第11話
(*´∀`*)エロくない様に濡れ場を書くの大変ですね。書き過ぎたら消して消して〜消して〜♪
「痛っ―――」
「ルカ?」
「んっ⋯へ、平気⋯」
掌を合わせ指を絡める。初めて同士なので手探りである。
「んぎっ⋯」
「ルカ⋯くっ」
ルカが涙を流しながら首筋に噛み付いて来た。背中に回された指も背中を引っ掻いて来る。
「うああっ!?」
ルカの喘ぎ声は雨音に掻き消される。ルカと身体を重ねる内に、徐々にクートの劣等感や優越感は消えていった。抱いてみれば情が湧くものだ。
戦闘職でない自分への劣等感。ゴブリンにすら敗ける戦闘職持ちへの優越感。そう云った雑念が消え去り、いつの間にか夢中でルカの肉体を貪っていた。
「⋯⋯⋯俺最低かも」
そうして一夜が明けた。クートは一睡もしていない。一応ゴブリンから襲撃されるかと警戒していたが何事も無かった。ルカを襲っていた個体が珍しかっただけの様だ。
雨脚は弱まっている。ナイフを握りながらルカの背中を撫でる。
「すぅ⋯すぅ⋯」
ルカはクートにぴったりくっ付いて眠っている。と云うか一部は繋がったままだ。
ルカは本来なら冒険者ギルドのメンタルケア担当に引き渡すべきだったのだろう。いくらルカから求めて来たとは云え、弱ってる彼女に付け込んだ様な形だ。
それに何より、クートはルカを性的欲求で抱いた訳ではない。自分より優れている筈の戦闘職持ちのルカが、雑魚モンスターのゴブリンに襲われてる所を自分が助けた。そんな戦闘職持ちより自分のが優れている。勝っている。俺のが強い。
そんな劣等感と優越感からルカを抱いたのだ。罪悪感に苛まれるクート。まだ性欲処理だった方が健全な気さえする。
「クート」
「ルカ」
何時の間にか起きていたルカが見つめて来る。衛生環境も悪く栄養も足りていないルカだが、素材は悪くない。顔も可愛い。きっと美人に育つだろう。
「ごめん⋯なんか、ごめん⋯」
ルカが謝る。ルカはルカで、クートがお情けで自分を慰めてくれたと思っていた。未遂とは云えゴブリンに犯されかけたのだ。あの体臭と醜い顔がフラッシュバックする。こんな自分は汚れていると思い込む。
「そんな事は無いよ。ルカは綺麗だよ」
罪悪感でズキリと心が痛むがそれはそれ。今のも本心だ。ルカは可愛いし綺麗だと思う。胸は余り無かったし肋は浮いてたが、それは仕方無いだろう。
(いや、意外に有った方かな?)
胸板に感じる柔らかな膨らみが、どんなに男勝りでもルカが女の子だと伝えて来る。
「クートっ!」
「ルカ⋯」
ルカがクートの唇を塞ぐ。凄く落ち着く。安心する。きっと大人の男では無理だったろう。こう云うと本人は気にするだろうから言わないが⋯実は最初クートを女の子だと思ったのだ。だから声を掛けて男の子だと知って驚いた。
中性的な顔立ちに成長途上の筋肉の少ない体付き。だからこそ安心して身を任せられた。
それでもやはり肌を合わせれば筋肉と骨格は男の子だと解る。複雑だがそこに安心感も抱く。
ルカとしてはクートを利用してる様にしか思えず、罪悪感を拭えずにいた。
「ごめん⋯クート、ありがとぉ⋯あたし⋯あたし⋯」
「こっちこそごめん⋯」
泣き出したルカを再びクートが慰める。
傷を舐め合う様に求め合う度に、お互いに罪悪感に苛まれる。
愛等無い。想いも無い。それでも二人は身体を重ね続けた。
「そろそろ行こうか」
「うん⋯」
雨上がりの森の中を二人、手を繋いで歩く。
ルカの衣服はボロボロなのでクートの外套を借りていた。
「⋯歯型、付いちゃったな」
ルカは自分が付けた痕をクートの首元に見つけてジッと見つめる。
「キスの痕もね」
反対側にはキスマークも有る。外套を脱いでいるので丸分かりだ。森の中に居たので虫刺されで通せない事も⋯無い事も、無⋯⋯⋯いや、無理だろう。
「もぉ、馬鹿」
「お返しはしてあるから」
「え?」
「歯型付けちゃった。キスマークもね」
そう言ってルカの胸の辺りを指し示す。夢中になってる時に付けてしまっていた。やはり男はおっぱいに弱いのだ。
「こっ⋯スケベっ!」
「あはは」
ルカが拳を振るうがクートには当たらない。怒ってはいるが笑ってもいた。
漸く普段のルカに戻った様だ。
「あたし、真面目に弓術の訓練受けてみるよ」
「そうか」
此の町の冒険者ギルドには併設された訓練場は無いが、頼めば無料で訓練を受けられる。引退したベテラン冒険者が小遣い稼ぎで指南してくれる。彼等への給料はギルド持ちである。
「でもどうやってお金稼ごうかな」
時間と体力を訓練に使う分仕事が出来ない。元々スラムの住人であるルカには碌な仕事は無いのだが。でなければわざわざ危険な冒険者等選ばない。
「此れ。少ないけど」
「え?」
クートは手持ちの所持金を全て渡す。勿論全財産ではないが、孤児院の子供達が数日、節約すれば一週間は食い繋ぐ事は出来るだろう。
「なんでさ?あたしに同情してんの?」
「違うよ」
劣等感と優越感を抱いた事への罪悪感⋯とは言えない。ので誤魔化す。
「抱いた女の為に少しくらい格好付けさせてよ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯馬鹿⋯」
ルカは真っ赤になって俯いてしまった。体で金銭を得た様な複雑な気分でも有るが、そう言われては引き下がるしかない。
「解った。必ず返す。冒険者としてクエストこなしてなっ!」
「ルカはしっかり訓練してからの方が良いよ」
「なんでだよ?」
「俺は戦闘職じゃない。でも生き物は殺せる」
「――――!?」
故郷では罠で捕らえた獲物にトドメを刺した。解体して血抜きもした。食べた肉は美味かった。ゴブリンも変わらない。直接肉は食べないが、回収した魔石は良い金になる。
肉も革鎧も外套も買えた。基本は変わらない。
「ルカは奪うのに慣れてない」
ルカの力は守る為の力だ。多分、孤児院の子供達がピンチだったら迷わず人間でも射殺せるだろう。
だがクートは違う。息を吐く様に他者を殺せる。生き物を殺せる。只々自分が生きる為に。自分が喰う為に他者を殺せる。
此れは覚悟の話ではない。本質的、先天的な物だと本能で理解していた。
皮肉なものである。非戦闘職であるクートは殺しに長け始めている。戦闘職であるルカは殺しに忌避感が有る。
ルカが敗けたのは経験不足ではない。基本的に殺しに向いていないからだろう。
「あたしだって!クートの役に立ちたいよっ!」
「解った解った。じゃぁ―――」
「んっ!?」
クートがルカの唇を奪う。
「何時かパーティーを組もう。俺の背後を守ってくれ」
「⋯ん、わかった⋯」
また赤くなってしまったルカの手を引いて町へ帰る。モンスター討伐クエストで日を跨いだのは初めてである。きっと心配しているだろう。
「カヤルさんに報告に行かなきゃ」
そうしてクートは、顔を真っ赤にしてクートの外套を着込んだルカと手を繋ぎながら、冒険者ギルドへと向かって行くのであった。
(´ε` )次回、カヤルさん脳破壊の巻!




