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機械鎧(マシンメイル)は戦場を駆ける  作者: 黒沢 竜
第六章~荒ぶる海の激闘~
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第九十六話  王国内の変化

 強い日差しが降り注ぐティムタームの町。武術大会が終わり、ファムステミリアは夏に入った。気温は高く、町中の人々は夏服を着て汗を掻きながら街道を歩き、日陰に入って会話をしている。多くの住民の中には騎士達の姿もあった。騎士達も風通しの良い生地で出来た服を着ているが、その上から鎧を着て更にマントを羽織っている為、夏用の服を着ていて体温はあまり変わらない。そして騎士剣などの武器を持ち歩いている為、暑さは夏服を着ている住民達とは比べものにならない程だった。そんな騎士達を見ている住民達も見ているだけで暑くなるのか、出来るだけ騎士達の方を向かないようにしている。

 街でそんな熱気に包まれている中、町外れにあるズィーベン・ドラゴンでも夏の私服を着ている七竜将が屋内で暑さに耐えている姿があった。窓を全開にして風通りを良くしようとしていてもなかなか気温が下がらず、全員がリビングのテーブルに集まり、椅子に座りながらへばっている。席についている七人の前には水の入った木製のコップが人数分テーブルに置かれてあった。


「・・・あぁ~、暑い~」

「暑くて死にそう~、アイス食べた~い」

「おい、そう何度も暑い暑いって言うなよ。余計に暑く感じるだろう」


 暑さのあまり汗を掻きながらボヤく灰色の半袖、黄土色の半ズボン姿のヴリトラと水色のTシャツに白い半ズボン姿のリンドブルムに注意する白いタンクトップと紺色の長ズボン姿のジャバウォック。他の七竜将の二人を見ながら呆れ顔を見せていた。


「暑いのはアンタ達だけじゃないのよ?町の人達だって暑いのを我慢してるんだから」

「それに、俺達は向こうの世界でクーラーやプールなんかで快適な生活をしてたんだ。たまにはこういう生活をするのもいい経験だ」


 暑さの厳しさを話しながらヴリトラとリンドブルムを見る白い半袖と水色のスカート姿のジルニトラと灰色のストライプ模様に半袖とジーパン姿のニーズヘッグ。しかし、そう言っている二人も汗を掻いて暑さを我慢しているのが一目でわかる。


「でも、二人の言っている事も分かる気がするよ?こんなに暑いと脱水とかしたり、熱中症になって倒れちゃうよぉ。この暑さをなんとかしないと」

「確かにそうだな。私達機械鎧兵士はナノマシンなどで身体能力を強化していても体温調節機能は普通の人間と変わらない。どんなに強くても暑さや寒さには敵わん・・・」


 手で自分を仰ぐピンクのポロシャツと茶色の半ズボン姿のファフニールと無表情ではあるが汗を掻いて暑さに耐えている黒い女性用タンクトップとジーパン姿をしたオロチが状況の確認をし、それを聞いたヴリトラ達もこの暑さを何としないとと対策方法を考え出す。


「暑さをなんとかするって、どうするんだよ?窓は全開にしてるのに変えは殆ど来ないし、外に出て木陰に入るも暑さは変わらない。もう方法が思いつかねぇよ・・・」


 椅子にもたれながらファフニールの方を向いて困り顔を見せるヴリトラ。これまでに色々な方法を試して暑さを凌ごうとしたが、その全てが失敗していたのだ。他の七竜将も前の失敗を振り返りながら悩んでいる。


「それじゃあ、やっぱり氷の入った冷たい飲み物しかないんじゃない?」

「冷たい飲み物を飲んでも直ぐにまた暑くなるわ。それに冷たい物を取り過ぎると今度はお腹を壊しちゃうわよ。それに氷だって簡単には作れないわ、ニーズヘッグの作った即席冷蔵庫にも限界があるしね」


 冷たい物を取るというリンドブルムの提案を却下するジルニトラ。彼女は元医師なのでそういう事には七竜将の中で最も詳しいのだ。冷たい物を取るのもダメと言われ、八方塞がりの状態になってしまった七竜将は暑さと案が無い事に困り果ててしまう。


「・・・今思えば、向こうの世界がどれだけ暮らしやすい場所だったか身を以って理解したぜ」

「ああ。それに比べてこっちの世界で精一杯生きてる人達は本当に立派だよ・・・」


 地球とファムステミリアの違いを知り、自分達がどれだけ幸せなのかを考えるジャバウォックとリンドブルム。ヴリトラ達もファムステミリアの人々を見習うべきだと改めて感じるのだった。


「でも、これだけ暑いんだもん。せめて海にでも行って泳ぎたいなぁ~」

「あっ、僕もぉ」


 ファフニールがコップの水を飲み、天井を見上げながら海に行きたいと言うのを聞いてリンドブルムも同意する。確かにこれだけ暑く冷房機なども無いのなら海で泳ぎたいと思うのも無理もない。七竜将は一斉に小さく溜め息をついて暑さに悩み続けるのだった。

 七竜将が熱いリビングでへばっていると、玄関の方からノックオンが聞こえてきた。ノックに気付いた七竜将達は一斉に玄関の方を向く。


「誰だろう?」

「客じゃねぇのか?」


 ジャバウォックが尋ねて来た人物が誰なのか想像する。しかし、暑さのせいで仕事をする気になれないのかめんどくさそうな顔を見せていた。


「こんな暑い日じゃあ、仕事をする気にもなれないわね・・・」

「だからと言って、追い返す訳にもいかないだろう?」

「・・・しゃ~ねぇ、話だけども聞いときますか」


 ニーズヘッグの暑さだけで職務怠慢をするのは良くないという言葉を聞いたヴリトラは頭を掻きながらゆっくりと立ち上がり玄関の方へ歩いて行く。ニーズヘッグとオロチもその後に続いて行き、残ったリンドブルム達はそのまま椅子に座って暑さをどうするか話を続ける。

 ヴリトラ達はダラダラと玄関の方へ歩いて行く間も玄関の扉をノックする音が続いていた。ヴリトラは汗を腕で拭いながら玄関を見て口を開く。


「ハイハ~イ、どちらさまですかぁ~?」

「私だ、ラピュスだ」

「おぉ、ラピュスか。ちょっと待ってくれ」


 ラピュスが訪問して来た事を知り、ヴリトラはもう一度汗を拭って玄関のノブを掴みゆっくりと回した。扉を開くと、そこにはいつも通り、黒い鎧を身につけてミニスカートを履き、赤いマントを羽織っているラピュスの姿がある。その後ろにはラピュスと同じようにいつもの青銅の鎧と半ズボン姿のララン、銀色の鎧を着てミニスカートを履いたアリサの姿があった。


「よく来たなぁ・・・て、凄い汗だぞ?」


 ヴリトラはラピュス達の顔を見ながら目を丸くして驚いた。三人とも見た目は同じだが、鎧の下の服は夏用の半袖の服になっていて少しは風通しが良くなっている。しかし、それでも鎧を着ているせいか、かなりの暑さとなっているらしく、大量の汗を掻いていた。


「この日の強さで鎧まで来ているんだ、当然だろう?」

「ま、まぁ、確かにな・・・」

「すまないが中に入らせてもらうぞ?暑い中、外になっているのは耐え難いからな・・・」

「・・・喉乾いた」

「もう汗でベトベトですよぉ~」


 ラピュスの後ろで暑さを訴えるラランとアリサを見てヴリトラは「その通りだ」という様に頷いて三人をズィーベン・ドラゴンの中へ招き入れる。相当暑かったのか、屋内に入るとラピュス達の表情が少しだけ和らいだ。外と比べるまだ中の方が涼しく感じられたのだろう。


「ハイ、どうぞ」

「すまない、ジル」


 来客フロアの席に座っているラピュス達に氷の入った水とタオルを出すジルニトラ。ラピュス達の向かいの席にはヴリトラとリンドブルムが座っており、五人を囲む様にジャバウォック達も立っていた。タオルを受け取ると三人は早速顔や首元の汗を拭き、出された氷水の飲む。


「アァ~~ッ!おいしい!こんな冷たい水が飲めるのか此処しかありませんよぉ!」

「・・・冷たい」


 出された水を一気に飲み干して満面の笑顔を浮かべるアリサと小さく笑いながら少しずつ水を飲むララン。ラピュスもタオルで顔を拭き終えた後に出された氷水をゆっくりと飲む。


「・・・フゥ」

「どうだ?少し落ち着いたか?」


 コップをテーブルの上に置き、息を吐くラピュスを見てヴリトラは尋ねた。


「ああ、こんな暑い日に水がこんなに上手く感じたのは初めてだ。はやりお前達の持つ冷蔵庫とか言う物が作る氷のおかげか・・・」

「まぁな。それにしても・・・」


 ヴリトラは椅子にもたれて腕を組みながらラピュスの体をジッと見つめている。自分を見つめるヴリトラに気付いてラピュスは不思議そうな顔を見せた。


「・・・?どうした、私の体に何かついているか?」

「・・・いやね、今のお前って何かちょっと色っぽいなぁ~って思っただけ」

「ッ!?」


 汗を掻いている自分を見るヴリトラの爆弾発言にラピュスは表情を急変させて立ち上がる。そして素早くハイパワーを抜いて銃口をヴリトラの顔に向けた。


「わととととっ!」

「ヴリトラァ、デリカシーの無い男は嫌われるぞ・・・?」

「じょ、冗談だよ!ワリィワリィ・・・」

「ヴリトラの言う事は時々冗談に聞こえないんだよ・・・」

「・・・うん」


 低い声で睨み付けるラピュスに慌てて謝るヴリトラ。そんなヴリトラの隣で呆れるリンドブルムとそれに同意するララン。ジャバウォック達も相変わらず軽いヴリトラに呆れていた。


「・・・まったく」


 ラピュスはハイパワーをしまいゆっくりと席に付いて氷水をもう一口飲む。そんなラピュスを見てヴリトラは苦笑いしていた。


「ハ、ハハハ・・・。そ、それはそうと、今日はどうしたんだよ?」


 気を取り直してラピュス達に訪ねてきた理由を訊くヴリトラ。ラピュスはコップを置くと真面目な顔でヴリトラの方を向く。


「・・・今日で武術大会が終ってから丁度一週間になる。お前達の方で何かブラッド・レクイエムの情報は掴めたか?」


 ブラッド・レクイエム社の名前が出た途端にヴリトラは苦笑いから真剣な表情に急変させ、他の七竜将も一斉に真剣な顔へと変わる。ラランやアリサもフロアに伝わる緊張感に表情を鋭くした。


「・・・いや、あれから色々な依頼を受けてティムタームの外に出たりとかしたが、奴等の情報は全く掴めない」

「そうか・・・。城も武術大会で現れたジークフリート達やビビット殿の遺体が盗まれた事でブラッド・レクイエムの存在を知り、少々慌ただしくなっている」

「無理もない。未知の武器や体を持つ者が武術大会で自国の騎士を二人も殺し、その内の一人の遺体を盗み出したのだからな・・・」


 ラピュスが説明する城の状況を聞き、冷静な口調で話すオロチ。他の七竜将もブラッド・レクイエム社の事がレヴァート王国中に知れ渡り、国中で騒ぎが起こるのではないかと心配になっている。勿論ラピュス達王国騎士も七竜将と同じ気持ちだった。


「陛下は武術大会の一件でブラッド・レクイエムの事を国中に伝え、全ての町の警備体制を強化すると仰っておられる。もっとも、あれ程の相手に多少の強化は意味ないかもしれないがな・・・」

「それでも何もしないよりはずっとマシさ」


 王国の姫騎士であるラピュスが強化が無意味だと愚痴っているなか、ニーズヘッグは静かにフォローを入れる。すると今度はアリサがヴリトラ達の方を見て会話に参加して来た。


「ガバディア団長はブラッド・レクイエムに対抗できる唯一の存在として陛下に皆さんの事を話されました」

「団長が俺達の事を?」


 自分達の事を国王であるヴァルボルトに話したという事を聞かされて少し驚くヴリトラ。リンドブルムや他の七竜将も声は出さなかったが、驚きの表情を浮かべている。


「勿論、団長は皆さんが別の世界から来たという事は陛下にお伝えしていません。ですが、ブラッド・レクイエム社の事が知られた以上、それがバレるのは時間の問題かと・・・」

「確かに、それは仕方がないね。この世界には存在しない機械鎧や銃器みたいな未知の武器やそれを使い組織を見たんだから、いずれはそうなると思ってたし・・・」

「でも、ブラッド・レクイエム社の事で只でさえ混乱してるんだから、これ以上の問題が飛び込むと城の混乱は更にデカくなるぞ」


 城が更に大騒ぎになるのではないかと心配するニーズヘッグと同感と言いたそうに頷くジルニトラとアリサ。未知の組織であるブラッド・レクイエム社の事で混乱している中、更に七竜将が別世界から来たなど耳に入ったらもう収拾がつかなくなるかもしれない。それだけは避けたいと彼等は心から願っている。


「まぁ、今の騒ぎが落ちつくまで俺達の事がバレない事を祈るしかないな」

「そうだね。それまで僕達は出来るだけの事をやっておこう」


 ヴリトラとリンドブルムは流れが悪くならない事を願いながら今の自分が出来る事をやると口にして椅子にもたれかかる。


「それと、近いうちに皆さんには登城していただく事になるかもしれません」

「登城?城に行くって事か?」


 アリサの言葉を聞きジャバウォックは意外そうな顔で尋ねる。


「ああ、陛下は団長の話をお聞きになった時、一度話をしておきたいと仰られたらしい」

「・・・それは、私達が自分達の脅威になるのかを確かめる為か・・・?」


 オロチが表情を若干鋭くしてラピュスに尋ねた。ブラッド・レクイエム社の事を知り、彼等と同じ武器を使っている傭兵隊が自分達の近くにいるのだから危険ではないか警戒するのは当然の事。七竜将もそうなる事は予想していた。しかし、それでも自分達をそんな風に見られるのは少し気に入らないのだろう。


「それもあるだろう。・・・だが、陛下は今日まで国の為に戦い、パティーラム様の世話をしてくれたお前達を脅威と思ってらっしゃらないはずだ。お前達がどんな人間なのかを知る為に登城してもらうのだ」

「・・・少なくても、陛下はそう思ってらっしゃってる」

「陛下は?」


 ラランの言った言葉が引っかかり小首を傾げるリンドブルム。そこへファフニールが難しい顔をしてラランに話し掛ける。


「・・・もしかして、王様は私達の事を良く思ってくれてるけど、私達を良く思ってない人がいるって事?」

「・・・うん」


 ファフニールの質問にラランは無表情のまま頷いて答える。


「・・・ファンスト公」

「ファンスト公?」

「誰?その人」


 ラランが口にしたファンストの名前を聞いたファフニールとリンドブルムは小首を傾げる。初めて聞く名前にヴリトラ達もラランの方を向くが、ラランがファンストの名を出した途端にラピュスとアリサは表情を曇らせた。


「・・・エドワード・ガ・ファンスト。王国元老院の議長を務めておられる方」

「元老院・・・つまり王様の決定を審査、承認する人達の一人なんだね?」


 十二歳の子供でありながら元老院の事に詳しいリンドブルムに驚く三人の姫騎士。七竜将は皆IQが高く、大抵の事は頭に叩き込んであるのである程度の状況にはすんなりと対応できるのだ。

 驚いていたラピュスはフッと表情を戻して話に戻り頷いた。


「そうだ、ファンスト公は元老院の中でも権力欲が強く、騎士以外の戦士や平民を平気で見下す差別者でもある。それ故に他の元老院からも信頼されておらず、陛下も彼の対応に困っているのだ・・・」

「成る程ねぇ・・・どこの世界にも一人はいるんだな?より強い権力を求める権力者ってのは・・・。しかもその話し方からすると、その議長さんはあのチャリバンスやジージルよりも性格が悪いみたいだけど?」

「その通りだ。ファンスト公はチャリバンス殿やジージル殿以上に貴族としての誇りが高く、格下で自分の気に入らない相手は誰であろうと蹴落とす男だ。だから同じ元老院や貴族の方々も彼には不安があってもなかなかぶつけられないでいる」

「そんな奴が元老院の議長をしてていいのかよ?」

「彼の家系は王家と並んで古くからこの王国に存在しているんだ。だからよっぽどの事がない限り彼を議長の椅子から引きずり降ろす事はできないんだ」


 ファンストの家系の事を聞いた七竜将はレヴァート王国の事情を知り納得する。どんな世界にでも家の力で生き残っている者が必ずいると知った七竜将は何とも不愉快な気分になっていた。

 登城や城の現状といった話を終えたヴリトラ達は暑さの事も忘れて難しい顔をしている。するとラピュスは残りの氷水を飲み干して立ち上がった。


「じゃあ、私達はこれで失礼するぞ」

「何だ、もう帰るのか?」

「ああ、明日から任務で港町のカルティンに出掛けなきゃいけないんだ。その準備をしないといけないんだ」

「カルティン?」

「ホラ、初めて会った日にクレイジーファングのアジトがあると疑っていた港町だ」

「・・・・・・ああぁ、思い出した!」


 ヴリトラはラピュス達と初めて会った日の事を思い出して手を叩く。マリが盗賊団クレイジーファングにさらわれて七竜将が助けたファムステミリア初の仕事を受けた日だった。


「でも、その港町に何をしに行くんだ?」

「何でも海賊らしき船を見かけたと救援を受けてな、私達第三遊撃隊が調査に向かう事になったんだ」

「へぇ~。この世界にもいるのね、海賊って・・・」


 ジルニトラはファムステミリアに海賊がいる事を聞いて少し意外に思う。リンドブルム達も海賊と聞いて少し興味があるのか黙ってラピュス達の方を向き話を聞いている。そんな中でヴリトラは腕を組み天井を見上げていた。その表情は何か別の事を考えている様に見える。


(・・・港町に海賊かぁ。・・・ん?・・・港町、海賊、海、浜辺?)


 港町から浜辺を連想していくヴリトラ。しばらく考え込んで何かを思いついたのかニヤリと笑みを浮かべたヴリトラは玄関の方へ歩いて行くラピュス達を呼び止めた。


「おい、ちょっと待ってくれ」

「ん?何だ?」

「港町って事は近くに海があるんだよな?」

「ああ、一応な・・・」

「そうかぁ・・・」

「ヴリトラ?」


 再びニヤリと笑うヴリトラを見てリンドブルムは不思議そうに彼を見上げる。そして次の瞬間、ヴリトラは驚くべきことを言い出した。


「その任務、俺達も同行するぜ」

「・・・・・・は?」

「「「「「「ええぇ?」」」」」」


 ラピュス達の任務について行く、それを言いたラピュスは目を丸くし、ヴリトラ以外の七竜将は一斉に驚く。勿論、ラランとアリサもまばたきをしながら黙り込むのだった。

 武術大会が終り、ブラッド・レクイエム社の事が王城に知れ渡り、騒ぎになっている時にラピュス達第三遊撃隊に下された港町カルティンへの海賊調査命令。それを聞いたヴリトラも第三遊撃隊に同行すると言い出す。一体ヴリトラは何を考えているのだろうか?


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