第七十九話 積み重なる不安と警戒
ラランとロンの試合はラランが勝利し、これでヴリトラ達の試合は全て終わり、全員が勝ち残る事が出来た。だがそれでもブラッド・レクイエム社の機械鎧兵士と思われるSとZの脅威は消えておらず、まだヴリトラ達は一瞬の油断も出来ないでいる。そんな中、残りの第九試合と第十試合が始まろうとしていた。
ヴリトラ達はラランに試合が終わった後に控室へ戻り、次の自分達の試合が来るまで体を休めていた。他の参加者達も自分の出番が来るまでそれぞれ好きな事をして待っている。
「これでなんとか私達は全員が勝ち残る事が出来た訳だな」
「ああ、残りの二試合が終ったら準々決勝だ」
ラピュスは全員が勝ち残った事が出来たのが嬉しいのか、微笑みながら周りの仲間達を見回す。それを聞いたヴリトラも頷いて笑いながら試合の流れを話していた。
「次の試合で僕と戦うのは、確かジージルって姫騎士だったよね?」
「ああ・・・で、その次が俺とラピュスの試合だ」
リンドブルムが次の対戦相手の確認をし、ヴリトラも次の自分の試合の事を話しながら隣になっているラピュスの方を向く。
「・・・ヴリトラ、私とお前は自分を磨く為にこの大会に参加した。私はお前と全力で戦い、自分の強さがどれ程のものなのかを確かめたい。勝ち負けは関係ない、私は力の限りお前とぶつかる。だからお前も間違っても手を抜く様な事はするなよ?」
ラピュスは少し声を低くしてヴリトラに忠告をすると、ヴリトラは苦笑いをしながらラピュスを見て頷く。
「わぁ~ってるって、俺もこの大会で勝ち負けにこだわるつもりはない。自分が今この世界でどれ程の実力を持っているのかを確かめる為に戦う。この世界の騎士とは今まで全力で戦った事はないし、全力を出した騎士とも戦ってない。いい機会さ、俺も全力でお前と戦う」
「フッ、ならいい」
安心したのかラピュスはヴリトラの顔を見上げて小さく笑う。するとそこへ苦い表情を浮かべたニーズヘッグが顔に手を当てながら二人の会話に入って来る。
「お前等はいいさ、知り合いや面識のある『普通の人間』が相手なんだからなぁ・・・」
「ん?」
「どうしたの?そんな顔して?」
疲れた様な声を出すニーズヘッグを見てヴリトラとリンドブルムは不思議そうな顔でニーズヘッグの方を向く。ラピュスとラランもまばたきをしながらニーズヘッグを見つめていた。ニーズヘッグは四人の顔を一度ずつ見た後にゆっくりと溜め息をつく。
「俺の相手はオカマだぜ?しかも俺に気持ち悪い視線を向けてくるしよ~・・・」
「ア、アハハハ・・・」
愚痴るニーズヘッグを見ながら苦笑いを浮かべるヴリトラ。そこへニーズヘッグの次の対戦相手である角刈り白の服に水色のスカートを履いた男、カーマオが近寄って来た。
「あらぁ~?何コソコソ話してるのぉ~?もしかして、あたしの噂でもしてたのかしら~♡」
「ぬぅあぁっ!?」
耳元で声を掛けてきたカーマオに驚き青ざめながら彼の方を向くニーズヘッグ。突然現れたカーマオにヴリトラ達も一歩下がった。
「よく見ると貴方って、可愛い顔してるわねぇ。ますます可愛がりたくなってきちゃったわぁ~♡」
「う、うう・・・」
カーマオの喋り方や近い顔に小さく震えるニーズヘッグ。そんな姿にヴリトラ達はただ気の毒と思いながら二人の様子を見つめている。するとそこへレヴァート兵が控室に入って来て次の試合の選手に声を掛けてきた。突然入って来た兵士に参加者達は一斉に扉の方を向く。
「では、次の第九試合に出場されるクリスティア選手とビビット選手、試合場へ」
レヴァート兵に呼ばれたクリスティアとビビットが控室から出て行こうと扉へ歩いて行く。ビビットが先に控室から出て中、クリスティアはヴリトラの隣までやって来て彼の方を見て口を開いた。
「ヴリトラさん、この戦いでわたくしは勝ち、必ず決勝まで勝ち残ります。そしてその時こそ、必ず貴方に勝ちますので必ず勝ち残ってくださいよ?」
「ハハハ、既に決勝まで行くつもりなんだな・・・」
「当然です!」
苦笑いをするヴリトラにクリスティアはそっぽ向きながら答える。しかしヴリトラは直ぐに表情を真面目な顔にしてクリスティアを見つめた。
「ただ悪いんだけど、今回は諦めてくれないか?」
「・・・は?どういう事ですか?」
「今回の大会、ちょっとばかりヤバい事になりそうだ」
「何を言ってるのです?意味が分かりません」
ヴリトラの言っている事が分からないクリスティアはジッと彼の顔を見つめる。ヴリトラの周りに立っているラピュス達も真面目な顔でクリスティアを見ており、クリスティアもそんなラピュス達に気付いて思わず表情を鋭くした。
「次の試合でお前と対戦相手の近衛隊の騎士さんのどちらかが勝ち残って次に戦うZが危険すぎるんだよ」
「Z?・・・ああ、あの変な名前の方ですね。どうしてその人が危険だと分かるのです?と言うより、既にその人が勝ち残るって決めてません?」
「間違いなくアイツが勝ち残る。・・・悪い事は言わない、今回俺と戦う事は諦めてもし次の試合で勝ち残っても、次の試合は棄権してくれないか?」
「はあぁ?バカな事を言わないでください!わたくしは誇り高きレヴァート王国の姫騎士ですよ?戦う前から敵に背を向けるなんて絶対に致しません!」
断固として棄権を承諾しないクリスティアをジッと見つめるヴリトラとラピュス達。もし次の試合でクリスティアが勝ち残り、Zと戦う事になれば高い確率で殺されてしまう。クリスティアを死なせない為に何としても彼女を説得しなくてはならなかった。
「・・・さっきの試合で青銅戦士隊のサラ殿も同じ事を言って、Sって言う奴に殺された」
「!?」
ラランの言葉を聞いてクリスティアの顔に緊張が走る。王国騎士団の主力騎士隊の隊長が殺されたと聞かされて驚かない騎士はいない。ラランはクリスティアを見上げながら話を続けた。
「・・・SとZは仲間、Sは見た事のない武器を使ってサラ殿を死なせた。勝てる確率は、低い」
無表情で静かに、まるで脅かす様に話すララン。だが、こうでもしないとクリスティアは考え直そうとしないだろうと思い、あえてプレッシャーを与える様に伝えたのだ。
「そ、そんなの戦ってみなければ分からないではありませんか!」
「・・・分かる」
「んぐっ!」
静かに、そしてストレートに答えるラランを見てクリスティアは表情を少し歪ませる。そんな会話を見て、ラピュスは少し困った様な顔でラランの後ろ姿を見ていた。心の中ではもっと別の伝え方があるだろうと思っているに違いない。
試合の時間も近づき、クリスティアは扉の前で自分を見ているレヴァート兵の方を向いた後にもう一度ヴリトラ達の方を向く。
「とにかく、わたくしは何があっても棄権は致しません!必ず勝ち残ってヴリトラさんと戦います!」
話がまとまらないと思ったクリスティは強引に話を終わらせて控室から出て行く。
「おいっ、ちょっと待てよ!」
「話はまだ終わってないぞ!」
控室から出て行くクリスティアの後ろ姿を見ながら彼女を呼び止めようとするヴリトラとニーズヘッグ。だがクリスティアを振り返る事なく控室を後にした。ヴリトラは「やれやれ」という様に顔を横へ振る。
「まったく、相変わらずプライドが厚いんだから・・・」
「どうするんだ?」
「・・・アイツには悪いけど、次の試合で負けるのを祈るしかねぇな」
クリスティアが次の試合で敗退する事を祈る事にしたヴリトラは困り顔でニーズヘッグの方を向いて答える。するとそこへリンドブルムが同じように困り顔で話し掛けてきた。
「でもさぁ、それだったらあの黄金近衛隊の姫騎士さんもそうじゃないの?」
「確かにそうだな。いくら近衛隊のビビット殿でも機械鎧兵士に勝つのは難しいだろう」
ラピュスもリンドブルムと同じ考えなのかビビットの事も心配になり腕を組んで考え込む。
「・・・とりあえず試合を見に行ってみるか?どちらが勝つにせよ、二人の戦いがどんなものか気になるし」
「そうだね」
今行われている試合が気になるヴリトラを見ながら頷くリンドブルム。ヴリトラ達は控室を出て試合場へ向かう。
「・・・・・・」
ヴリトラ達が部屋から出て行くのを黙って見つめているS。フードの陰からは赤い目が光り、控室から出て行ったヴリトラ達に向けて威圧感を送るのだった。
控室から試合場へ続く通路ではヴリトラ達が真っ直ぐ試合場へ向かって歩いている。五人が試合場へ出ると、そこには既に先客の姿があった。次の第十試合の出場するZとその対戦相手であるバルバスが距離を空けて壁にもたれながら試合を眺めている。ヴリトラ達は黒マントのZと大剣を背負っている男のバルバスの二人をジッと見つめる。
「Z・・・控室で姿が見えなくなっていたと思ったら、試合を見に来てたのか・・・」
「ブラッド・レクイエムの機械鎧兵士のくせに試合を見物するなんて、意外と念入りな性格なんだね」
「ああ、ブラッド・レクイエムの連中は殆どがならず者ばかりだって聞いているから驚いたぜ」
ブラッド・レクイエム社の事を詳しく知っているヴリトラ達がZの行動を見て驚く。これにより更にZに対する警戒心が強くなった、相手の事を観察し戦略を練る者以上に手強い者はいないからだ。それにZが何者なのかも分からない以上、より警戒を強くする必要があった。
「もう一人のバルバスと言う男も侮れないぞ?アイツは昔、金欲しさに換金所や店を襲い、それを止めようとした騎士隊を全滅させた事のある男だ。一度拘束されて監獄送りにされていたのだが半年前に出所して今は傭兵になっていると聞いている」
ラピュスの説明を聞いて七竜将は少し驚いたのか一斉に彼女の方を向く。
「そんなおっかない奴をよく王国は武術大会に参加させたなぁ?」
「過去にどんな過ちを犯したとしても、その罪が償われていれば何も問題ないだろう?」
「まぁ、確かにな」
ヴリトラはラピュスの正論を聞き頷きながら納得する。そんな時、観客達が一斉に騒ぎだし、ヴリトラ達は試合場の方へ視線を向ける。試合場の上ではクリスティアとビビットがレイピアと突撃槍を交えて激しい攻防を繰り広げている姿があった。クリスティアの表情には疲労感が見えており、服もあちこち汚れている。一方でビビットはまだ余裕の表情を浮かべており、突撃槍を構えながらクリスティアを見つめていた。
「クリスティアの奴、押されてるな・・・」
「前にヴリトラと戦った時と比べるとレイピアの扱いや動きは良くなっているが、あのビビットって近衛騎士はその上を行ってやがる」
戦況を見てクリスティアが不利な状況を見て話しているヴリトラとニーズヘッグ。クリスティアはヴリトラと戦った時よりも確かに腕を上げていた、だが相手が悪かったのか、黄金近衛隊の姫騎士であるビビットに手も足も出ないでいた。
「確かにクリスティア殿は前よりも強くなった、それは私から見ても分かる。だが相手は優れた騎士の中から選び抜かれた精鋭中の精鋭だ」
「・・・運が無かった」
試合の結果が既に分かっているのか、ラピュスとラランは試合場のクリスティアとビビットを見て呟く。ヴリトラ達も二人を見た後に試合場へと視線を向けた。
試合場の上では息の乱れているクリスティアとジッと彼女を見ているビビットの姿があり、観客達は二人の試合を見て歓声を上げる。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
「遊撃隊の騎士にしてはなかなかいい腕ね。でも今回は相手が悪かったわ・・・」
「ま、まだ、勝負は付いてませんわよ!」
「私とアンタの実力には差があり過ぎる事はアンタも薄々気づいてるでしょう?自分の弱さを認めるのも強さの一つよ?」
疲労の表情を浮かべるクリスティアを見て少し呆れた様な顔で話すビビット。クリスティア自身も自分とビビットの力の差ぐらいは分かっている、だがヴリトラと戦いたいという意志が彼女を諦めさせなかったのだ。
「わたくしは、自分を負かした人ともう一度戦う為に今日まで体も心も鍛えてきました。そして遂にそのチャンスが来たのです、絶対に負ける訳にはいきません!」
「・・・ハァ、見苦しいわねぇ。さっき言ったでしょう?自分の弱さを認めるのも強さの中だって、ソイツと戦うのも次の機会にすればいいじゃない」
「いいえ、最後まで諦めません!それに折角の黄金近衛隊の騎士との試合です、ここでわたくしが今どれ程強うのかを確かめる事にいたします!」
レイピアを構え直してビビットに向かって走り出すクリスティア。ビビットは向かって来るクリスティアを見て突撃槍を構えると、クリスティアの向かって走り出した。二人は迫って来る相手に向かって走って行き、レイピアと突撃槍を勢いよく相手に向かって突きだす。二人はレイピアの切っ先と突撃槍の槍先を上手くかわして次の攻撃に移る。クリスティアはレイピアを横に振って今度はビビットを斬ろうとした。だがビビットは姿勢を低くしてレイピアをかわすと、素早くクリスティアの背後に回り込み、彼女の後ろ首に手刀を打ち込んだ。
「かはっ!」
手刀を打ち込まれたクリスティアは意識を失い、その場に俯せになり動かなくなった。それを見たヴリトラ達は驚いて試合場の二人に釘付けになる。審判は倒れているクリスティアに駆け寄り、彼女が気を失っている事を確認する。
「それまでっ!」
クリスティアが気絶した事で試合が終わり、試合終了の合図を出す審判。試合が終わると同時に観客達は騒ぎだし、闘技場全体が歓声に包まれる。ビビットは長い黒髪を整えながら気を失っているクリスティアを見つめていた。
「・・・アンタの最後まで諦めないって言う意志の強さは認めてあげるわ。でも、相手との差を見極められないようじゃあ、まだまだ未熟ね」
小さく笑いながら気絶しているクリスティアにそう言うビビットは試合場を後にする。控室へ戻る通路の出入口へと歩いて行き、その途中ですれ違ったヴリトラ達に目もくれずに試合場を後にする。振り返るヴリトラ達はそんなビビットの後ろ姿を目を細くして見つめる。
「・・・見たか?今のアイツの余裕に満ちた顔?
「うん、あんな顔ってなんて言うんだっけ?え~っと・・・」
「俗に言うドヤ顔だろう?」
「そうそう、それそれ!」
ニーズヘッグの言葉で思い出したリンドブルムは彼の方を向いて笑顔を見せる。一方でヴリトラはビビットの歩き去った方を向いて後頭部を掻きながら困った様な顔をしている。
「ハァ、近衛隊の騎士って言うからもっと礼儀正しかったり相手を思いやる性格かと思ったんだけど、あれじゃあただのお転婆な娘じゃねぇか」
「ま、まぁ、近衛隊の中で珍しい人である事は間違いないな・・・」
「・・・お嬢様みたい」
ヴリトラの言葉に苦笑いをするラピュスと無表情で呟くララン。ヴリトラは表情を困り顔から真剣な顔へと変わると試合場の方を向いて担架で運ばれているクリスティアを見る。
「・・・これでクリスティアがあのZと戦う事は無くなったけど、逆にもっと面倒な事になっちまったなぁ」
「トルーメル殿とは全く面識がない、突然試合を棄権してくれと頼んでも承諾してくれる筈がないからな」
「・・・どうするの?」
いくらエリート騎士であるビビットでも機械鎧兵士に勝てる確率は低く、戦えば殺される可能性だってある。殺されると分かっていて見過ごす程ヴリトラ達は冷たくはない。どうやってビビットを説得しようかヴリトラは考え始めた。
「説得がダメだったら、試合を見守って、殺されそうになったら助けるって方法がいいんじゃない?」
「それも一つの手だけど、あくまでも最後の手段だな・・・」
「ああ」
サラの試合では間に合わなかったが、もし次に同じような事があれば試合に乱入してでも止めるという手段を考えるヴリトラ達。そんな中、ラランはヴリトラ達からZ達がもたれていた壁の方を向いて何かに気付いた様な顔をする。
「・・・Zがいない」
「え?」
ラランの言葉にヴリトラ達は壁の方を見る。確かにZとその対戦相手であるバルバスの姿は無かった。五人は周りを見回して探すも何処にいない。
「何処に行ったんだ?」
「控室に戻ったんじゃないの?」
「次が自分達の試合なのにか?」
ヴリトラとリンドブルムが話をしていると、試合場の出入口からZが出て来る姿を見つけ、ヴリトラ達は一瞬驚いた。
「あっ!Zだ!」
「アイツ、どうして・・・」
「やっぱり控室に戻ってたみたいだな」
驚くリンドブルムとヴリトラの隣でラピュスは言う。彼女の話を聞いて「そうかぁ」と言う様な顔をする七竜将と無表情のままのララン。Zが試合場へ上がる姿を見て、試合を見ておこうと思うヴリトラ達。対戦相手のバルバスと話をする事は出来なかったので、もし彼がZに殺されそうになったら止めるつもりでいるようだ。ところが、Zが試合場に上がって十分近く経っても対戦相手のバルバスは姿を見せなかった。観客達は何時まで経っても始まらない試合に痺れを切らして野次を飛ばし始める。
観客達が騒ぎ始めて直ぐに、一人のレヴァート兵が審判の下へ駆け寄り小声で何かを話している。すると審判は観客席を見回して大きな声を出した。
「え~っ、次の第十試合なのですが、Z選手の対戦相手であるバルバス選手が行方不明となり、これ以上の時間を取る事は出来なくなりましたので、第十試合はZ選手の不戦勝となります!」
突然の不戦勝発言に観客達は更に野次を飛ばす。そんな中でヴリトラ達はまた驚きの表情を見せて試合場の上のZを見ている。
「不戦勝?」
「行方不明って、さっきまであそこで試合を見てたのに・・・」
「一体、どうなってるんだ?」
予想外の展開に未だに驚いているニーズヘッグ、リンドブルム、ラピュスの三人。ラランも表情は変わらないが心の中では驚いており、ヴリトラも難しい顔でZを見つめいた。
「・・・何か嫌な予感がする」
ヴリトラは難しい顔のままZをジッと見つめて低い声を漏らす。この時、Zの対戦相手であるバルバスが闘技場の近くにある古い枯れ井戸の中で遺体となっている事を彼等は知らなかった。
第一から第十までの試合が終わり、次はいよいよ準々決勝の試合。ヴリトラ達は不安とZ、Sの二人に対する警戒心の中で次の試合の準備を進めていく事になるのだった。




