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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第15話

(*´ω`*)おぱようございみゃす!

「宜しくお願いします」


 冒険者ギルドのカウンターにじゃらりとオークの魔石を置くクート。その数なんと二十三個。


「あ、ありがとぉ、ございます⋯か、確認します、ね?」


 震える手で報酬を渡すカヤル。クートとは十日ぶりぐらいに顔を合わせた。

 久しぶりに会ったらどんな風に話そうかとか、ルカとの関係をどう訊こうかとか、ずっと休んでて心配掛けちゃったかなとか、一週間も戻らなくて心配したぞとか、そんな全てが吹き飛んだ。


「こんな数⋯どうやって⋯」


 カヤルがオークの魔石を見て言葉を失う。クートは一週間戻らなかった。

 カヤルも一週間休んでいたので復帰してから三日、体感十日程会っていなかった。クートはオーク討伐依頼を受けてから丸一週間ぶりの帰還である。

 その間ルカもクートを探しに来たり、見慣れぬ小さな女の子⋯クートが泊まる宿屋の看板娘リコもクートの行方を訊ねに来たりした。

 五体満足。少し窶れているが怪我も無い無事の帰還。喜ぶべき所なのだろう。それでも無茶をするなと叱るべき所なのだろう。

 しかしそれ以上に衝撃が大きい。

 ベテラン冒険者ならオークの魔石二十個等半日で十分稼げる。しかしクートはFランクに上がったばかりの新人だ。


(早い―――すぐにEランクに上がっちゃう)


 ゴブリンもすでに五十体以上仕留めている。此れは新人冒険者でも特に問題無い数ではある。

 問題は⋯


「ちゃんと一匹ずつ狩りましたよ?危険な事はしてませんから」

(一応一匹ずつだよね)


 クートがソロで活動している事だ。

 Fランク、それもソロでこの討伐数はおかしい。まともな方法ではないだろう。

 かなり危険な戦い方をしてる筈である。


「ク、クート君っ!?ちょっと待って―――」


 カヤルがクートを引き留める。


「じゃぁこれで。すみません、疲れてるので⋯」


 嘘だった。まだ戦える。しかしクートは冒険者ギルドを出た。


「⋯⋯⋯昂りが抑えられない」


 宿屋に戻ってもとても寝れそうにない。今のクートは血に酔っていた。

 一週間ずっとオークを殺す事だけを考え続け、それを実行し続けていた。

 最後まで問題無く殺せてた。一匹ずつニ十匹仕留めた後、試しに三匹で居るオークを襲った。感覚が研ぎ澄まされたクートは難無くその三匹も殺せた。

 だが流石にパフォーマンスが落ち始めた自覚は合ったので、疲労の限界に達する前に帰還したのだ。だから心はまだあの草原に、戦場に置いて来たままだ。


「酒」

 

 クートはボウッとしながら繁華街へと向かう。

 大人は皆酒を美味そうに飲む。しかし成人したばかりで体がまだ出来上がっていないクートはアルコール耐性が無い。それに味が好きになれない。酸っぱかったり苦かったりする。

 自然界では酸っぱいのは腐ってる証、苦いのは毒の証だ。

 勿論それが全て合ってる訳ではない。薬草は苦いが効能も有る。酸っぱくても美味しい物も有る。


「酒じゃないな。じゃぁ食べ物かな」


 確かに此処一週間、野草や果物等で食事を賄っていた。罠猟をする余裕も無かったので肉が食べたいと云えば食べたい。まともな食事は一週間ぶりだ。

 しかしそれ以上に⋯


「殺したい」


 その衝動を抑え切れない。


「ちょっと!離してってばっ!」

「良いだろ別に。ちょっと楽しもうってだけさ」

「私は娼婦じゃないんだよっ!シたきゃそう云う所に行きなっ!」


 路地裏で何か揉めている。若い女に男数人が絡んでいた。どちらが悪いかとかは解らない。衛兵を呼んだ方が良いだろう。


「やった」


 クートの心が躍る。戦える。殺せる。


「あはっ」


 女の手を握る男の腕を捕まえ、顎に向けて拳を当てる。膝から崩れ落ちた男の後頭部に肘を落とす。


「んだテメ―――」


 掴み掛かって来た別の男の金的に膝を当て、鳩尾に中指を立てた拳を突き刺す。呆然としているもう一人の男の目に向けて平手打ち。


「ぎゃっ!?」


 更に耳にも平手打ち。此れで目と耳を奪った。後は眼球を抉るか、舌を突き出させた状態で顎を踏み抜くか―――


「もういいっ!もういいって!死んじゃうよっ!」


 女に邪魔をされた。


(弱い)


 急に冷めた。全然飢えが満たされない。


「早くっ!こっちへっ!」


 女がクートの腕を取って走る。そのまま入り組んだ路地を進み、繁華街内の集合住宅へ。女の自宅だ。


「暫く此処に居な」


 女はクートを部屋に上げると座らせる。女の一人暮らし、狭い部屋に洗濯物が吊るして有る。


「私はシャロン。一応礼を言っておくよ。助けてくれて有り難う」

「俺はクート。冒険者だ」

「冒険者⋯どうりで強い訳だ」


 普段モンスターを相手にする冒険者なら町のチンピラ等敵ではないのだろう。

 シャロンが外套を脱ぐと、その下からは下着の様な扇情的な衣装が現れる。良く見れば化粧も濃い。匂いもキツイ。香水だろう。


「踊り子なの。娼婦じゃないっての」


 シャロンは思い出したのか吐き捨てる様に言う。


「有り難う。スッキリしたよ。遣り過ぎな気はするけどね」

「手加減はしたよ」

「本当かい?」

「うん」


 ナイフも手斧も使っていない。十分手加減はした。心のままに暴力に酔い痴れたものの、一応ブレーキは掛けていた。しかしそれは殺人はしてはいけないと云う倫理的な物ではない。雑魚に全力は出さなくても大丈夫だろうと力を温存したに過ぎなかった。


「飲むかい?」

「要らない」


 シャロンに酒を勧められるがクートは断る。此処に居ても殺せない。


「帰る」

「だから待ちなってば」


 シャロンに絡んで来たのはチンピラだったが、仲間がクートを探してるかも知れない。


「あっ⋯」


 よろけたシャロンがクートの胸に倒れ込む。まだ女の子の様な顔立ちのクートの体の逞しくさにドキリとする。


「⋯⋯⋯」

「⋯ん⋯」


 暫く見つめ合う二人。


「んっ!?」


 徐ろにクートがシャロンの唇を奪う。シャロンは一瞬ビクリと体を震わせるが、手をクートの背中に回す。


「ごめん」

「⋯いいよ。ちょっと好みだし」


 もっと男らしい男が好みではあったが、中性的な顔立ちと逞しい胸板のギャップにやられた。

 此れはもうそう云う流れだ。


「ちょっと待って」


 完全ではないが、一応避妊薬だけは飲んでおく。


「いいよ。おいで」

「うん」


 その後一晩中クートはシャロンの体を貪り、昂ぶった物を全て吐き出したのだった。

(*´ω`*)お読み頂き有り難う御座いみゃす!

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