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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第12話

(*´ω`*)カヤル視点だとNTRですね。前カレも他の女に寝盗られたし。そう云う星の下に生まれた女なのでしょう。

「じゃぁ一緒に居た子達は」

「そ。薬草採取を手伝わせてたんだ」 

 

 孤児院の皆で薬草を集め、それをルカ名義で提出していた様だ。


「それって有りなの?」

「さぁ?グレーな気はするけど⋯」


 一応グレーではない。クエストを引き受けた冒険者が外注してクエストをクリアする事も有る。只薬草採取ぐらいなら問題無いが、ネームドモンスターやユニークモンスターを討伐した場合、クエスト受注者の名前は当然残るが、貢献度の高い者も名を遺す。

 正式な手続きに依る外注は、部外者の名前も書類に記さねばならないからだ。


「チビ達にも顔を見せなきゃ。皆心配してる筈だし⋯」

「そうだね。早くギルドに行こう」


 もう冒険者ギルドの受付窓口は開いている時間である。


「クート君っ!無事だったのねっ!?」

「遅くなりました」


 カウンターから身を乗り出し⋯飛び越えて来そうな勢いでカヤルが叫ぶ。

 その面相は喜色に満ちていたが⋯クートが手を握るルカの存在を目の当たりにして硬直する。


「クート⋯君?」


 彼女の事は知っている。先日強制的にFランクに昇格してしまい戸惑っていた新人冒険者である。カヤルの担当ではなかったが話には聞いていた。彼女も昨夜戻って来なくて心配されていたのだが。


「え?あれ?どうし⋯」

 

 カヤルの脳が現実を拒絶する。行方不明になっていた二人が揃って生還した。それはとても喜ばしい。喜ばしい事なのだが―――


「ク、クート君?くくくく、首筋⋯」


 信じ難い物を発見してしまった。クートの首筋に有る歯型とキスマークを―――


「あ、え〜と、虫刺されで⋯」

 

 キスマークは兎も角歯型は無理が有る。

 クートが手を握るルカが顔を赤くして目を伏せたのも見逃せない。

 それにカヤルは女性だから解る。ルカはちょっと歩き難そうにしている。足を捻ったとかではない。些細な違和感。


「あ、此れゴブリンの魔石です。一つだけですけど」

「―――――⋯は⋯――――⋯い⋯―」

「あの、カヤルさん?」


 その後カヤルはなんとかゴブリンの魔石を受け取り報酬を手渡した。訊きたい事が山程有ったが訊けなかった。と云うか何を話したか覚えていない。

 覚えているのは、クートを熱い眼差しで見つめるルカと、そのルカに優しげな視線を向けるクート。仲良くずっと手を繋いだままの二人。買ったばかりのクートの外套を着ているルカ。


「同期の女の子と朝帰りかぁ」


 支部長の呟きで我に返る。クートもルカもとっくに居なくなっていた。


「アレはヤってんなぁ」

「ヤるじゃねぇかあのガキ。見直したぜぇ」

「御愁傷様です。ぶはっ!」


 常連の冒険者達が野次を飛ぼす。カヤルがあのクートにご執心なのは有名だったからだ。


「黙れやっ!ゴラァッ!」  


 そんな無責任に囃し立てる連中に、ドスの利いた声で叫ぶカヤルなのであった。


「悪いよ」

「そんな格好で家に帰せないよ」


 ギルドで換金したゴブリンの魔石一個分の報酬なら、ルカの衣服ぐらいなら新調出来る。中古の古着になるが。


「うぅ⋯スースーする」

「似合ってるよ」


 可愛らしいワンピースを着せられ、ルカが落ち着かなげにしている。


「ルカっ!」

「ルカ姉っ!」

「皆っ!遅くなって御免っ!」


 スラムの孤児院に到着すると、子供達がルカに群がる。ルカも泣きながら皆と抱き合っている。それを微笑ましく見守っていると、大人の女性が話し掛けて来た。


「ルカを助けて頂き有り難う御座います」

「いえ」


 状況を察してるのだろう。聡明そうな五十ぐらいの女性だ。ルカの云う母さんだろう。


(いや、もっと若いな。病気か?)


 老けて見えるが実年齢はレンダと同じぐらいだろうか。


「クートっ!有り難うっ!」

「お兄ちゃんっ!ありがとーっ!」


 是非にお礼をと言われたが、自分にも待っている人が居ると伝えて丁重に辞退した。

 そうして宿屋に向かって歩いていると⋯⋯⋯


「うわぁっ!?」


 突然上空から金色の塊が降って来た。


「ふんふんふんふんっ!」


 胸にグイグイと顔を押し付けられる。


「ああああれっ!?師匠っ!?」


 金色のフサフサの耳と金色のフサフサの尻尾を持つ小柄な幼女がクートに跨り、首元に鼻先を近付け匂いを嗅いでいる。否、それだけでは済まなかった。


「かぷっ!」

「ぎゃあああああっ!?」


 噛み付かれた。ジタバタ藻掻くが万力の様な膂力から抜け出せない。先程のスラム街の孤児達と同じぐらいの細腕でどうやって此れ程のパワーを発揮しているのか謎である。


「痛いっ!?痛いですよっ!師匠っ!」


 血が出てるのが解る。


「ぢゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」

「ぐええええ〜⋯」


 更には血も吸われている。


(う、嘘だろ?俺これで死ぬの?)

「だ、誰か、助け⋯」


 クートが周囲に助けを求めるが誰も反応しない。と云うか誰も居ない。人通りの少ない道とは云え通行人ゼロはおかしい。


「ペロペロペロペロ⋯」

「あ、う⋯」


 最早抵抗する気力も体力も尽き果てされるがままになるクート。師匠は丹念に舌で傷口を舐めまくる。その内に出血も止まっていた。歯形は遺っていたが。


「んんんっ!?」


 そして師匠がキスをして来た。柔らかい唇と蠢く舌がクートの唇を蹂躙する。


「ん〜〜〜!?」


 と云うか舌に噛み付かれた。八重歯でギリギリと舌を引っ張られる。


(あ⋯舌引っこ抜かれる⋯死ぬ⋯やっぱ俺死ぬかも⋯)


 もう半分諦め掛けた所で不意に解放される。


「ふんっ!今日はこのぐらいで勘弁してやるわ。小僧」


 唇をグイッと拭うとフサフサ尻尾をフリフリし、フサフサ耳をピコピコ動かしながら金色獣幼女が歩み去って行く。


「なにいまの⋯?」


 師匠には会いたかった。もう二度と会えない気もして寂しかった。また会えたのは嬉しい。しかしなんか違う。

 思ってたのと違う。


「た、ただいま⋯」


 クートはなんとか立ち上がり、ヨロヨロしながら宿屋に辿り着いた。


「クー兄っ!」

「無事⋯だったんだ、ね?」


 リコは弾丸の様にクートの腹に突撃して来る。酒場のカウンターの奥からレンダも顔を出す。


「そんなに手強いモンスターだったのかい?」


 満身創痍で疲労困憊したクートを見てレンダが訊ねて来る。


「⋯いえ、先程通り魔?⋯通り狐?に、襲われまして⋯」

「狐?」


 リコとレンダが狐に摘まれた様な顔をして小首を傾げる。その仕草が似ていて、やはり母娘なんだなぁと感想を抱くクートであった。

(´ε` )師匠は暫く出て来ない予定だったんですが、愛弟子に女の匂いがしたのでマーキングし直しに来ました。往来でなければ最後までシてたと思う。

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