表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【揺花草子。】(日刊版:2025年)  作者: 篠木雪平
2025年01月
2/252

【揺花草子。】[#4724] 尊敬できない。

Bさん「昨日も話した通り、今年は巳年なんですよ。」

Aさん「んん。そうだねえ。」

Cさん「一晩寝たらもう忘れちゃうと思ってたわ。」

Aさん「そんな頭軽いと思ってたんですか?」

Bさん「酉年はまだ何年も先だよ。」

Aさん「トリ頭だって言いたいのか!」

Bさん「ま、ともあれ巳年、つまり蛇の年。

    蛇と言えば洋の東西を問わず様々な物語で

    主に狡猾・誘惑などの象徴として登場します。」

Aさん「んん・・・確かに。」

Cさん「例えば『創世記』に於いてイヴに知識の実であるところのリンゴを

    食べるよう唆したのも蛇だったし、

    我々的にはつい最近戦った相手であるヤマタノオロチもまた

    蛇の化け物だわ。」

Aさん「まあ、そうですねえ・・・。」

Bさん「その一方、脱皮したり生命力が高いなどの特性は

    再生の象徴だったり幸運のシンボルだったりと

    プラスの評価もあったりする。

    蛇の抜け殻をおサイフに入れておくと金運がアップするって言うしね。」

Aさん「そう言う風習はあるねえ。」

Cさん「でも今日び物理的なおサイフがなくても何なら事足りる時代よね。

    そうなったら蛇の抜け殻もアプリ化したほうが良いかも知れないわ。」

Aさん「何ですかウォレットアプリに蛇の抜け殻っていうカードを

    インストールしておくんですか。」

Bさん「蛇を紋章の題材にしたものも色々あるよね。

    杖に蛇が絡まった意匠は『アスクレピオスの杖』と呼ばれていて、

    ご存知世界保健機構のシンボルマークでもある。」

Aさん「ふむふむ。」

Cさん「古代エジプトでは主権、王権、神性の象徴として

    コブラが鎌首をもたげた姿を象った蛇形記章と呼ばれるシンボルが

    用いられたわ。」

Aさん「ああ、ツタンカーメンのマスクの額のところにあったりしますよね。」

Bさん「あとミスターカーメンの頭にもね。」

Aさん「ナイルの悪魔かな?」

Bさん「その他、ギリシア神話で蛇と言えばゴルゴーン3姉妹だと思うんだ。

    3姉妹の末っ子のメドゥーサは美貌の娘として知られ、

    あのポセイドンをメロメロにするほどだったと言う。」

Aさん「メロメロと来たか。」

Cさん「自分の神殿でイチャイチャしていたポセイドンに腹を立てたアテナが

    ポセイドンは偉すぎるから罰する事ができず

    代わりにその愛人のメドゥーサに罰を与えたと言うわけよ。

    ポセイドンやりたい放題とか上級国民かよって感じよね。」

Aさん「そう言う言い方やめてください!!!

    確かにメドゥーサの立場からしたらあまりに

    納得はいかないですけども!!」

Bさん「その罰でメドゥーサは美貌を失い髪が夥しい数の蛇になってしまった。

    それに抗議した姉のステンノとエウリュアレもまた

    同じ罰を受けてしまったよ。

    真っ当な抗議をしただけなのに報復的なペナルティを乱発する

    冷静さを欠いたレフェリングにはスタジアムも騒然となったそうだよ。」

Aさん「どこの審判かな?」


Bさん「昨日の『めっ☆』は

    『メドゥーサの恨みを忘れるな』の

    『めっ☆』だよ。」

Aさん「嘘だろ!!!!!」


 あのへんの人達はめちゃくちゃ自分本位ですからね・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ