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【揺花草子。】(日刊版:2025年)  作者: 篠木雪平
2025年01月
12/328

【揺花草子。】[#4734] ドキドキビジュアル。

Bさん「今年の大河は『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でございます。」

Aさん「んん。そうだねえ。」

Cさん「意外に思うけど、江戸中期を大河で取り扱うのは初だそうね。」

Aさん「そうみたいですね。」

Bさん「戦国時代が終わり江戸幕府成立前後を描いたものや

    幕末の動乱期から明治を描く作品はすごく多いけど、

    殆ど戦乱がなかった平和な時代を描いたものとしては

    前作『光る君へ』に続く流れかも知れないね。」

Aさん「確かに『光る君へ』もほとんど戦闘のシーンはなかったね。」

Cさん「幕府開闢期にも幕末期にも関わりない作品としては

    元禄期を描いたものがいくつかある感じね。

    総じて平和な時代ではあったけれども、

    作品としては赤穂浪士事件がテーマになったりしてるから

    必ずしも血生臭さが皆無と言うわけではないわね。」

Aさん「ふむ・・・。」

Bさん「主人公である蔦屋重三郎は吉原で生まれ育った町人階級で、

    その生涯についてはドラマでもこの先たっぷり描かれるだろうから

    ここではいったんおいておく。」

Aさん「んん。」

Cさん「彼の業績の1つとして挙げられるものとして、

    数多くの書物を出版した版元としての活躍が挙げられるわ。」

Aさん「そうですね。」

Bさん「吉原のガイドブックを出したりとか、

    各種有名絵師をプロデュースしてその画集を出版したりだとか、

    詩集や小説の類いも出版している。

    ご存知曲亭馬琴や十返舎一九なども

    彼の手によって著作を出版しているよ。」

Aさん「ほほう・・・。」

Bさん「生涯で数多くの芸術家と親交を持った蔦屋重三郎。

    そんな中で、彼の手により世に出された絵師の一人として

    東洲斎写楽がいます。」

Aさん「んん。写楽。」

Cさん「この写楽と言う人物は実は非常に謎めいていてね。

    活動期間は僅か10ヶ月程度なんですって。」

Aさん「10ヶ月!? そうなんです!?」

Bさん「その短い活動期間で都合145点余の作品を残している。

    ただ活動後半に至ると作風が変化し、まあ端的に言うと劣化してて、

    最初期の作品である役者の大首絵が代表作って言う感じ。

    スタート時がピークって感じだね。」

Aさん「おぉ・・・そうなんだ・・・?」

Cさん「中盤以降の明らかな作風の変化は

    何ならもう違う人が描いているんじゃないか、

    短期間での多作は今で言う工房・スタジオのような

    分業スタイルで生み出されたものじゃないか、

    と言う意見もあるみたいよ。

    アニメ制作にはたくさんの人が関わるものね。」

Aさん「アニメじゃなくないです?」

Bさん「そもそもこの写楽と言う人物自体、活動を終えた後は

    表舞台から忽然と姿を消してしまっている。

    誰かが一時的に名乗ったペンネームであると言われたりしているよ。

    まあその誰かがいったい誰なのかって話はあるんだけど。」

Aさん「ふむ・・・。」

Bさん「ま、ともかく写楽。

    第1期の代表作である大首絵は背景の処理として

    『雲母刷り』と言う手法が用いられています。」

Aさん「『雲母刷り』。」

Cさん「岩絵具に細かく砕いた雲母を混ぜて膠液で溶いたものを

    版木を用いて特色として刷るって言う技法よ。」

Aさん「へえ・・・。」

Bさん「『雲母』、つまり『きらら』を用いているわけだ。」

Aさん「ふむ。」


Bさん「元祖きらら系って事だよ。」

Aさん「違くない?」


 きらら系にしては男が多すぎですがね?

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