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沸かない実感
身内小説第二弾。
とはいえ、今回も誰が読んでも楽しめるような作品にしていきたい所存です。
亀更新については、ご容赦ください。
それでは、楽しんでいただければ幸いです。
ある連休中、友人が死んだ。
自殺だったらしい。
そいつの部屋には遺書があって、
”悩みがあったわけでも、虐められていたわけでもない。ただ死にたかった。”
そう書かれていたとか。
五月蠅いくらいに賑やかで、ムード―メーカーに部類する様な奴だ。
クラスメイト廉同じ部活の部員だった誼で葬式に参列したが、正直実感はなかった。
また学校が始まれば、クラスに、部室に、ひょっこりと現れる気がした。
それくらいショックだったのかもしれない。
涙を流す者は少なかった。
皆何処か呆けたような、そんな顔でいた。
きっと、俺自身もそうだろう。
学校が始まる。
教師は授業中にそいつの名を呼ぶ。
そいつの好きな話をして、話を振ろうとする奴もいた。
クラスの奴、部活のメンバー、誰もが実感を感じずに日々を過ごす。
あいつは死んだ。
そう頭では分かっているはずなのに。
不思議な感覚を抱いたまま、一週間弱が過ぎていった。