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第3話 驚愕の効果と初めての実戦

『これであなたには光精霊の祝福が与えられたわ』


 体の中にあの包まれていた暖かな優しい光の力を感じる。


「これが祝福か」


『あなたに与えた祝福がどんな効果なのか私にも分からないからステータスで確認してみるといいわ』


 どんな効果なのか俺も気になったので、早速ステータスを開くことにした。


「ステータス」


―――――――――――――――

名前:ヘルシャフト

年齢:17

種族:フリューゲル(帝王種)

レベル:1

HP:5000

MP:10000

STR:2000

DEF:1500

INT:4000

MEN:3500

AGI:9000

DEX:1500

スキル:《刀術》《鑑定》《空間収納》《魔法の叡智》

固有スキル:《天下五剣》

称号:《転生者》《光精霊の祝福》

―――――――――――――――


 確かにステータスの称号の欄に《光精霊の祝福》っていうのが加わっている。

 他にもスキルの欄に前に見たときにはなかった《魔法の叡智》なんていうのもあった。

 今は《光精霊の祝福》の効果を確認したいから気にはなるけど、《魔法の叡智》のスキルは祝福の効果を確認し終わった後に確認すればいい。

 というわけで、《光精霊の祝福》の詳細を確認するために(ゼロ)のところで《天下五剣》のスキルを確認したときと同じように詳細を表示するように念じてみた。


―――――――――――――――

称号《光精霊の祝福》

 ・光を司る精霊エルネルより与えられた祝福。

 ・残存MPを全て消費してその消費したMPの数値分5分間の間各ステータスをアップさせる。(クールタイム1ヶ月)

―――――――――――――――


 表示された祝福の効果はとんでもないものだった。

 5分間という制約や発動するのにMPを使いきってしまうなどの制約はあるが、この効果はそれらの制約も気にならないほどだ。

 クールタイムが1ヶ月というのも短いように感じる。


『こ、これはまた凄まじい効果の祝福ね……。私が授けてきた祝福の中でもこれに並ぶほど強力な祝福なんて今までなかったわ』


 エルネルは呆れたように言ってきた。


「これには俺も驚いてるよ。まさかこんな強力な祝福を授かるなんて思ってもなかったから」


『まあそうよね。これまで多くの祝福を授けてきた私ですら予想がつかなかったんだもんね。というか普通の祝福の効果は、多少他人よりも身体能力に優れるとか魔法の扱いにたけるとかそんな効果なのよ』


 それは確かに予想がつかないだろうな。

 MP消費した数値分各ステータスをアップさせるって、効果が普通の祝福の効果と比べて異常としか言いようがない。


「ま、これは運がよかったってことで納得しとく。あって困るものでもないからな」


『私にも理由なんて分からないからそれでいいと思うわよ』


「じゃあ次は《魔法の叡智》のスキルを確認するか」


 一応《光精霊の祝福》の効果を確認した俺は、祝福の効果を確認するのに後回しにした《魔法の叡智》のスキルの詳細を確認することにした。


―――――――――――――――

スキル《魔法の叡智》

 ・(ゼロ)が作成したこの世の全ての魔法知識を集約した魔法全書を取り込んだことによって発現したスキル。

 ・全ての魔法を適性関係なしに使うことが出来る。

―――――――――――――――


 取得した条件については予想がついていたが、祝福に続いてこのスキルも強力すぎる。

 というかこれって、(ゼロ)が作成した魔法全書を取り込んだことによって発現したってなってるからある意味だと普通のスキルじゃなくて固有スキルだよな。


「でも全ての魔法が適性関係なしに使えるってのは素直に嬉しいな」


 やっぱり誰でも魔法って憧れるんだと思うんだよな。

 せっかく異世界に来れたのに適性が無くて魔法が使えませんでしたとか、適性があっても自分が使いたい属性の魔法が使えませんでしたじゃショックすぎるし。


『はあ……。これはまたとんでもないスキルね』


 エルネルがまたもや呆れたように言っているが、これの理由は異世界常識全書を取り込んだから俺にも分かっている。

 この世界には魔法使いの素質つまり何かしらの属性に適性がある人は100人に1人しかいなくて、しかもこれは1つの属性に適性がある人だ。

 複数の属性に適性がある人は、2つなら10000人に1人、3つなら100000人に1人と圧倒的に少ないのだ。

 これが全属性になったら1000年に1人ぐらいの割合でしか誕生しない。

 つまり俺は、この低確率の割合をスキル1つで解決してしまったのだ。

 エルネルが呆れるのも分かる。


『まあ全属性魔法使いになってしまったのはしょうがないわ。でもあまり複数属性を使えるのを周りに教えるのはオススメしないわ。各国が躍起になって自国で囲おうとしてくるから』


 それはそうだろうな。

 複数属性が使える人材なんて各国の宮廷魔法使いにほぼ全ての人がなっているわけだし。

 少数だが複数属性使いであることを隠している人もいるみたいだが。


「そこら辺は理解してる。俺は冒険者になるつもりだし、宮廷魔法使いなんてやりたくない」


『ならいいわ。そもそもあなたが冒険者になるのもはたまた宮廷魔法使いになるのも私には止める権利なんてないわ』


 俺に(ゼロ)が何をさせたいのかは分からないが、俺は自分でやりたいと決めた冒険者として異世界で生きることにした。

 異世界常識全書には、他にもこの世界の様々な職も載っていたが異世界に来たら冒険者になるんだと憧れてた俺は迷わず冒険者にしたのだ。


『そういえばあなたはお金は持っていないわよね?冒険者になるにも街に入るにも必要なはずだったと思うのだけれど』


 エルネルが話を聞いてて思い出したのか、俺に金の有無を聞いてきた。


「持ってないんだよな……。異世界常識全書のおかげで知らなかったって事態にはならなくて済んだんだが、金を手に入れる手段が無くて俺も悩んでたんだよ」


 そう金の有無は今の俺にとって一番重要なことだった。


『あんまりこういうことはしないんだけど、私にあなたがお金を手に入れられる手段があるっていったらどうする?』


「やる!やらせてくれ!」


 エルネルの提案に俺は即答した。

 それほど金のことはこの後のことを考えると重要なのだ。


『分かったわ。あなたが戦えるのが前提なんなだけど、この湖の北のほうにある森にワイバーンが住み着いてしまったのよ。それであなたにそれを討伐してもらいたいのよ。で、そのワイバーンの死骸を持ってきてくれればそれを私の力でお金に変えてあげるわ』


「本当にそんなことが出来るのか?そもそも俺の実力でワイバーンを倒せるのか?」


 エルネルの言葉を疑うわけではないが、死骸を金に変えるなんてあまり信じられない。

 あとワイバーンっていったら異世界ものの小説とかでもそこそこ強かったと思うんだよな。


『大丈夫よどっちも。お金のほうは錬金術で解決するわ。錬金術を極めれば死骸からお金を造り出すことなんて簡単よ。ワイバーン討伐のほうもあなたのステータスなら余裕よ』


 錬金術で金を造り出すってやっぱり異世界だなって思った。

 心配なワイバーン討伐のほうも俺のステータスを見たエルネルが言うんだから大丈夫だろう。


「分かった。俺はワイバーンを討伐しに行ってくる」


『よかったわ。森にいた小精霊たちが自分たちの棲みかが荒らされて困ってたのよ』


「なら小精霊たちの分まで頑張らないとなっ!」


 そう言いながら俺は自分の翼を使って飛翔してみた。


「おー本当に飛べたな!知識としては動かしかたは分かっていたが、一発で成功するなんて」


 空を飛びながら俺は自分の力だけで空を飛ぶという行為に興奮していた。


『じゃあ頼んだわねー』


 エルネルの言葉を聞きながら俺は空に飛翔した時に確認した森に向かっていった。





「あれがワイバーンか」


 森の中心部まで来たところで俺はワイバーンを発見した。

 ワイバーンの大きさは5mほどだった。

 異世界に来る前だったら恐怖する大きさのはずなのに転生した影響なのかあまり怖くはなかった。


「ちっ!気づかれた!」


 俺がワイバーンを観察していると、俺の存在に気づいたのかワイバーンがこちらに顔を向けてきた。

 そして、口を開けたかと思うと炎のブレスを吐いてきた。

 それを一旦後方に下がることで回避したが、その間にワイバーンも同じように飛翔してきていた。


「これは早く片付けないと不味いな。俺はやつと違って空中戦も実戦も初めてだもんな。というか普通は最初の相手はゴブリンとかだろ」


 不満を口にしながらも俺は、《天下五剣》のスキルを発動させて童子切安綱を造り出した。

 空中で警戒しているやつに向かって俺は斬りかかった。

 動きは刀術スキルのおかげか刀の使い方も体の動かしかたも分かった。


「くらえっ!」


 手っ取り早く首を落とそうと全力で斬りかかった俺の攻撃は、なんの抵抗もなくあっさりとワイバーンの首を斬り落としたのだった。

 ワイバーンは、全力を出した俺のスピードを捉えることが出来なかったのだ。


「うわっ、強いとは思ってたけどこの体やばいな。まあ、それを考えるのは後にして今はワイバーンを回収してエルネルのところに戻るか」


 自分の実力に驚きながらもワイバーンの死骸を回収して俺はエルネルのところに戻っていった。





『おかえりなさい。やっぱり倒せたでしょ?』


「ああ、楽勝だった」


『じゃあ、早速お金に変えちゃうね』


「頼む」


 エルネルのところに戻ってきた俺は、早速ワイバーンの死骸をお金に変えてもらうことにした。


『“変換”』


 その言葉でワイバーンの死骸は光に包まれて、光が消えたらそこには金色のコインが5枚と銀色のコインが20枚あった。


『金貨が5枚と銀貨が20枚ね。けっこう大金よ』


「そうなのか。それは倒したかいがあったな」


 そこまで苦労してはないがな。


『お金も手に入ったしもう行くのかしら?』


「そうだな。もう行こうと思う」


『分かったわ。なら南のほうにしばらくいけば街があるから最初はそこを目指せばいいと思うわ』


「南か、分かったありがとな。色々世話になった」


『いいのよそれが私の役目だし。じゃあ頑張ってね』


「ああ、またな」


 そう言って俺は飛翔して南に向かって飛んでいった。

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