第九十五話 竜達の敗北
ニーズヘッグとスケルトンの戦いはニーズヘッグが勝利した。しかし、ブラッド・レクイエム社の情報やジークフリートがビビットの遺体を持ち去った理由を聞きだす前にスケルトンは自爆してしまった。武術大会の試合は終わったが、まだこの事件は片付いていない。
試合場でスケルトンが爆発した所に集まっているリンドブルム達は周囲に何か落ちていない姿勢を低くして調べていた。レヴァート王国の兵士達も爆発の原因を調べる為にリンドブルム達と共に捜索をしている。
「どう?そっちに何かあった?」
「いや、何も落ちてない。完全に粉々になってる」
試合場の上で何かを探しているリンドブルムが試合場を囲んでいる水路の近くを調べているニーズヘッグに尋ねる。二人がいる位置はスケルトンが爆発した位置のすぐ近くで、周りでもラランやレヴァート兵が姿勢を低くしている姿があった。
「・・・でも、どうしてだろう?」
「ん?何がだ?」
突然作業を止めて何かを考え込むリンドブルムを見てニーズヘッグも手を止めてリンドブルムに尋ねた。
「エントに今回のスケルトン、今まで戦ってきたブラッド・レクイエムの機械鎧兵士は倒した後もそのままだったのにどうして幹部クラスの機械鎧兵士は全部自爆したんだろうって思って・・・」
「・・・確かに変」
リンドブルムの近くで作業をしていたラランも作業をやめて会話に加わって来た。ニーズヘッグは今まで見てきたブラッド・レクイエム社の機械鎧兵士の姿を思い出して考え込む。すると、何かに気付いた様な顔を見せて二人の方を向いた。
「・・・もしかすると、エントやスケルトンの様な幹部クラスは死ぬと自爆する様に機械鎧に細工されてたんじゃないのか?」
「細工?」
「・・・どうして?」
「これは俺の推論だが、幹部クラスの機械鎧は全部一般の兵士と違い高性能で内蔵兵器も一般のと違って独特だ。だから、その情報を敵に与えない為に自爆装置を付けたんじゃないかと俺は考えている」
「情報が得られない様に機械鎧や肉体を跡形も無く消滅させる為の自爆って事?」
「あくまでも俺の推論だ」
ニーズヘッグの話を聞いてリンドブルムは一理あると考え込み、ラランも難しそうな顔を見せていた。スケルトンの自爆によって機械鎧は全て消滅してしまっているので、ニーズヘッグの推論は間違っていないとリンドブルムは考えている。三人が会話をしている姿を見ていたレヴァート兵達はまったく話の内容が理解出来ていない為、ただ三人を丸い目で見つめていた。
捜索の手を止めて自爆の理由を考えているリンドブルム達。そんな時、リンドブルムとニーズヘッグの小型通信機からコール音が聞こえてきた。それを聞いた二人はフッと顔を上げて耳に付いている小型通信機のスイッチを入れる。そんな二人を見ていたラランも通信が入ったのを知って真剣な顔に変わった。
「・・・こちらニーズヘッグ」
「私だ・・・」
「オロチか・・・」
小型通信機から聞こえてきたオロチの声を聞いてニーズヘッグの表情に鋭さが増す。リンドブルムも真剣な顔で耳を傾けた。
「ヴリトラの指示を受けて地下へ向かい、負傷していた近衛騎士のレレットを見つけた。応急処置も終わり、今は安定している・・・」
「そう言えば、試合中にヴリトラからそんな通信があったね?」
リンドブルムはニーズヘッグの試合を見守っている時に聞こえてきたヴリトラの通信を思い出す。七竜将の小型通信機は全部繋がっている為、受信した者全ての小型通信機に通信が行き渡るのでリンドブルムも地下で起きた事は知っていたのだ。
「それで、レレットさん達はどうなの?」
地下の事が気になり、リンドブルムはオロチに状況を尋ねた。すると小型通信機からオロチの低い声が聞こえてくる。
「・・・酷いものだ。地下に倒れていた騎士は全部で八人、その中でレレットだけが無事だったが、残りは全員死んでいた・・・」
「そうか・・・」
生き残りはレレットだけ、それを聞いたニーズヘッグとリンドブルムの表情が曇り、二人の様子を見ていたラランも話の内容を察したのか表情を曇らせる。
「どの遺体にも全て常人の力では負わせられない様な深い傷ばかりだった・・・」
「そりゃあ、地下の騎士達を襲ったのがジークフリート何だから当然だろうな」
「何?ジークフリートだと・・・?」
「ああ、スケルトンが戦っている最中に教えてくれた。もっとも本人はもう生きちゃいねぇけどな・・・」
小型通信機に指を当てながら立ち上がり、爆発地点を見るニーズヘッグ。リンドブルムとラランも釣られて立ち上がり、同じように爆発した所を見つめている。
「だとすると、ヴリトラ達が心配だ。アイツ等でもブラッド・レクイエムの最強の機械鎧兵士を相手に勝てる可能性は低い・・・」
「・・・・・・ッ!そう言えば、スケルトンの野郎がこの町には奴と自分以外に四人の機械鎧兵士が来てるって言ってた!」
ニーズヘッグが試合中にスケルトンが話した内容を思い出してハッとする。その話を聞いたリンドブルムとラランも驚いてニーズヘッグの方を向いた。そして通信機からもオロチの驚きの声が聞こえてくる。
「何だと?どうしてそれを先に言わなかった・・・!?」
「スマン、スケルトンとの戦いの後だったから完全に頭の中から消えてた」
「チッ!マズイな・・・向こうにいるのはヴリトラ、ジャバウォック、ジルニトラ、そしてラピュスの四人。いくらラピュスが優秀な姫騎士であっても幹部の機械鎧兵士と戦って勝てる可能性は低い、最悪殺されるかもしれない・・・」
悪い結末が頭をよぎり、ニーズヘッグとリンドブルムの表情に焦りと驚きが浮かぶ。
「・・・仕方ない。こっちの粗方終わったから私とファウがアイツ等の救援に向かう・・・」
「僕も行くよ!」
「分かった。闘技場の出入口で落ち合うぞ・・・?」
「OK」
オロチはリンドブルムの同行を承諾し、闘技場の出入口で合流する事を伝えて通信を切った。リンドブルムはライトソドムの弾倉の中を確認し、ホルスターにしまうとニーズヘッグの方を向く。
「僕はヴリトラ達の援護に行くね?ニーズヘッグは此処で休んでて、その傷じゃまともに戦えないでしょう?」
「・・・確かにな。それじゃあ、頼むぜ?リブル」
苦笑いをするニーズヘッグを見上げてリンドブルムは頷いた。ニーズヘッグ自身もスケルトンとの戦いで傷を負い、こんな自分が行っても足を引っ張るだけと自覚しているようだ。
ニーズヘッグとの話を終えてリンドブルムは今度はラランの方を向いて肩にポンと手を乗せる。
「ララン、君は地下へ行ってレレットさん達をお医者さんにところへ連れて行って。きっとアリサさんがいるはずだから」
「・・・分かった」
リンドブルムの指示を聞いて返事をしながら頷くララン。リンドブルムは周りを一度見回した後に試合場の出入口の方へ走って行き試合場を後にする。そんなリンドブルムや試合場に集まっているニーズヘッグ達を見ていた観客達も状況が把握できずに騒いでいたのだった。
――――――
一方、東の城壁前通りではヴリトラ達が息を切らせながら立ってた。ヴリトラ達の息を乱れ、ボロボロになりながら自分の武器を握っている。傷も負っているが全て打撲や掠り傷程度のものだった。周囲の壁や地面には無数の弾痕、切傷、焦げ跡があり、さっきまで激しい戦闘があった事を物語っている。
「ハァ、ハァ・・・皆、大丈夫か?」
「ええ、何とかね・・・」
「私も平気だ・・・」
ヴリトラの問いかけにジルニトラとラピュスも疲労感を現しながら答えた。二人もかなり体力を消耗しているらしく大量の汗を流しボロボロになっている。
「しかし・・・これ程の実力者だとは思わなかったぜ・・・」
デュランダルを両手で握りながらジャバウォックは目の前に立っている親衛隊を見つめながら言った。
ヴリトラ達の前にはマントを脱ぎ捨てて機械鎧の内蔵兵器を起動させたり、自分の武器を手に取り構えている親衛隊の姿があった。大男は大きな鉄球を先端に付けた棒、錘を両手に持っており、美女は背中から先端に四本の鋭い爪を付けた触手状のロボットアームを四本生やしてクネクネと動かしている。美青年は右腕の機械鎧の前腕上下左右から鋭い爪を出し、先端をくっつけて槍のような形状にしており、少女は自分の周囲に野球ボールほどの大きさの鉄の鉄球を四つフワフワと浮かべながら笑っていた。そして四人は全員、両腕両脚を機械鎧にし、体に赤いラインの入った黒い特殊スーツを着ている。
「・・・この程度なのか、噂の七竜将と姫騎士の実力とは・・・」
「あぁ~あ、思ったよりも弱いねぇ~?」
美青年と少女が期待外れだと言いたそうな顔を見せており、そんな二人を見ながらヴリトラ達はムッと睨み付ける。大男は右手に持つ錘で地面を叩き、地面を凹めながら溜め息を突いた。
「ハァ~、司令が興味を持っている連中だからてっきり司令と同じくらい出来る連中だと思ってたのによぉ」
「これじゃあ、一般兵の任せても大丈夫なくらいね?」
「お前らぁ~、さっきから言わせておけばぁ~~!」
大男に続いて美女までヴリトラ達を軽く見るような発言をし、流石にヴリトラも我慢の限界が来たようだ。
「生憎俺達はお前等んところの兵士をこれまで何人も倒して来たんだぜ?この世界に来てからも来る前もな!」
「それにこっちは幹部クラスの機械鎧兵士であるエントを倒したんだ。そうやって敵を軽く見ていると酷い目に遭うぞ?」
ヴリトラに続いてジャバウォックも親衛隊に言い返す。スケルトンと言い、親衛隊と言い、どうやらブラッド・レクイエム社の機械鎧兵士達は相手を過小評価する者が多いようだ。
「フン、エントみたいな役立たずな小物を倒したくらいで偉そうに言わないでよね?」
「何・・・?」
浮いている鉄球を指で突きながら鼻で笑う少女を見てラピュスの表情が鋭くなる。騎士剣をゆっくりと下ろしながら前に出たラピュスは目の前の親衛隊に鋭い視線を向けた。
「エントは仲間だったのだろう?命を賭けて戦い、そして散っていた仲間を役に立たない小物だと言うのか・・・?」
「ええ、そうよ。お姉さん、聞こえなかったの?」
「クッ!・・・仲間にそんな冷たい言い方をしてお前達の心は痛まないのか?」
無表情で冷たい言葉を口にする少女にラピュスは怒りを感じながら話を続ける。するとそこへロボットアームを撫でながら笑っている美女が話に加わり、少女の代わりに質問に答えた。
「確かに普通の人間なら痛むでしょうね?・・・でも、私達は使えない仲間を思いやる様な関係じゃないから」
「・・・貴様等ぁ!」
次第に怒りが込み上げてきたラピュスは騎士剣を強く握りながら前に出ようとする。するとジルニトラがそんなラピュスの前に腕を出して彼女を止めた。そしてサクリファイスをいつでも撃てるようにグリップを握り直して親衛隊をジッと見る。
「・・・もしエントがあたし達に勝っていた場合、そんな事が言えたかどうか怪しいものね?」
「当然だな。敵を殺せる程の実力を持っているのなら、役に立つ者だと思うのは当たり前の事だ。負けて死んだからこそ、こうやって言いたい事が言える。生きていたら奴が好きな事を言っていた。それだけだ・・・」
「フン、本当にいけ好かない連中ね・・・」
無表情のまま冷たく言い放つ美青年を見てジルニトラは気に入らなそうな顔を見せる。ヴリトラ達も武器を強く握りながらジッと親衛隊を睨み続けていた。
「さてさてさて。それじゃあ、戦いの続きをしようか♪」
少女が楽しそうに笑いながら自分の周りに浮いている四つの鉄球を顔の前まで移動させると鉄球を横一列に並べ、両手を横に広げた。その様子を見てヴリトラ達も武器を構えて迎撃態勢に入る。
「・・・ヴリトラ、あの鉄の球は一体何なんだ?どうして宙に浮いている?」
ラピュスが目の前で浮いている鉄球の事がずっと気になっており、親衛隊に視線を合わせながら隣に立っているヴリトラに小声で尋ねた。ヴリトラもチラッとラピュスの方を向いた後に親衛隊に視線を脅して耳を傾ける。
「あの少女が操っているのは分かるが、どうやって宙に浮かせている?・・・まさか、魔法か?」
「いや、多分あれも機械鎧の能力だろう・・・」
「何っ?」
ヴリトラも親衛隊に聞こえない様に小声でラピュスの質問に答える。ヴリトラの答えを聞いたラピュスは驚いて目を見張った。
「多分、あのアイツの機械鎧から特殊な電波を出して遠隔操作してるんだろう・・・」
「エンカク、ソウサ・・・?」
「遠くにある機械や装置を手を触れずに操る事だよ」
「そんな事が出来るのか?」
ヴリトラの話を聞き、信じられないのか驚き続けるラピュス。二人がそんな会話をしていると、少女は横に広げていた両腕をゆっくりと前に持って来た。すると、四つの鉄球のあちこちで小さな赤い光が点滅し出す。
「何をコソコソ話してるのか知らないけど、またコイツで遊んであげるよ。騎士のお姉さん!」
少女がラピュスに声を掛けた直後、ヴリトラ達から見て一番左端の鉄球が上下に小さく動き、細い隙間が出来る。その隙間から鋭く尖った刃が四つ飛び出して手裏剣の様になった。そして刃を飛び出した鉄球は時計回りに高速回転しだし、それを見たヴリトラ達は警戒し武器を構え直す。
「形を変えやがった!」
「さっきは鉄球のまま突っ込んで来るだけだったのに!」
刃を出した鉄球を見たジャバウォックとジルニトラは数分前の戦いでの鉄球の動きや形を思い出す。ジークフリートが去った後に始まった戦いでは少女は鉄球を飛ばして攻撃して来る程度の攻め方しかしてこなかったのだ。
少女は警戒しているヴリトラ達を見てクスクスと笑い、回転している鉄球を見つめている。
「ウフフフ♪それじゃあ、まずはこれで遊んであげる。これの切れ味は凄いよぉ?幅5cmの鉄パイプも紙みたいにスパッて切れちゃうんだもん。あたしのお気に入りの玩具なの♪」
「お喋りはそれくらいにしておけ、『リリム』。さっさとコイツ等を倒して司令の後を追うぞ」
「分かってるよ。相変わらずアンタは真面目ね?『ガルーダ』」
少女をリリムと呼ぶ美青年をガルーダと呼ぶ少女。どうやらリリムとガルーダが少女と美青年のコードネームの様だ。
「それじゃあ、早速始めましょう!」
「・・・待て!」
リリムがヴリトラ達の方を向いて攻撃をしようとした瞬間、大男がそれを止める。突然止められたリリムは回転している鉄球を止めて自分の近くに戻した。ヴリトラ達と突然攻撃を止めさせた大男を見て意外そうな顔を見せる。
「もう!一体何なのよぉ!?」
リリムは大男の方を向いて文句を言う。大男はリリムの質問に答えずに大きな手を耳の近くに持って来て指で耳の穴に入っている小さな機械に触れる。どうやら大男の耳にはヴリトラ達の様に小型通信機が入っているようだ。
「こちら『ゴーレム』・・・・・・ああ・・・ああ・・・・・・了解」
自分をゴーレムと名乗った大男は小型通信機から指を離して周りの三人を見下ろす。
「時間切れだ、引き上げるぞ」
「えぇ~?まだ遊び足りない!」
「司令からの通信だ。『作戦区域を離脱した、親衛隊は速やかに退却しろ』とな」
ゴーレムの言葉を聞いて三人は反応し、直ぐに表情を戻して頷く。親衛隊の会話を聞いたヴリトラ達は目を見張って驚いていた。
「ジークフリートが逃げ切った!?」
「それじゃあ、下水道の入口を守っていた白銀剣士隊は・・・」
「・・・やられたのか」
「つまり、アイツはもうこの町の外に・・・!」
ヴリトラが驚くのに続いてラピュスとジャバウォックも低い声を出して悔しそうな顔を見せる。ジルニトラも歯を食いしばって親衛隊を睨んでいた。
話を終えた親衛隊はヴリトラ達の方を向き、ゴーレムとガルーダは無表情で、美女とリリムは笑みを浮かべてヴリトラ達を見つめる。
「残念だが、勝負はお預けだ。と言っても司令から殺すなと言われたから、決着もくそもないがな」
「それに、次に会う機会があるのかも分からないしねぇ?」
「俺達と決着をつけたいのなら、生き残る事だ・・・」
「フフフ、さらばだ七竜将。・・・『セイレーン』!」
「了解」
ゴーレムが美女をセイレーンと呼び、何かの合図を送った。するとセイレーンは懐から何やら筒状の手榴弾を軽く放り投げて自分達とヴリトラ達の丁度真ん中に落ちる。そしてその直ぐ後に手榴弾から強烈な光が放たれたのだった。
「うわああぁ!?」
「閃光手榴弾かっ!?」
突然の光に目を眩まして声を上げるラピュスと手榴弾の正体に気付くヴリトラ。四人は光の視界を奪われて動けなくなってしまう。そして光が収まった時、そこに親衛隊の姿は無かった。
「いない・・・逃げられたか」
「・・・クソッ!」
逃げられた事を知り、悔しがるジャバウォックとラピュス。ヴリトラも黙り込んで森羅を握る手に力を入れている。
「マズイわよ、急いで追いかけないと!」
「いや、もう無駄だ・・・。ジークフリートは既に町から離れた所まで逃げちまってるし、今から走っても親衛隊には追いつけないだろしな。体勢を立て直して追おうにもその時にはもう奴等は遠くに行っちまってる・・・」
「それじゃあ・・・」
「ああ・・・今回の戦いは、俺達の負けだ・・・」
ヴリトラは森羅を鞘に納めて空を見上げ、ジルニトラもそんなヴリトラをただ黙って見つめる事しか出来なかった。ラピュスとジャバウォックも悔しそうな表情で俯いている。
「・・・まずは下水道の方へ行って状況を確認しよう。その後に闘技場に戻ってリブル達と合流する。ガバディア団長にも説明しないといけないからな・・・」
ヴリトラは低い声を出して下水道の方へ走り出し、ラピュス達もその後を追う様に走り出した。それから下水道の入口に着いたヴリトラ達は入口まで変わり果てた白銀剣士隊の騎士達を見つける。生き残りはおらず、全員が死んでいたのだ。それからヴリトラ達は救援に来たリンドブルム達と合流し、ジークフリートに逃げられた事を話す。やはりリンドブルム達もショックだったのか少し悔しそうな顔を見せる。それから闘技場に戻ると、武術大会は試合場での爆発と参加者が姿を消したという事で有耶無耶のうちに終わってしまい、住民達の活気を高めようという王家の案も中途半端な結果になってしまった。
レヴァート王国武術大会は終わった。しかし、ブラッド・レクイエム社の計画は阻止できず、七竜将達の完敗という結果になってしまう。だが、この結果も七竜将、そしてレヴァート王国騎士団が強くなる為の糧となるだろう。
第五章終了。次回をお楽しみに!




