カヤルはその書類をサッと見て直ぐに隠した。一応経費で強引に通したが、ほぼ私情のプライベートな依頼だったからだ。出来たらカフェとかでコッソリ渡して欲しかった。後で休憩時間にじっくり読むとして、一応概要は読み込めた。


(やっぱりちょっと⋯どころじゃないわね。鋼の糸?を使って、自分を囮にしてサハギンを釣るとか⋯普通じゃない。おかしいし、危険だわ。でもなんだろう?何だか違和感が⋯)


 鋼の糸と云うのが良く解らない。それとは別に疑問点が有る。何時ものクートは殺れそうな相手は限界まで殺る。だのに討伐数はたったの五だった。もっと狩れそうな筈であるが。水中戦に拘って数を仕留められなかったのか。危険な狩り方だから早めに撤退したのだろうか?


(その割には一晩水場で過ごしてるし。クエスト行程に少し違和感が残るわね⋯)


 ちなみに追加討伐した二体は、ハーニャと二人で体を洗いっこしてる時に襲って来た奴等である。鋼糸で罠を張り、絡まってバタついたサハギンをナイフでグサリだ。鋼糸の罠でサハギンを仕留めるクートにハーニャは戦慄したものだ。その手際の良さと云うよりも、淡々と作業的に命を狩る姿勢にだ。


「ねぇハーニャ?」

「何カヤル?」

「どうしてそんな格好をしているの?」


 何だかソワソワしてる友人に訊ねる。視線も合わさず顔も此方に向けて来ない。

 

「ゴホゴホ⋯ちょっと風邪引いちゃって。何時も薄着だしさ。ああ寒い寒い」

「アンタ寒い方の出だから暑がりじゃない」


 カヤルは普段のチューブトップとホットパンツの上から長いコートを羽織っていた。首元までしっかりボタンを閉めており、素肌が少しも見えない。


「じゃぁ私はこれで⋯」

「ちょっと、報酬は?」

「振り込みで良いから」

「なんか変よ貴女―――」


 カヤルがハーニャを引き留めている最中だった。


「あ、ハーニャ。まだ此処に居たんだ」

「あ、ば、ばかっ!まだ早いって!待っててって言ったでしょっ!?」

「⋯⋯⋯ハーニャ?」


 冒険者ギルドにクートが入って来た。打ち合わせと違う。気不味いから時間差で来てねと言い含めておいた筈だった。一緒に帰るとクエストを二人でしたと勘違いされるから別々に行きましょうとか、適当に言い包めておいたのに。


「あ、カヤルさん。此れサハギンの魔石です。宜しくお願いします」

「⋯クート君?ハーニャと知り合いなの?」

「ええ、一晩過ごしました」

「ちょぉぉぉっ!?そ、そうなのっ!お腹空いちゃって!お魚分けて貰って!ね!」


 ハーニャが慌てる。汗もダラダラ流れる。あの謎の存在に背後を取られた時並に焦る。クートと知り合ってるのをカヤルに知られるのは非常に不味い。だがまだ間に合う。一晩過ごしたと云っても⋯過ごしただけと言い張れる。例え男女ペアの冒険者でも、必ず恋人や夫婦とは限らない。交代しながら火の番をしていたとか言い訳ならいくらでも言えるのだ。


「ごめん。体は大丈夫」


 クートがカヤルのコート姿に気付く。町に戻って別行動になった時にハーニャが買った物だ。皮肉にもその買い物の時間が、折角の時間差の分を帳消しにしてしまっていた。先輩の云う事をキチンと聞けるクートは、ちゃんと時間をズラしていた。もう終わったかな?と判断して来てしまった。自分が戻るまで待っててねと念押ししてなかったハーニャの落ち度である。


「ハーニャ⋯」

「あわわ、待って、ちょっと待って―――」


 クートがハーニャを抱き寄せる。背丈はまだハーニャのが高いが、グイッと年下の男の子に強引に引き寄せられてドキリとする。ドキリとかしてる場合ではないのだが。


「そのコート⋯やっぱり隠してるんだね。痕遺りそう?まだ痛い?強めにたくさん噛んじゃったもんね。ごめんよ」


 クートが優しくハーニャの体を労る。女への愛情は無いが、抱いてる時は執着する。自分の女だと証を付けたくなる。噛み付き歯型を遺し傷痕から滴る血を舐め、そのまま行為する。クートにはそんな悪癖が出来始めていた。

 踊り子シャロンの素肌には遠慮して噛み付けなかった。ルカは肉が少なく噛み応えが無い。その点ハーニャの体は良かった。筋肉質だがそれはあくまでインナーマッスル。女性らしい脂肪も有り、ちゃんと体調管理もしているので肌の張りも良い。

 流石はスキル体術持ち、抱き心地は抜群だ。好きなだけ噛んで存分に味わえた。クートはハーニャの事を良く知らない。好きでも愛してもいない。だが、ハーニャの体は気に入ってしまっていた。


(衝動が強くなったらまた抱こう)


 周囲の女性達がクートの心や体を心配してる中、クートは女を体目当てで選んでいた。性的欲求ですらない。強い殺害衝動を抑える為の代替行為としてでしかない。ルカやシャロンではいずれ痛め付けながらシてしまいそうだが、ハーニャなら普通に抱くだけで大分具合が良い。良い女だと思う。


(ハーニャ可愛いし、他の男の物になるの嫌だな)


 顔で女を選ぶのも失礼な話だが、先ず体から入ったクートは今更ながらハーニャの顔をマジマジと見る。自分よりも上背が有る逞しい体。その上のハーニャの顔は、動揺し顔を赤らめ不安そうにクートを見つめて来ていた。


「可愛いよ、ハーニャ」


 そんなハーニャのコートを容赦無く剥ぎ取るクート。


「な、何す⋯はわー!?」

「ハーニャはもう俺のだから」

「くぁっ!?」

「おおう⋯」


 カヤルや他の冒険者達の目の前に晒されるハーニャの体。思わず変な声を出すカヤル。ドン引きする同業者達。しかしそれも無理は無い。ハーニャの胸や股間はチューブトップやホットパンツで隠れているが、胸元や首筋や背中、お腹や太腿に歯型が見える。一個や二個じゃない。


(此れで良いか)


 ハーニャがクートとの関係を隠そうとするのも気に入らなかった。此れで此の女が誰の物か皆解った筈だから。


「クート⋯君?ハーニャ?」


 カヤルは呆然として二人を見つめる。


(⋯ハーニャは良かったな。うん。やっぱ手放せない)


 改めて見ても良い女だ。自分の歯型でマーキングされてる姿が尚良い。

 ルカ、シャロンと続いて三人目の女ハーニャ。冒険者でありスキル体術持ちだったからか抱き心地は良し。全力で抱いても最後まで気を失わなかった。しかもお互い媚薬効果に依るステータス異常状態だったのだ。ルカやシャロンだったら速攻で気を失っていただろう。クートも欲求不満になってしまった筈だ。サハギンを余り狩れなかったが、今回のクエストは非常に満足に行くものだった。


(此れで衝動を抑え込めるな)


 唯一の懸念としては⋯⋯⋯


「後本当ごめん。避妊全然しなかったよね。何回シたか覚えてないし」


 飲ませたり胸に掛けたりもしたが、大体ほとんど中に出した。


「お医者さんの所に行こうか。妊娠してたら大変だし」

「あわわわわわ」


 要所要所でクートの生真面目さが出るのが尚質が悪い。遊び人に依る都合の良い女扱いなら、子供が出来たら捨てている。


「もし出来てたら⋯うーん、結婚?なのかな?」

(子供が出来たら俺から離れないでしょ。けど妊娠してたらクエスト出来ないか⋯)

「けけけけけけこーーーー!?」


 近所でも評判と自負する美人受付嬢が奇声を発する。


「けっこん」


 クートに手を握られ引っ張られるハーニャ。もうされるがままだ。


「うん、嫌?」

「いやじゃない」


 ハーニャにとっては急転直下過ぎる。

 冒険者としてやって行くには殺害衝動を抑え込む必要が出て来る。定期的に女を抱かないといけない。確保するなら結婚も有りだろう。ハーニャならクエストにも連れて行ける。


「あ、俺も振り込みでお願いしますね。ハーニャと行く所有るので」


 そう言って何時も通りの人懐っこい笑顔でニコッと笑うクート。そうして二人でギルドを出て行ってしまった。


「病院行くのか」

「教会じゃないか?」

「籍入れるなら何処だっけ?」

「町役場か?」

「⋯責任かぁ、私も取って欲しいなぁ。チラッ」

「待て、俺には妻も子供も―――それに割り切った関係だろう?俺達」


 野次馬達がザワザワしだす。


「あの、カヤル、大丈夫?」


 同僚の受付嬢がカヤルの肩を触る。すると小刻みに震えているのが解った。そしてカヤルは無言のまま、目を開いたまま倒れた。余りの事に意識を手放したらしい。

 想い人と親友の二人を失った。

 親友に男を寝盗られた。

 しかもその機会を作ったのはカヤル自身なのだ。


「ちょ、カヤルっ!?」

「誰かぁっ!?何方か治癒魔法使いの方は居ませんかぁっ!?」


 カヤルの精神的耐久力はもうゼロだった。

(*´ω`*)クートは子供が出来たら結婚は、してくれると思います。ただ冒険者は辞めないでしょうね。冒険者の離婚率⋯たかいたかーいです。

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