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作者: 秋葉竹


 


サザエさんの中にある

あるいはまる子ちゃんの中にでもいいのだが


スマホもPCも大型TVも無い時代

ほんとうは

もしかしたらエアコンさえ無かったか


こたつみかんに紅白歌合戦の世界

影が長くなるまで遊びつづけた世界

土道の水たまりにアメンボがいた世界


牛や鶏を家の小屋で飼っていた世界


山で川の水を飲んだ世界


いや、戻りすぎたか



土曜の小学校が終わったら

家へ帰って吉本新喜劇みながら

チキンラーメンを食べた世界



さいきんふと想う想い


どちらの方が幸せなのか

ただ部屋にいるだけでも

すべての快楽が手に入る

街を歩いても

クラクションがちっとも鳴らないいまと


粋でカッコ良さのために汚れを厭わなかった

けれど、キラッキラに輝いていた

未来には明るいあしたしか無かった

人類史上最高の黄金時代と

どちらの方が幸せなのか



答えがわかっても

なにも

なにひとつ変わらない問いだね



人類の

悲しみなんて知らないと

ダウンするたびに

立ち上がる猿


に、

なりたい、花一匁





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